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January 16, 2006

Microsoft Wordの歴史からX-Box360を考察する

 Microsfot社員のChrisPratley氏のBlogの中で氏が関わった、Microsoft Wordがいかにして日本で「一太郎」などの先行していたソフトから市場を奪ったかに関する興味深い記事がある。それによればMicrosoftの戦略は明確で、まずは徹底的な市場と顧客のリサーチを行った上で、その要求を徹底的に実現すると言うものらしい。一見すると単純なようだがMicrosoftの侮れないところはその徹底ぶりにあるらしい。つまり一度正しいと思われる方向性さえ確定すれば、あとは膨大なリソースを惜しげもなくそこに注ぎ込むのだ。それによりごく一部のユーザーしか使わないかも知れない膨大な機能が盛り込まれ、かつ顧客の嫌う要素は極力排除されていく。それに対し他社は一見華やかな機能数や見た目のインパクトの追加競争に応じるか、ユーザーが思いも寄らぬ全く新しい機能を提案するかと言う状況に追い込まれる訳である。後者の選択は提案した機能が支持されるかどうか分からないと言うリスクを孕み、かといって前者の選択を取った場合には競争相手はMicrosoft程の強力なリソース(資金や開発人数)を持たない場合にはすべての時間を(Microsoftが次々付け加える機能と同じような機能の)移植と保守に費やすこととなり、イニシアティブをMicrosoftに握られてしまう事になる。
 これを今の次世代ゲーム機競争に当てはめて見てみると面白い。まず、第一ラウンドでは明らかにMicrosoftが日本の市場と顧客を読み違えて、そもそも競争にならなかったと言えるし、今進んでいる第二ラウンドでも日本の市場と顧客の要求をきちんと反映しているとは言い難いものがある。だが視点を海外に移してみれば少なくとも、Microsoftの戦略はかなりうまくいっていると言えるだろう。市場占有率は年々上昇し、新しいタイトルも順調に伸びているのがそれを裏付けている。それに対する各社の対応もそれぞれの事情を反映しているようで面白い。おそらくSONYはリソースでは十分Microsoftに対抗できると思っているのだろう。Microsoftと真っ向対抗する形で「もっとグラフィックをもっとサウンドをもっとCPUパワーを」と言う物量戦をとりつつ、かつこれまでのPS2のソフトの互換性を持つと言う戦略を採っている。これは不十分にしかX-boxとの互換性をもてなかったX-box360よりもさらにユーザー本意の物量戦を取っていると言えるだろう。対して両者ほどのリソースを持たない任天堂は全く新しいゲームシステムを構築すると言う戦略を目指しているようだ。これははずせば致命的であるものの、AppleがMicrosoftが進出していない音楽ジャンルにおいて圧倒的な成功を収めたように、うまくいけばディファクトスタンダードを得ることすら出来るハイリスク・ハイリターンな戦略である。
 さて次世代機を巡る戦いはどのようになるのだろうか?

関連記事:ゲームは物量戦にあらず
以前書いた記事。何故ゲームが物量戦になってしまい、かつ見たこともない新しいゲームが簡単に出ないかについての考察。

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