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July 01, 2005

恐るべきロシアの天気操作技術

 ちょっと一息ついたものの、梅雨も終わっていないのに真夏並みの天気が続いている。おかげでビールの消費が増えるばかりだが、そろそろ夏の渇水が危惧されはじめているようだ。


小泉首相「雨を降らせる技術ないのか」カラ梅雨心配

 カラ梅雨で西日本を中心に渇水の恐れが強まっている問題が28日の閣僚懇談会で話題となり、小泉純一郎首相が「雨を降らせる技術はないのか」と、人工降雨技術について閣僚にただす場面があった。
 北側一雄国土交通相が西日本などの渇水状況について「農業への影響が心配」と報告した。首相は5月にモスクワで開かれた対独戦勝60周年式典の際、ロシア軍機が積乱雲にドライアイスを発射して雨雲の撃退を試みたことを紹介し、「雨を止められるなら、逆に雨を降らせる技術はないのか」と発言。
 棚橋泰文科学技術担当相が「雨を降らすには雲を作らなければならないので難しい」と答えた。

この記事にも出てきたロシアの人工降雨技術だが、うだうだ書くよりも向こうのニュースを紹介した方がノリが分かると思うので「ロシアンぴろしき」のgonzaさんの記事をちょっと引用してみよう。読んでいただければ判るようにロシアのすごいところは使われている技術よりもその規模にあるのが判ると思う。ほとんど乗りは戦争である。


「良い天気づくり」作戦の概要】(2005年5月戦勝記念日の場合)

・まず気象衛星や地上気象観測装置、気象観測飛行機で分析。
・雲行きが怪しくなり次第、特別装備(天候観測装置や雲に作用する物質など)の12機の空軍機(イリューシン18等)がスクランブル発進。
・方位探知機のデータはすべてコクピットに無線で伝えられ、雨の可能性がある場所は電波探知機の画面に赤色で表示される(本格的すぎ)。
・「良い天気づくり」作戦は朝7時から夜11時まで行われる。
・飛行機はモスクワ100kmゾーンで液体窒素とドライアイスを散布することによって、雨雲を追い払う。
・飛行機から空中散布される「晴れ薬」として使われるのは、液体窒素、ヨード銀の弾薬、粉上物質、炭酸ガスなど、雲の種類にあった成分が使われる。
・ドライアイスが低層の雲を薄め、液体窒素が雨層雲を散らし、ヨード銀の弾薬包が雨積雲をせん滅する(気分はもう戦争!)。
・飛行機の機体につけられたとりつけれた銃火発生装置から雲に「一斉射撃」をくわえる。
・その結果、雲は霧散し、目的地(つまり町)に達する以前に雨となって地面に落ちる。
・つまり、町に近づく前に雨を降らせる。水分をなくした雲は都市に入ったときにはすでに雨雲ではなくなっている


 いかがだろうか、確かにこれだけ物量戦を行えば効果があるのも当然のような気がする。それにしても独ソ戦の頃からロシアの火力重視の物量戦のノリは変わってないなあ。(写真は降雨剤を撒くイリューシン)
DSCF0780-80a

 ところで与太話ばっかりなのもあれなのでちょっとまじめに考察しておくと、この人工降雨技術は1946年に米国の科学者ヴィンセント・シェファーによって行われたのが最初で技術自体はそう真新しいものではない。技術の肝はある程度の大きさの雲に対して、雨の種になりそうな沃化銀やドライアイスを打ち込んでやるとそれを種にして雨が降るというもので、使われている技術よりも降雨材となる種を投下する時期と場所、投下する分量などのノウハウがポイントになるらしい。ただ相手が自然なだけにコントロールは難しく、1947年10月に米国がハリケーンに対して勢力を弱めようとドライアイスを撒いたところ勢力をそぐことには成功したものの米本土に向けハリケーンは暴走。結局多大な被害を出した事に対して原因は人工降雨作戦にあると批判が相次いだという。
 それでもこの技術自体は小さな改良を加えながらいろんな国で普通に使われているもので、昨年でも中国・タイなどで渇水対策として行われそれなりに効果を上げたらしい。また日本でも2001年夏に東京で渇水対策に行われた結果、無事雨が降り石原都知事が大喜びしたことがあったのを覚えている人もいるかも知れない。

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