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May 30, 2005

お味噌汁とボルシチとカレー

 お味噌汁とボルシチとカレー。この3つに共通項があると言ったらどう思うだろうか? それも同じ食べ物とかそういった広い括りでの共通項ではなく、もっと根本的な共通点があると言ったら?
 答えはその国の基本的な汁物のメニュー、それも家庭から外の食堂までたいていのところで毎日のように作られてメニューに並ぶものと言う点である。なんだ当たり前じゃんと言われそうだが、もう少し詳しく見てみると結構興味深い事が判るのだ。それはどれも野菜が中心でありながら、肉や魚など何でも具として入れられる柔軟性を備えていること。そして、きちんとしたレシピがあるようで各家庭ごとに様々な作り方があるという点である。また地方によって味付けに様々な流派があるという点でも似てると言えるだろう。(ただカレーの具となると実はカーストによって食べられるものが異なると言う事情もあって、単純に地域差の流派と言えない根深いものがあるのだが)
 そのせいもあるのか、これらの料理は一口にみそ汁なりカレーと言っても人により様々なものを思い浮かべるように、ポピュラーな割には共通の味なりレシピを挙げるのが難しい。よく日本に来たインド人が日本のカレーを食べてこれはカレーじゃないと言う話を聞くが、なまじ根元的な食文化になっている分、自分が食べていた料理には思い入れがあるからだろう。これは同じ国の人どうしてもよくある話で、「結婚は食文化の激突だ」と言う訳ではないが、みそ汁やおでんの味付けを巡って夫婦でもめるのはよく聞く話である。同様な衝突が果たしてインドやロシアであるのかは知らないが、カレーやボルシチにも様々な種類があるのは言うまでもないだろう。
 特にカレーは日本では一繰りに「カレー」と呼んでいるが実は現地では具や作り方によってそれぞれ別の名前で呼ばれているのが普通で向こうに行ってカレーと言っても通じないと言う話を聞いたことがある。では向こうで日本のお味噌汁にあたるような汁物は何かと言うと地域差が大きいので一言では言えないのであるが、おそらく南インドの代表的なカレー「サンバル」がそれにあたるのではないかと思う。豆の甘みの効いた中にスパイシーな味付けと、沢山の野菜が入ったそれは、まさに味付けは違うもののインドのお味噌汁といった感じで、中に入っている具を食べながら「これって具は皆お味噌汁と同じでは」と思ったものだ。
 ではボルシチについてはどうなのと言うと日本ではあまりメジャーじゃ無いせいなのか、そもそも種類がおいてあるところが少ないので語るほどいろんな種類を食べていないのが実情である。だが聞くところによるとボルシチもウクライナ風、モスクワ風、ポーランド風、コープ風など様々種類があるらしい。意外なのはボルシチと言うとビートと言う赤かぶが欠かせないイメージがあるがそれすらも必須条件では無いそうで、現に日本では中村屋のボルシチはビートを使わないトマトベースのものになっている。
 
参考Link:誰も知らないインドカレー
インド料理店を経営しているカレー伝道師、渡辺玲氏のページ。カレーにまつわる様々な蘊蓄と沢山のカレーの紹介が魅力。

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