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November 14, 2005

武器としての通貨戦略

 アメリカ国債の全流通量(約500兆円位)のほぼ50%にあたる2兆600億ドルが外国人保有である事が先週発表された。しかもこれはアメリカにとって必要なオペレーションになっていて、金利の急騰がこれによってブレーキがかけられていると言う実情がある。
 この国債の半数以上が外国の保有になると言う自体は本来懸念すべき事で、普通の国ならばこれにより自国の経済政策の自由度に制限がかかる事態を招きかねない。事実、アルゼンチンの経済破綻の一因も国債の外国保有分が原因になっていた。(要は外国資本が引き上げられると自国経済が破綻してしまうのでそのために金利を上げていった結果、ショートしてしまったのである)
 さて問題はこの外国保有分をどこの国が持っているかだ。例えば日本は膨大なアメリカ国債を保有しているが、これはまず引き上げられる心配は無い。と言うか実は橋本内閣時代に「米国債を売りたくなる衝動に駆られる」と、コロンビア大学で橋本総理が演説したことがあるのだが、米国は米国内の日本資産の封鎖・凍結する可能性すらほのめかしてその動きを封じてしまったくらいで、そもそも売ることさえ出来ないのが実情である。またEU諸国も交渉の余地はあるだろう。しかし、実情はこれらの国に加えて中国がかなりの分を保有しているらしいのだ。そうなると中国はこれらを戦略化して使用することは十分有り得る訳で、アメリカとしては面白くない状態だと言えるだろう。
 中国はアメリカに対してはロシアと大規模な共同軍事演習を実施したり上海協力機構を作るなど様々な対抗策を取っているが、こうした所まで手を伸ばしているとは思わなかった。思った以上にしたたかな国なのかも知れない。

 それにしても感じるのはEUや中国に対して日本はどうして通貨政策に関しても国際的な戦略が打てないのだろうか。中国に関しては既に触れたが、ヨーロッパ(主にフランス)もかつてアメリカが金・ドル交換の停止を一方的に発表した際(ニクソン・ショック)には、課徴金の廃止とドルの切り下げをいち早く実現したと言う歴史がある。しかし日本は当時も固定相場制度を維持し続けたために膨大なドルの売り浴びせを受けて大きな損失を出したのだった。そしてその後の橋本内閣時の顛末は先に書いたとおりである。私たちが自主的な通貨戦略を持てるのはいつのことになるのだろうか。

・参考Link:極東ブログ:中国の外貨準備高が日本を抜いたことへのやや妄想っぽい話
ここのコメント欄を読むと例えアメリカの圧力が無かろうが、中国であっても経済システム上簡単に売却できない事が伺える。

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