みずほ証券発注ミス、巨額損失の可能性
今日の株式市場はインプレスのやじうまウオッチにまで取り上げられてしまう程の大混乱があったようだ。
原因はなんと売買注文の入力ミス。1株61万円で1株の売り注文を出そうとしたが、実際には、1株1円で61万株の売り注文を出してしまったのである。
8日の東京株式市場で、東京証券取引所の新興企業向け市場マザーズに同日上場した総合人材サービス業ジェイコムの株式に対し、みずほ証券が誤って大量の売り注文を出し、みずほ証券には現時点で270億円の含み損が生じている。
この影響で、日経平均株価(225種)が300円以上、急落するなど市場が大混乱した。
この日は、こうした取引に対する不安が広がり、証券会社や大手金融グループの株式を中心に売られ、株価は全面安となった。
日経平均株価(225種)は前日比301円30銭安の1万5183円36銭と、12月1日以来1週間ぶりの低水準まで値を下げて取引を終えた。下げ幅は今年3番目の大きさだった。
(2005年12月9日0時11分 読売新聞)
それにしても恐ろしいのは、電子化によってこうした些細な入力ミスが多大な損害を出してしまうことである。今やっているゲーム業界の仕事なら、まだそれでも表示がおかしかったり、動いたときに世界の外に飛び出したり、ダメージを受けたときにかすっただけでプレイヤーが即死したりするだけでまだ現実世界に実害が無い分、ディバッグ上の笑い話ですむ話であるが、現実世界とリンクしている世界では笑い事では済まない。
事実、欧州宇宙機構のアリアン5ロケット1号機が打ち上げ37秒後に姿勢を崩し爆発したのも、ソフトウェアのバグが原因であった(アリアン4号のプログラムをそのまま使ったところ、アリアン5の加速が大きすぎてデーターが桁あふれしたのが原因)し、巨大な製鉄業などの機器の制御では些細なミスが即人死にを招きかねない。
しかしいつも思うのだが、われわれ全人類の生死を預かる戦略核ミサイルシステムでは本当にこうした事故は起きないのだろうか。ロシアでは「死の手」と呼ばれる自動核報復システムがいまでも駆動しているという。おそらく同じようなシステムはアメリカにもあるはずだ。漫画や小説では日常的にハッキングやコンピューターウィルスで核戦争が起きる話が書かれているが、こればかりは現実世界では願い下げである。
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