« 早速試し撮りの成果を披露する | Main | モジュールの話 »

May 10, 2005

デザイナーズチェアの本物とは

 一時期、雑誌「BRUTS」などが盛り上げたデザイナーズチェアブームはまだ続いているのだろうか?
当時インテリアデザイナーだった自分にとって、こうしたブームはえらくインチキくさいものに感じられたのだが今回はその話ではなく、今でも話題になっている各メーカーから出ているデザイナーズチェア同士の違いについてである。この話題、一時期は2chでさえスレッドが立つほどだったからたぶん思った以上の人が感心を持っていたのだろう。(後半はブームが終わったのかぐだぐただが・・・)
 ところでデザイナーズチェアと言ってもいろんなものがあり、デザイナーやメーカーによって扱いが違うのでまずはおおざっぱな分類から始めよう。
(なお本文中ではオリジナルと一言で言っているが当然ラインセンスの携帯によってその意味も変わってくる。文字道理「オリジナル」で他は不法なコピー品と言えるものもあるし、ライセンスは切れているので、オリジナルと名乗っていても最初に作ったと言う意味でしかないものもあるからだ。)
 
 1.独占契約でそこでしか公式には作られていないもの(ライセンスが切れていない最近の椅子、アーロンチェアなど最近のオフィスチェアなどは皆これに入る)
 
 2.ライセンスが切れて様々なメーカーが作っているもの(トーネットNo.14チェスカチェアなど)
 
 3.ライセンスは切れているものの、作家の遺族や財団と契約して作っているオリジナルと複製品が出ているもの(コルビジェやミースの椅子など)
 
などがあり、同じオリジナルと言っても意味は全く異なってくる。まず1についてはこれはオリジナルしかないので話は早い。強いて言うならイームズのDCMパントンチェアのように作っているうちに改良が加えられて、デザイナーが当初作ったものと違うものになっているものがあるが、コレクターでも無い限りそこまでこだわる必要はないだろう。(注:パントンチェアに関しては改良と言うよりは当時使っていた素材、FRPが廃棄物処理問題の関係で使えなくなったのでポリプロピレンに変更されている。またイームズの椅子のライセンスは国によって異なりVitraとHerman Millerで作られていて、1の例と言うわけではないのでご注意を)
 これに対して2や3はちょっと微妙である。もちろんオリジナルがそのぶんクオリティが高ければ問題ないのであるが、値段とのトレードもあるし、ものによってはオリジナルと釘売っているくせに大した出来ではなかったりするからだ。カッシーナなどはかなりがんばっていて、LC2のパイプをきちんとR加工していたり(他のメーカーは溶接処理)ミースのバルセロナチェアの面倒なX型の足の交差部分などもきちんと仕上げられているものの、同じメーカー内でも作っている工場によって仕上げが異なると言う面倒な側面もある。(当然仕上げの質もことなる)ここらへんライカのドイツ産とカナダ産との違いのようだが、ある程度高品質にこだわるならブランドだからと安心しないで作っている工場までも気にしなくてはいけないらしい。
 あと例え仕上げがよく、オリジナルでもやっかいなのがサイズと仕上げの問題がある。例えばLC4などではオリジナルのカッシーナは当然身長182センチのヨーロッパ人のサイズを元に作っているが、それだと多くの日本人に取ってはモモが余ってしまうだろう。皮肉なことにIDCなどの製品の方が、日本人には使い勝手が良いのが実情なのだ。

 ただしもしあなたが会社の人間で、オフィスなどの椅子にこれらを考えているなら、2以外はメーカー品を買った方が良いだろう。ホテルにレプリカ品を大量に導入した結果、カッシーナ社(注:ノールかも知れない)から訴えられたケースがあるからだ。これは日経デザインに連載されている「デザインの紛争と判例」に取り上げられたので気になる人はバックナンバーを漁って欲しい(注:ソースを取ろうと調べたが膨大すぎて私は再度見つけられなかった。申し訳ない。)

|

« 早速試し撮りの成果を披露する | Main | モジュールの話 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/76620/4039252

Listed below are links to weblogs that reference デザイナーズチェアの本物とは:

» ワイヤーチェア ファブリックビキニパッド イームズデザイン(価格73,500円) [きらきらインテリアショップ ]
ワイヤーのみで構成されたイームズの代表作ワイヤーチェアに鮮やかなカラーのファブリックシートが付いたDKR-2。「ダイヤモンド・パターン」と呼ばれるシートデザインは、ワイヤーチェアの美しさを引き立てると共に背と座への負担を軽減し快適な座り心地を実現しています。..... [Read More]

Tracked on June 06, 2005 at 05:37 PM

« 早速試し撮りの成果を披露する | Main | モジュールの話 »