久しぶりにLithmaticに行った
DTPと言う言葉は、今では一般的な言葉になったのだろうか?
そう、コンピューターを使って机の上で商業印刷原稿を作り上げる技術のことである。今では知らない人も多いかも知れないが、当時印刷原稿を作るためには写真や文字をそれぞれ専門の所に発注して、戻ってきたものを台紙に切り張りして、それをさらに印刷原盤用を作るための特殊なカメラで撮影してと言った多くの人手と手間が必要なものだったのだ。
それがたった1台のパソコンで出来るのだから、当時(と言っても高々10年ちょっとくらい前の話だ)は画期的な事だった。新しもの好きの私は当時はの会社では珍しい美術系でありながらコンピューターの事が分かる人材だったので早速こうした仕事を任されたというか押っつけられた訳だが、当時出入りしていたのがこうした出力サービスをいち早く始めたLithmaticと言う会社だった。
前置きが長くなったが、この前久しぶりにLithmaticに用事があったので立ち寄ってみた。一時期はDTPの草分けとして急成長したこの会社も、最近ではDTP自体がありきたりになったのと、他社の参入で厳しいと言う噂を聞いてたのでちょっと心配していたのであるが、何のことはない前よりも立派なショールームになっているのを見て人ごとながらちょっとうれしくなってしまった。
さて久しぶりに利用して驚いたのが、出来るサービスの拡大と低価格化の浸透ぶりである。なんと普通の紙への印刷はおろか、特殊な布やフィルムへのプリント、カッティングシートの作成なども出来るようになり、すでにDTPはおろかサイン(いわゆる看板や町中の道案内図などのインフォメーション周り)までもPCでデーターを持っていけば現物が出来上がるシステムになっていたのである。この分では近いうちにレーザーカッターで好きな形にステンレス版を切り抜いたり、3Dモデルデーターを持ってきてそれに合わせてMCで金属の固まりを削り出したりするサービスを始めるのも時間の問題なのではないだろうか。昔、店舗設計やオフィスのショールームを設計していて、こうしたものを全て個別に発注していたのを知っている身としては、つくづく便利になったものだと思う反面、昔つき合いのあった個々の加工会社が今どうしているか心配でもある。
そう、今は印刷だけでなく店舗やオフィスのサインもまた机の上で出来る時代になっていたのである。
次は何が机の上で完結するようになるのだろうか?
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