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July 20, 2006

CIAの対日工作の外交資料が公表される

 なぜか昨日突然に新聞各紙が1950年代から60年代半ばにCIAが行っていた対日資金工作を取り上げている。代表的なものとして毎日新聞の例を引いてみよう。

米中央情報局(CIA)が1950年代から60年代半ばにかけ、日本の左派勢力を弱体化させ保守政権の安定化を図るために、当時の岸信介、池田勇人両政権下の自民党有力者に対し秘密資金工作を実施、旧社会党の分裂を狙って59年以降、同党右派を財政支援し、旧民社党結党を促していたことが18日、分かった。
 国務省が編さん、同日刊行した外交史料集に記された。編さんに携わった国務省担当者は共同通信に対し「日本政界への秘密資金工作を米政府として公式に認めるのは初めてだ」と語った。
 米ソ冷戦の本格化や共産中国の台頭で国際情勢の緊張が高まる中、米国が日本を「反共のとりで」にしようと自民党への財政支援に加え、旧社会党の分断につながる工作まで行っていた実態が裏付けられた。日本の戦後政治史や日米関係史の再検証にもつながる内容だ。
 ニューヨーク・タイムズ紙は94年、マッカーサー2世元駐日大使の証言などを基に、CIAが自民党に数百万ドルの資金援助をしていたと報じたが、当時の自民党当局者は「聞いたことがない」としていた。(共同)

 どうやら元は共同通信の配信記事のようだが、今になってこうした話が配信されるのはどんな事情だろうか。それにしてもこれでCIAの対日工作は晴れて「陰謀論」から「正史」に昇格したわけである。
 ところでこうした文章が公表される背景には、元々アメリカの政治的基本理念として、政治や外交でも表沙汰に出来ない裏工作は必要悪として必要だが、その代わりに必ずこうした活動は記録に残し解禁しても良い時期になったら公表すべきだと言う考えがある。まあ一種のモラルを守るシステムなのだが、冷戦終了後そろそろこうした対日工作も公表してもいいと判断される時期になったのかも知れない。そういえばこの前も沖縄の祖国復帰の見返りに、本来米国が支払うべき土地の復元費用を、日本が肩代わりしたのではないかとされる1971年署名の沖縄返還協定の真相がアメリカの公文書によってようやく実在した事が明らかになっている(余談だが公文書が出てもこの件は未だに政府は否定し続けている)。
 もしかしたらこの調子で歴史の闇に埋もれていた事が、これからも明らかにされていくのだろうか? もしそうならそのときにアメリカと共犯関係だった政府がどう動くか注視しておく必要があるだろう。

 ところでCIAがらみで言及するが、いくつかの日本のメディアがCIAの肝いりで作られたことを知っているだろうか。例えば文芸春秋社が『諸君!』などがその一つだ。(参照Link)そのほかにも電通などもその設立には日本政府やCIAが積極的に関与している。こうした事は決して秘密ではないのだが、何故かあまり言及する人がいないのが不思議である。

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