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May 07, 2006

陸域観測衛星「だいち」データの公開制限へ

 少し古いニュースだが、今月4日の共同通信の記事によると陸域観測衛星「だいち」の観測データーの公開制限を始めるようだ。

 文部科学省は4日までに、宇宙航空研究開発機構が運用する陸域観測衛星「だいち」について、軍事的な利用や、日本の外交や安全保障への支障が懸念される場合には観測データを非公開とする方針を決めた。
 無制限に公開すれば日本の国土が危険にさらされるだけでなく、公開を望まない国との関係を悪化させる恐れがあると判断した。日本の衛星では、2003年に2基同時に打ち上げた情報収集衛星が能力や軌道も含めてデータを非公開としているが、一般の観測衛星では初の公開制限になる。
 どのデータを非公開にするかの判断は難しいため、関係省庁を含めた態勢と判断基準となる指針を早急につくり、ことし9月の衛星本格運用までに準備を整える。
 だいちは1月打ち上げ。3方向から撮影した地表のデータから、2.5メートル四方ごとに標高を誤差3—5メートルの精度でとらえ、精密な立体地図を作ることができる。宇宙機構は運用の初期段階で地球全体の立体データを取得し、10月からは有料で一般公開する方針だった。〔共同〕 (16:45)

 不思議とこれについて考察している所がないので落ち葉拾い的に解説するが、問題になっているデーターは間違いなく合成開口レーダによるデジタルマップデーターだろう。これは文字通りデジタル化した地形データーなのだが、たんなる地図ではなくデーターは全て3次元で持っている。そこでこのデーターを使えばコンピューターで自由な方向から見ることが出来る訳だが、一番の問題はこのデーターを使えば巡航ミサイルを地形に沿って飛ばすことが出来ると言う点である。そのためアメリカなどでは100m以下の精度のデーターは軍事転用を恐れて非公開にしているものなのだ。ただ痛し痒しと言えるのはこのデーターは同時に地震などの予兆である地殻変動の手がかりにもなる点である。特定の研究機関に限定して公開すれば良いではないかと言われそうだが、こうした研究はオープンにするのが原則だし、多くの研究者と共同してこそ成果が上げられるものなのだ。
 こうしたことからデジタルマップデーターは公開しても非公開でも安全保障に支障が出る。どのデータを非公開にするかは難しいさじ加減が求められることだろう。

参考Link:
観測技術衛星「だいち」でなにが分かるのか
以前書いた記事。
日本の核開発能力を検証する(2)
これも以前書いた話、巡航ミサイルとデジタルマップの関係についても触れている。

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