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March 21, 2005

再び椅子の話

 なんかアクセスログを見ると椅子の話を読んでいる人が多いので、再び椅子の話を書いてみる。といっても単なる椅子の紹介は最近インテリアブームをあおったそこら辺の雑誌でさんざんやられているので、一日12時間以上座り続ける生活を何年もしている人体実験の結果でも報告しておこう。
 そもそも椅子に座り続ける生活の始まりは建築設計・施工をする会社に勤めたときがはじまりだった。設計と言う仕事柄、一日中CADを使って延々図面を書いていたのである。そのとき座っていた椅子の種類はもう覚えていないが、おそらく普通のオフィスらしく、コクヨやイトーキのOAチェアだったのではないだろうか。それでも、当時としては多少は恵まれていたのだろう。通常会社の椅子は役職に応じて豪華さや値段が決まるのが普通だった当時、設計業務などの長時間デスクワークをするスタッフに関しては、役職に関係なくそれなりにいい椅子が割り当てられていたからである。とはいえ、実際に座っていた身にとってはまだ今のようなエルゴミクスや体に追従する機能性などを持った椅子自体がほとんど無かったせいもあって、一日の後半にはかなりへばっていた記憶がある。その後、オフィス設計専門の部署に移るのであるが、そのときに座っていた椅子がKnoll社から出ていたニールズ・ディフィリエントのParachute One-Pieceチェアである。この椅子、結構デザイン的にはかっこよくそれなりに有名な椅子ではあったのだが、一つだけ重要な問題があった。それは外人のサイズで作られていて小柄な日本人には座面が高すぎたのである。もちろんオフィスチェアだけあってそれなりに、座面の高さの調整は出来たものの、どんなに下げてもやはり高いことには変わりないのである。そのため女性陣にはえらく不評だったのだ。
 そういえば、いまだに続いているインテリアブームよく取り上げられる外国の有名な椅子-例えばバルセロナチェアだとか、アルミナスリングチェアだとかに座ったことがあるが、これらもその多くは外人サイズで日本人にはちょっと大きすぎたり、座面が高すぎる事が多いのを思い出した。もしこれらを買おうと思っている人がいたら、とにかく一度座ってみてその高さを確認して欲しい。
 さて話を戻すが、その後しばらく座っていたのがスチールケースのセンサーチェアである。結局この椅子にこの後10年以上座り続ける羽目になるのだが、当時はまさかこんなに長い付き合いになるとは思わなかった。この椅子、まあ10年以上座ってられるだけあって、たしかにいい椅子だし、コストパフォーマンスも最高(なにせ他の有名オフィスチェアよりもずっと安い)なのだが、さすがに長年使っているといくつかあらも見えてくる。その一つが夏暑くて蒸れるというのと、重いということだろう。とはいえこれはいくつか弁護される点もある。当時はアーロンチェアなどに使われたペリクルなどの強度のあるメッシュ状の素材は無かったし、重量が重いのは逆に上で変な姿勢を取ったときに転倒しないようにしたからだ。特に後者の重量に関しては日本と外国メーカーではだいぶ考え方が違うようで、(まあがたいが違うと言うのもあるが)向こうでは多少大きかろうが重かろうが運送コストがかかろうが、どっしりとした安定性を重視するようなのだ。
 なお、ついでにこの椅子に関してちょっとだけアドバイスをすると、通販のカタログには載ってないが、実はこの椅子デザインや生地に関しては膨大なオプションがあるので、デザインに凝りたいときにはちょっとオプション料を足してやると、結構かっこいい椅子に変身する。特にお勧めはバックシェルにも座面同様に生地を貼ってやることで、見違えるように見た目が良くなるのでもしここを見てからこの椅子を買おうという奇特な人がいたら試してみて欲しい。
 以上がこれまで座ってきたオフィスチェアのレポートである。このほかにも有名なハーマンミラーのアーロンチェアなども座ったことがあるのだが、この椅子についてはもう沢山の人がいろいろ書いているのでいまさら書き足すことも無いだろう。

 下手をすると一生のうちで一番長い時間を過ごすことになるものだ、ぜひとも妥協しないで選んで欲しい。

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