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July 05, 2005

ディープインパクト

hp-bullseye
ディープインパクトと言っても映画の話ではなく、NASAが行っている彗星探査計画の名称である。
まずはそれがどんなものか、国立天文台のwebより引用しよう。

ディープ・インパクト探査計画は、日本時間で2005年7月4日に、9P/Tempel 彗星 (テンペル第一彗星、以後「テンペル彗星」と表記)という彗星核に衝突体(インパクター)を衝突させ、その様子を観察するという、アメリカ航空宇宙局(NASA)の彗星探査計画です。彗星に打ち込むのは、重さ約370キログラムの円筒形のインパクターで、彗星物質と反応しやすい部分はほぼ100%が銅でできており、それ以外の部分に観測及び自動操縦に用いられるカメラが搭載されています。銅でできているのは、衝突後ばらばらになって蒸発しても、彗星本来の物質と区別ができるように、と配慮されたものです。  インパクターの衝突速度は秒速10.2キロメートルにも達し、TNT火薬換算で5トン分の衝撃力を持ちますので、彗星核の表面には最大で深さ30〜50メートル、大きさ200メートルほどのクレーターができると考えられています。衝突によって起きる様々な現象は探査機本体によって至近距離から観測します。探査機本体には、視野の異なるふたつのカメラおよび赤外線の分光計などが搭載されていて、衝突によるクレーターの形成や、その後の彗星核表面の変化の様子を詳細に観測することになっています。  これによって、彗星核の表面の強度や内部から蒸発してきた彗星核本来の成分などが明らかにされると考えられています。

なお余談だが、この国立天文台のページはすごく良くできていて、今回の件に関して今後発表される速報は別として技術的なコメントや分析を書き足す余地はどこにもない。そんな訳で今回はテクニカルな話はパスして最近の惑星探査プロジェクトを通して感じた事をちょっと書いてみたい。
 以前話題になった火星探査機スピリットの時もそうだったが、最近はCG技術が進歩したおかげで事前にNASAからよく出来たCG映像が発表されるようになって久しい。それ自体はプレゼンテーションとしてすばらしいことなのだろうが、逆にそれがリアルとシミュレーションの違いをますます曖昧にしてしまったようにも思う。これは別に宇宙開発に関わらず、あらゆるジャンルの映像に関して言える事だろう。あの911の時にさえ、妙なディジャブを感じた映像制作者は多いのではないだろうか。そのせいだろうか、以前より惑星探査機からの最初の映像はインパクトを持って受けいられなくなってしまったような気がしてならない。自分が子供の頃は新聞の写真であってもわざわざ切り抜いてコレクションにしていたのだが、今の子供にも同じような感動があるのだろうか。

 そういえば昔はカラーコピーなどを駆使した見た目が立派な(だが得てして中身の薄い)企画書は邪道とされていた時代があったのを思い出してしまった。当時、インテリアの設計会社だった私は良く取引先に立派な企画書を持っていくと、かえってうさん臭がられる時さえあったのが、今では普通の会社の決算報告のようなものですら、カラーで作られる時代になってしまった。
かくして私たちは自分たちが作り出す資料さえ、中身以外にも見た目の豪華さにも力を注がなくてはいけなくなってしまったのである。

参考Link:『ディープ・インパクト』衝突の画像、ネット上で速報(hotwiredの記事)
NASAによるディープインパクトのシミュレート映像

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Comments

こんにちは、度々おじゃましますm(..)m
私は自営業じみたことをしてますが、一番最後の「見た目が立派な(だが得てして中身の薄い)企画書は邪道」の部分、同感です。内容よりも“始めにプレゼンありき”のような感じがします。最近、マニュアル本やメディアがプレゼンの力説に傾斜しているからでしょうか・・

Posted by: ぴよ | July 05, 2005 at 04:00 PM

ぴよさん。毎度ありがとうございます。
昔、広告代理店の片棒を担いでテーマパークやら何やらの仕事にも関わっていた自分にとっては、実は最近の見た目重視のプレゼンの流れは痛し痒しと言うか、自業自得というか、複雑なものがあります。なにせ最初にやっていたのは自分たちでしたから・・・。
まあ、だからこそ自戒を込めてそれに伴う内容をともなったもの(企画書にかかわらず)で勝負していきたいと思っている訳です。

Posted by: doku | July 06, 2005 at 01:40 AM

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