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May 11, 2005

モジュールの話

 たまには仕事の話を書くことにする。元々インテリアデザインの仕事をやっていた事もあって、3DCGの仕事でも建築物やインテリア・ランドスケープなどを作る機会が多いのだが、そのときに結構困るのが各オブジェクト同士の大きさである。
 特に最近はゲームやCGパースなどは実際にその世界を歩き回ったり、物体同士の干渉をチェック出来るようになってきたせいもあって、きちんと大きさを合わせないと本当にものが置けなかったり、歩くことが出来なくなってしまうのでやっかいだ。まあこれはいいことでもあって、きちんとサイズをチェックしているつもりの建築製図の世界でも、あまりにキツキツの物件だったりするとついつい無意識のうちに中に置くものを小さく書いていて、後で中の什器が入らなかったりする事があるくらいだから(もちろん詳細設計段階でまでには判明する)、事前に分かるだけでもありがたいとも言えるだろう。
 さてこうしたものをプランニングしてみると分かるのだが、意外に私たちは身の回りのものの大きさを覚えていない事に気づかされるだろう。例えば電柱、2階の窓の高さ、扉の標準的な大きさ、こういったもののサイズをとっさに言えるだろうか?
 そのときに役に立つのが、各オブジェクトの寸法の単位である。例えば建築物で言えば、多くの建物は30cmが基準になっている(正確には微調整のため微妙に端数がある場合が多い)。これは昔の尺寸法の名残とも言えるが、なによりもそこで生活する人間の寸法から割り出すと大体このくらいの値がちょうどいいからである。そしてそれが今でも残っているもう一つの理由は多くの建材がこの単位に基づいて売られているからだ。また基本となる単位は違うものの同様の事は結構いろんなものに当てはまる。例えば道路であれば法規で幅によって通れる車や車線数が決められているし、建築との絡みで周りに立てられる建物の高さや道からのハッチバックの距離などが決まってくる。そんな訳で、いくつか基本になるものの長ささえ覚えておけば、後は大体そこから見当がつけられる訳だ。なんでも建築にしろ都市計画にしろその道の専門家になると一度見ただけで大体の大きさや長さなどがすぐに分かるようになるし、ラリーのナビゲーター、鉄道の運転手などもたとえ他人の運転であっても今の位置と移動距離がリアルタイムで分かると言うからたいしたものだ。そういえば長さでは無いが、量り売りをしている商売の人たちは持ったものの重さをg単位で分かると言う話もあったっけ。
 もちろん凡人の私などはとてもそこまでの境地にはいかないものの、設計をやっていたおかげでなんとか見当をつけられるようになっているようだ。なお、この手の資料は街の本屋さんでも探してみると、建築資料コーナーなどにあるので興味のある人は探してみるといいだろう。また、そのほかに自分の各サイズを覚えておくといざというときの寸法の見当をつけるのに役に立つので覚えて置いても損ではない。例えば、自分の歩幅を覚えて置いていざというときに歩幅をメジャー代わりに使えると言う訳である。

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