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July 24, 2006

図書館戦争(誰のために何の本を入れるのか)

 スラッシュドットの記事にある“「もったいない」ので図書館蔵書を募集”の中で書かれていたコメントによると、最近の図書館は「税金を使って運営している以上」市民のリクエストに積極的に応えて蔵書の利用率を上げるべきだと言う意向が強く寄せられているらしい。言われてみれば私が住んでいる町の図書館もベストセラーが何冊も入っていて、しかもそれが軒並み貸し出し中なので「読みたいのに読めない」と言う苦情が殺到しているという話を聞いたことがある。どうやらこれはどの図書館でも多かれ少なかれ起きている事らしく、今では多くの図書館で「無料貸本屋」と出版界から非難されるような状況になっているらしい。しかし図書館の本来の意義って個人所有が難しい本を置き、一般市民の知的探求を助ける事じゃないのだろうか。

 そこでちょっと気になって調べてみると、どうやらこの問題は2002年11月7日のNHKのクローズアップ現代で放送した「ベストセラーをめぐる攻防〜作家vs図書館〜」で取り上げられて結構話題になっているテーマらしい。(余談だがこのときの取り上げ方があまりに恣意的なのでないかと言う反論が取り上げられた町田市民図書館から上げられている
 またそれをきっかけとして多くのWebやblogなどでも扱われていたようで、思った以上に昔からあるテーマのようだ。そのため多くの問題点や対策などは既に議論済みのものが多いのだが、未だにいろんな所で問題になっているようにこの問題は決着がついていない。結局の所、図書館をどうしたいのかと言う総意がまとまらない以上、どんな本を揃えても不満は出続けるのだろう。
 実は出版関係の仕事もちょっとやったことのある関係で知っているのだが、やっかいなのはこの問題はさらに多くの利害関係が絡んでいることだ。出版者側でも専門書や児童書など図書館の売り上げに依存している専門書系の所と、ベストセラーを抱える大手などで意見が真っ二つに分かれているうえに、さらに最近では政治・宗教団体が自分の意向に添った本を図書館に置かせるために市民を装って工作したりしている有様らしい。(特に「新しい歴史教科書」を巡っては図書館に置く置かないで裁判沙汰にまでなっている上に、左右それぞれの団体が市民を装って大量の「意見」を送りつけている状況になっている)
 身近な憩いの場であるはずの図書館も水面下ではどろどろとした状況に巻き込まれているのである。

参考Link:
kmizusawaの日記-福島・矢祭町:新設図書館の本、寄贈呼び掛け
未来社-[未来の窓28]図書館の役割はどう変わるべきか

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