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April 07, 2006

言葉(言語)を巡る戦争

 4月5日の溜池通信や雑誌「Foresight(2006年2月号)」などでも取り上げられたが、最近中国語学習者の数が世界中(特にアメリカ)で急増しているらしい。たとえばアメリカ大学委員会(College Board)の調査によると公立学校では新規に中国語クラスを始めたいと言う学校が2400校もあるのに対し、日本語クラスを始めたいと言う学校は300校しか無かったという(注)。理由は明快でビジネス上の相手としても、情報収集すべき脅威の対象としてもこれから中国語の需要は増えることはあっても減ることは無いのに対し、安定した逆に言えば発展性も脅威も無い日本はいまさら日本語を学んでまで情報収集する必要はないと言うことらしい。
 逆に学ぶ対象の語学圏にとっては、どこも自国の言葉の話者が増えた方が様々な点で都合が良いこともあって、自国語の学習者を増やすべく様々な支援を行っている。特に有名なのがフランスで直轄のフランス文化センターを世界92カ国で運営するなど様々な優遇策を行なっているし、学習者が急増している中国も例に漏れず中国教育省は在米公館を通して公立学校に中国語教科書を寄付したり、教育関係者を中国に招待するなどの優遇策を行っている。
 対する日本はどうだろうか、アメリカの日本語学習者の減少が伝えられているにもかかわらず、積極的に日本語学習者を増やそうという話はあまり耳にしたことがない。今話題になっているNHKの改革に絡んで、海外向けの情報発信を増やそうと言う話は出ているものの、これは英語の放送で日本語教育という点では関係の無い話である。むしろ一部で出ている話のようにNHKが民営化されてしまったら、こうした利益に結びつかない語学教育番組は真っ先に割をくらいそうなくらいで、日本語学習者拡大に関してはむしろ後退しているのかも知れない。自国語学習者拡大競争では明らかに日本は中国に遅れをとっていると言えるだろう。

(注)唯一の例外は日本で昨年の反日デモの為、今年の大学では第二外国語で中国語の受講者が減っているという。しかし太平洋戦争中のアメリカが日本の情報収集の為に、日本語エキスパートを養成したように、対立する可能性があるのなら逆に相手の言葉を覚えるべきなのである。

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Comments

「マイアミの青い空」というブログを書いております。たいへん興味深く拝読しました。明日、この記事を引用紹介して取り上げさせて頂きたく思います。中国語に対して日本語はアメリカで劣勢に立たされているにもかかわらず、アメリカ人の日本に対する信頼度は中国より高い。
アメリカ人はビジネスライクに考えているのでしょう。

Posted by: Taichan | June 27, 2007 at 02:39 PM

 コメントありがとうございます。こうしてリンクを張られると少しこそばゆいものの、嬉しいです。外国に対する日本語教育のサポートや働きかけは最近ようやく増えてきましたね。このテーマはまた取り上げてみたいと思っています。

Posted by: doku(fukuma) | June 29, 2007 at 10:03 AM

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中国語学習者の数が、世界的に急増しているという話は良く聞きます。 ChenesePodを提供している私達にとっては、とても喜ばしいことなのですが、それに伴って逆に日本語の学習者が減少... [Read More]

Tracked on April 20, 2006 at 08:57 AM

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