日本の核開発能力を検証する(2)
以前、軍事研究(ジャパンミリタリーレビュー社発行)の2005年8月号の「国産による日本核弾頭開発計画」を引く形で日本の核武装の可能性について書いたことがあるが、さらに状況が進んでいるみたいなので改めて取り上げてみたいと思う。
以前も既に日本は核武装に必要な技術はほぼ全て揃っていることには触れたが、なんでも早雲さんのBlog「晴耕雨読」によればさらに軍事用プルトニウム制作に必要な小型遠心分離器が高速増殖炉「常陽」と「もんじゅ」の燃料再処理用と言う名目でアメリカから購入し、さらに水爆に必要なトリチウムも核融合実験炉ITER(イータ)を誘致すれば実験用に大量に保有できる言うのだ。幸か不幸かITERの誘致には失敗したが、それでも実は実験炉「ぶげん」内部でトリチウムが作られているのでこれを転用すれば問題ない(追記:調べたところこれらで作られる量では足りないらしい。ただし肝心の水爆に必要な重水素化リチウムの製造・入手方法は不明な点が多い為、正確なところは分からなかった)。さらに前回の検証では大陸間弾道弾(ICBM)を作る技術はあってもサイロなど発射基地の問題があると言ったがこれもトマホークのような巡航ミサイルを使えば解決する。(タイミング良くと言うべきだろうか平成16年度の政策提言研究における「専守防衛に関する提言」では状況に応じ敵ミサイル基地等を攻撃できる能力・体制が提言されているが、これが巡航ミサイル保有に繋がるとも言われている。)巡航ミサイルに必要なデジタルマップに関してもハードルはクリアしている。今年の頭に打ち上げられた観測技術衛星「だいち」は合成開口レーダを搭載し詳細なデジタルマップを作成することが出来るのだ。その精度は標準偏差で約31m以下であり、アメリカが軍事転用を恐れて制限をかけた100mの精度をクリアしている。
こうしてみると日本は核武装はしていないものの、あらゆる非核諸国の中でもっとも核武装に近い国だと言われるのがよく分かる。
参考Link:
・日本の核開発能力を検証する
・日本の核開発能力を検証する(3)
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