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October 24, 2005

外国語の習得期間

 外国語を勉強していればきっと誰もが一度は思う事が「はたしていつになったら自分はこの言語をものにできるのだろうか」と言うことだろう。バイリンガルな環境に育ったとか、ヨーロッパ諸国のように自国と学ぶ言語が比較的似通っていると言う事情でも無い限り、残念ながらショートカットは無いとは知りつつもついつい促成法を探したくなるものだ。
 シュリーマンやロンブ・カトー氏のような語学の達人たちはものの1年足らずで次々に外国語を物にしていったが、私たち凡人がもっとも早く外国語を習得するとしてどのくらいの時間がかかるのか、モノにする程度にもよるが単純に時間から言えばどうやら半年というのが最短らしい。ただこれは太平洋戦争中にアメリカ軍が情報収集の為日本語のエキスパートを養成するために陸軍情報部が作成したMISLS( Military Intelligence Service Language School)の例なので期間はともかくその授業内容は大変厳しい物だったらしい。時間は朝の8時から午後の5時までだが、夜7時から9時までは予習と復習の時間が最初からスケジュールに組まれていて、さらにカリキュラムについて行くためにはそれ以外の時間を自主的に勉強に充てなければならない物だったそうだ。
 それでもこのカリキュラムの凄いところはわずか半年で、ネイティブに話せるどころか軍事ミッションをこなせるだけの専門知識までも習得した事である。日本軍の文書解読のためには、兵学的専門用語から候文、方言や手書き文書の金釘流文字にまで精通している必要がある。「日本人よりも日本人らしい」深い知識が彼らに要求されていたのだ。
 それでもさすがに誰でもこのカリキュラムを使えば日本語をモノに出来ると言うものでは無かったらしく、高度な日本語解読能力を有した語学兵は稀少で日本兵と鉢合わせをする太平洋戦線では間違って見方から攻撃されないように専門の護衛まで付いていたという。
 さすがにこれはハード過ぎる例だとしてもうちょっと穏やかなコースを見てみると、外務省の語学研修とJAXSAの宇宙飛行士の語学カリキュラムが参考になるかも知れない。共に元々外国語がある程度堪能な人たちが受けるとはいえ、新たに全く知らない言語(外務省なら将来担当する地域)、JAXSAならロシア語を学んでいくのでスタートラインは同じである。外務省では正確な期間は分からなかったが、国内である程度語学研修を受けた後、習得言語を母国語とする国に2年の留学と言うものになっている。対して宇宙飛行士の場合、ある程度会話内容が限定されるのと英語も併用できると言う事情があるにせよ、それでもトータルで200時間が語学研修にあてられるということだ。200時間と言うと短そうだが、それでも毎日2時間づつ勉強にあてても3ヶ月強はかかる計算になる。
 こうしてみると何とか話せるレベルでも3ヶ月以上、ネイティブになるには最短でも半年、普通は数年といったところらしい。やはり語学習得の道のりはなかなか平坦には行かないようである。

参考Link:
MISLS情報部日本語学校とMIS(陸軍情報部日本語学兵士)
ISS搭乗宇宙飛行士候補者の基礎訓練
外務省員の研修制度

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