巨大建築への憧れ
何の因果か、私がいる場所では必ず大きな工事が行われていて、しかもその工事が終わる頃にはそこを出て行くと言うジンクスがある。
長年住んでいた実家自体がいわゆるニュータウンで小学生の時は何もない、巨大な造成地をススキや葛をかき分けて遊び、雨になると駅から家までの道はどろどろになる中を歩いたものだった。そこも私が成人する頃にはようやく完成して、最後はスーパーやらデパートや映画館までがある大きな街になったころに実家を出て一人暮らしを始めるようになった。
仕事先も同様だった。都心だから工事なんかしてないだろうと思っていると、都市部の再開発が始まり、それを見届ける前に職場が移転したり、会社を辞めたりして去ってしまうのである。
そのジンクスは今でも続いているが、おかげで一つ得をしたことがある。それは写真の被写体に困らないことだ。
元々、建築設計をやっていて建物好きと言うこともあるが、作りかけの建築は出来上がる前よりも遙かに見てて面白いのである。特に巨大建築ともなると圧巻で、日本に数台しかない巨大なクレーンや、特殊建築車両が出入りして驚くほどの早さで建物がくみ上がっていく様は、まるでSF映画の中に出てくる一シーンのようでもある。
だが、いつも不思議に思うのは大人は仕方がないかもしれないが、子供達ですら大して興味なさそうにその脇を通り過ぎていくことだ。巨大建築と言ったら、ロボットや軍事兵器とならんで男の子のあこがれだった時代は終わってしまったのだろうか。
そういえば一家に一台といえるほど車が普及してしまった現在、皮肉にも子供達にとっては車はべつに憧れでも興味の対象でも無くなってしまい、モーターショーでもミニカーでも今やスーパーカーブームの頃子供だった層が中心になっていると言う話を聞いたことがある。建物さえもスクラップビルドを繰り返す都市に住む我々の子供達にとっては巨大建築も工事現場も、ありきたりの日常なのかも知れない。
Comments
こんにちは。
巨大建設・・・と言えば、
昔々、都庁を作ってる時、
私は看護学生で病院で実習中で・・・。
『今日は天気いいですね。』の後、
言葉につまると、
都庁の出来ていく状況の話をしてました。
そういう意味でも助かったのですが、
できてく様はなんだか面白かったのを覚えています。
私は子どもの時より、大人になってからの方が
そういう変化に立ち止まるようになったような気が・・・。
つまらないコメントで失礼しました・・・。
Posted by: うてな | January 29, 2005 01:04 AM
こんにちはうてなさん。
新宿の高層ビルと言えば、ちょうど昨日NHKで特集をやっていましたね。定点観測で変わりゆく町並みをおいながら、そのときの新宿の様子や、関係者のインタビューをつづった落ち着いた感じの番組で、興味深かったです。
私も電車で一本の所に子供の頃から住んでいたので、都民ではありませんでしたが当時の事をいろいろ思い浮かべたものです。
思い出してみると、高層ビル街も小学校の頃から時々行っては結構いろんな事をしていて我ながらびっくりします。ある意味ここもふるさとなのかも知れません。
Posted by: doku(fukuma) | January 29, 2005 11:43 PM
その番組見たかったです・・・。
私が住んでる頃はまだ西新宿の裏あたりに
古い住宅街があって、
そう、準夜勤の後に必ずの様に寄ってる焼肉屋さんがあって、
(おじーちゃんとおばーちゃんがやってて、
ビールは自分で取って、自分で伝票に正の字を
足していくようなとこでした。)
私が一人外食をし始めた、記念すべき場所なんですけど、最近行ってみたら、とってもおしゃれなテナントになってて・・・・。
ちょっとした洋食屋さんもなくなってるし・・・。
変わっていく様・・実感できなかったから、
見たかったなぁ。。。
Posted by: うてな | January 30, 2005 12:56 AM