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December 28, 2005

男は家を出て行った

  男は家を出ていった
  棍棒片手に 袋をもって
  遠い旅路へ
  遠い旅路へ
  歩いて出かけていった

  ずっとまっすぐ進んでいった
  ずっと前を向いていた
  眠らず 飲まず
  飲まず 眠らず
  眠らず 飲まず 食べもしないで

  そしてある日 明け方に
  暗い森へ入っていった
  その時以来
  その時以来
  以来 姿を消してしまった

  でももしあなたが
  男をたまたまみかけたら
  そのときはすぐに
  そのときはすぐに
  すぐに わたしたちに教えてほしい


ロシアの詩人ダニエル・ハルムスの誌。
1937年にこの誌を発表したハルムスは、1941年に突然逮捕され収容所で亡くなった。まるでこのなかの男のようにある日突然消えてしまったのである。

 再び、ハルムスのことを書こうと思ったのは、こうした悲劇の運命の人たちに惹かれるのと、偶然この訳を付け今NHKラジオ講座で講師をやっている鴻野わか菜さんのページをたまたま見つけたからである。
それにしてもこの誌がこんなに気になるのは何故なのだろう。自分自身がこうした報われることの少ないひたむきさに憧れているからなのだろうか? あるいは物事がうまくいかないときに単に自分自身を投影して陶酔しているだけなのだろうか?
 そういえば以前、性格診断テストか占いかなにで「あなたは何かをするに当たって大義名分が必要なタイプです。それがあれば身を粉にして社会に貢献するような大きな仕事をしますが、それがなければ何かをしたいと言う要求だけに振り回されて社会の破壊者になることが多いでしょう。」と言われたことを思い出した。
さて自分はどこに真っ直ぐ向かって行くのだろうか?

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Comments

私もとても気になります、この詩。
しかも、訳がよいですね。
いろいろなことを重ね合わせてしまいます。
そういう威力を持ったものに出会えることは、大きな幸せのように感じます。

Posted by: double face-d | December 28, 2005 at 09:57 AM

こんにちは、double face-dさん。どの国も誌もそうですが、この誌もロシア語の原文だと韻を踏んだ作りになっていて、まるで音楽のように心地よい響きになっています。ちょうど明日30日にNHKラジオロシア語講座(AM8:50、再放送PM4:40)でやるそうなので、もし気が向いたら聞いてみると面白いかもしれません。

Posted by: doku(fukuma) | December 29, 2005 at 01:10 AM

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Tracked on December 29, 2005 at 01:13 AM

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