« ロシア語の動詞に苦しめられる | Main | アストロE2打ち上げ成功 »

July 11, 2005

本日の本屋の戦果及びもう一つの漫画家失踪モノについて

 最近、平日本屋に行く暇がないせいもあって休日になると、大きな本屋に寄って山のように本を買ってしまうようになってしまった。下手に大きな本屋に行くと普通の書店では置いてないような本を見つけてしまうせいもあって、いつもより散財する度合いがひどくなっているような気がする。
 そんな訳で先日の戦果。
インドな日々/早水りんこ
トルコで私も考えた/高橋由佳利
55歳の地図/黒咲一人
自己愛型社会/岡田尊司
アメリカの行動原理/橋爪大三郎
 今回買ったリストを見て気が付いたのだが、どうも私は旅行記ものや外国生活ものが好きなようでこの他にもかなりのこうした作品を買っていることに気が付いた。その割には自分では海外生活はおろか、2週間以上の海外旅行の経験すら無いのは皮肉な話である。こんなことなら若くてもっと暇なうちに一度海外で生活しておけばよかったと思うのだが今更いってもしょうがあるまい。
 続く「55歳の地図」は吾妻ひでお氏の「失踪日記」に続く漫画家失踪ものだが決して単なる二番煎じ物ではない(まあこんな大変な経験を単に二番煎じネタの為にする人もいないと思うが)。
ところでこの作品で失踪する動機が原稿の以来が途絶え生活費が底をつきかけたというのは笑えない。なにせ私のようなフリーランスの人間なら、いや今なら大抵のサラリーマンが、いつかは自分もと恐れている状況だからである。だが高橋氏が選んだ道が最初は単なる思いつきだったかも知れない四国遍路だったのが、彼を救う事になる。詳しくはぜひ本書を読んで欲しいのだが、ふと思ったのは昔からあるこうしたシステムは単なる伝統や習慣の枠を越えて、追いつめられた人間を救済するシステムになっていたのではないだろうか。同じ状況の時、他の場所に行っていたらきっと単なるホームレスとして誰からも省みられることもなく、下手をしたら命を落としていたと思うとこうした伝統が実はいろんな意味を持っていることに気が付かされるのだ。なおこの本も「失踪日記」とはまるでカラーは違うものの、話の面白さ(と書くとなんとなく罪悪感を感じるが)や経験のすごさと言う点では負けず劣らずの内容なので、ぜひこちらもいろんな人に読んで欲しいものである。

|

« ロシア語の動詞に苦しめられる | Main | アストロE2打ち上げ成功 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 本日の本屋の戦果及びもう一つの漫画家失踪モノについて:

« ロシア語の動詞に苦しめられる | Main | アストロE2打ち上げ成功 »