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December 15, 2005

がんばれ「はやぶさ」

 日本の小惑星探査機「はやぶさ」の帰還が2010年6月に延期された。スラスター(姿勢制御用小型ロケットエンジン)の燃料漏れが原因と思われるトラブルのため、姿勢制御がうまくいかないのが原因だ。
だが、その記者会見の様子が松浦さんのBlogに紹介されていたが、その内容は素晴らしいものだった。もちろん帰還が遅れ、かつ「はやぶさ」の状態も万全でない状態ではあるが、すでに今の成果でもNASAやESAなどから共同実施の申し込みも来ているという。なぜなら小惑星にサンプルリターンを試み、着陸まで成功させた国は日本しか無いからである。
 記者会見の中で川口マネージャーが言った台詞の中に印象的なフレーズがある。曰く「高い塔を建ててそこへのぼってみれば新たな地平が見えるものだ。そのような塔を自ら建てるという意識を鼓舞したという点でははやぶさには意味があると考えている。」
ある程度リスクを取らなければ先には行けない。今回のプロジェクトではそれを明確に示したのではないだろうか。
 そういえば、前回「はやぶさ」を取り上げたときにアメリカもまた低予算のプロジェクト、ディスカバリーシリーズ(彗星のサンプル採集をめざしたスターダスト計画などがある)を取り上げたが、金額的には同じ低予算でも「はやぶさ」とスターダスト計画には一つ大きな違いがあることを書き忘れていたのでそれについても補足しておこう。スターダストでは既存の技術を使ってなるべく安くすますことをめざしたが、これは既存の技術というリソースを食い尽くしてしまうと後がない。「はやぶさ」ではあえてリスクを取る形で低予算化を実現した(テストの回数をぎりぎりまで減らし、冗長性を持つシステムを捨てて、代わりに複数の目標を同時に追求して、一つでもデーターを取ることをめざした)。これは日本の宇宙開発の予算が少なく、その割に高い成果を要求される為に行った苦肉の策と言う側面もあるのだが、ここまでの成果を上げたことをもっと評価してあげるべきだと思う。

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Comments

 突然で恐縮ですがご招待です
 「はやぶさ」にちなんだ雑学クイズを作りました。
 お近くへおいでの節は、どうぞ拙宅へもお立ち寄り下さい
http://blog.q-q.jp/200512/article_77.html
(ご迷惑でしたら、お手数ですがコメント、TBの削除をお願いします)

Posted by: 素町人@思案橋 | December 15, 2005 at 11:42 AM

コメントありがとうございます。雑学ニュース拝見しました。
こうしてみると、一般向けに分かりやすく説明したつもりでも結構分かりにくい言葉が使われているものですね。本当はマスコミがこうした用語の解説を補ってくれると良いんですけど、過去の例を見るとそれがあまり当てにならないのが残念です。

Posted by: doku(fukuma) | December 16, 2005 at 01:58 AM

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Tracked on December 15, 2005 at 12:19 PM

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