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August 09, 2005

ネットの調べものの話(あるいはネットの中の真実とは)

 結論らしい結論があるわけではないが、先日書いた深海救助船(DSRV)について調べていたときに感じたことをつらつらと書いてみたい。
 毎回ここで書いている話は自分にとって単なる思いつきのメモだったり日常の記録に過ぎないので、それほど中身に注意を払っている訳ではないものの、それでもなるべくきちんと調べるように心がけている。実は先日の話も軽い気持ちで書き始めたものの結局調べものに時間がかかってしまった。それで思ったのが居ながらにしていろいろ調べものが出来るものの、まだネットの情報も偏ってるし、無いものはないなと言うことである。これはもちろん探し方が悪いと言うのもあるだろうけど、それも含めて以下のような問題と言うか事情があると思う。

1.そもそも捜すためのキーワードが判らない。
今回のケース。今回、最初に嵌ったのが深海救助船の名称で、まず救助に活躍した「スーパースコーピオン」で調べれば何か判ると思ったものの何も見つからず、次に深海救助船で調べてみたのだがこれがまたよく判らない。どうやら潜水艦などを救助する特殊な作業船はDSRV(Deep Submergence Rescue Vehicle)と呼ばれていることがわかってようやくいくつかの専門サイトが見つかったものの、今回活躍したスーパースコーピオンのような無人艦はこのカテゴリーには入らないのか結局このキーワードでも判らないままだった。しかもこうした時は官民合同で救助に当たることもあって、必ずしもDSRVが使われると言う訳でも無いらしい、そんな訳で結局今回活躍したスーパースコーピオンの詳細は最後まで判らないままであった。
似たような話に、そもそも呼び名が外国で違うというケースもある。例えば中国の人名や地名は英文の資料では向こうの発音をそのままアルファベットに置き換え表現されているのに対し、日本では漢字文化圏と言うせいもあってそれを日本語読みした名称が使われていることが多い。そのためいざ英文の資料を当たろうとすると「はて、これは誰(どこ)なんだろう」と言うことになるのである。

2.本当にネット上に情報がない
マイナーなものならわかるものの、意外に昔から研究されている分野でもネットとの親和性が少ないものはどこを捜しても見つからないケースがある。また権利周りでうるさいせいもあるのだろうが、私が体験したケースでは歌詞は分かっているもののどうしてもタイトルが判らない曲があって(歌詞から)検索をかけたもののついに判らなかったと言うことがあった。これなど上手く解決すれば音楽の売り上げアップにも結びつきそうなものなのに、うまい仕組みを作る気とか無いのだろうか。

3.大量の対立する情報が見つかるケース
以前「情報の飽和作戦」でも書いたが、逆に検索をかけるとあまりに大量の(しかも作り話も含めた)情報がHitしてしまいかえって本当の事が判らないと言うケースもある。これを読む頃にはきっと決着が付いているのだろうが(追記:結局否決された)、今だと「郵政民営化」などのキーワードで検索をかけてみるとまさにこの状態になっているはずだ。新聞から経済アナリスト、政治評論家はもとより個人のBlogなども含めると賛否両論で内容ももっともらしい分析から陰謀論まで何でもありの状態で読めば読むほど訳が分からなくなってくる始末である。とはいえ、一見すると同じような意見や分析がずらっと検索結果の上位にあるからと言って信用できるとは限らないところが困った所で、これについては「ネガティブ化するググラーの意味」でも触れたことがある。要はそれなりの資金があればSEOを最適化することで全く自由にとは言わないものの、かなり検索結果のランキングは上げられるからである。(だからこそSEOと言う商売が成り立つ訳で、効果がなければ誰もそんなことにお金を投じないであろう)

 ところでこのうち時間が経てば1と2の問題は解決される(1は検索技術の進歩で、2は権利関係を除けばデジタルにデーターが移築される可能性が高い為)可能性があるが、3番目の問題は逆に時間と共に拡大していく見込みが強い。現在でさえ万人が編集することで作り上げていくオンライン百科事典"Wikpedia"では、いくつかの項目(「南京大虐殺」、英語版では"evolution"(進化論)など)が各陣営による編集合戦が行われたあげく、書き込み禁止状態になってしまっている。万人がネットにつなぎ自由に意見が言えるようになったときには、きっとあらゆる場所がプロパガンダの行われる情報戦の主戦場となるのだろう。その中から本当と思われる事を私たちは見つけることが出来るのだろうかと思うと、ネットによってマスコミ等の一方的な情報操作から逃れたなどと無邪気に喜ぶ気にはとてもなれないのである。

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