« 書評:宇宙の歩き方 | Main | うるさい日本の私 »

August 11, 2005

自主路線のお値段(外国に依存しない方が結局は安くなると言う話)

 昨日の毎日新聞社説に米スペースシャトル運用縮小を引く形で、日本の宇宙開発方針の見直しを説く記事が載っていた。
毎日新聞社説:シャトル帰還 日本は宇宙開発戦略の再考を

 このテーマ自体は、松浦さんなどを始めとしていろんな方が何度も言われていた事なので再度それについて述べるつもりはない。ただ何となく違和感と言うか気にかかるのは、この件に限らずある程度結果が見えてから後出しじゃんけん的に言っている感じがすることと、新聞の社説に取り上げられたところで大部分の人にとっては「関心無い」と思われているだろうと言うことだ。
 まあどんなテーマにせよ全ての人たちに感心を持ってもらうのは不可能だし、無理に啓蒙する必要があるとも思わないのだが、この手の議論で必ず出てくる「必要な技術やサービスは外国から買ってくればいいからわざわざ大金をかけて自分たちでやる必要はない」と言う意見だけはちょっと反駁しておきたいと思う。

 独自技術は高く売れる
国際科学ステーション(ISS)の建造費に占める金額は現在、総額約400億ドルとも言われる金額の8割をアメリカが出しているのに対しロシアは3億ドルしか出費していない(注)(なお日本55億ドル)。だがスペースシャトル運用縮小が決まった今、ISSのライフラインを支えているのはロシアのソユーズ宇宙船とプログレス輸送船に依存している状態ではロシアの発言力は出資額を遙かに超えたものになっている。これと逆のケースが国連における日本の立場である。実は国連の通常予算における日本の分担金はアメリカに次いで2番目の19.51%に達している。しかし最近の日本の常任理事国入りの可能性が事実上潰えてしまったように、出費額に関わらず、日本の発言力はそれよりずっと小さなものにすぎないのである。このように、同じ発言力や影響力を行使するのなら独自の技術や手段を持つほうがはるかにコストパフォーマンスが良いことが判るだろう。
注:ただし打ち上げの多くをロシア側が受け持っているが、その打ち上げ費用は含まれていない事に注意して欲しい。

そしてこの話は宇宙開発に限らない。安全保障の問題やエネルギーなどさらに切実なテーマでまさにこれと同じ事が問われているのではないだろうか。

|

« 書評:宇宙の歩き方 | Main | うるさい日本の私 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/76620/5402001

Listed below are links to weblogs that reference 自主路線のお値段(外国に依存しない方が結局は安くなると言う話):

« 書評:宇宙の歩き方 | Main | うるさい日本の私 »