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August 26, 2006

米メディア大手、相次ぎラジオ局売却

 少し前の記事だが、21日の日経によると米メディア大手が相次いでラジオ局を売却しているという。

 【ニューヨーク=八田亮一】米メディア大手でラジオ事業売却の動きが広がっている。米CBSコーポレーションは21日、ラジオ15局を同業のエンターコム・コミュニケーションズに2億6200万ドルで売却すると発表。一方、今春事業売却を決めたウォルト・ディズニーに対しては、買い手企業が買収額の引き下げを要請した。携帯音楽プレーヤーや音楽のネット配信の普及がラジオ苦戦の背景との見方が多い。

 CBSは全米で約180のラジオ局を所有する。このうち、テキサス州オースティン、オハイオ州シンシナティ、テネシー州メンフィス、ニューヨーク州ロチェスターの4都市の15局を売却する。CBSからラジオ局を買い取るエンターコムはこれとは別に、中堅ラジオ局のラジオ・ワンからマサチューセッツ州ボストンのラジオ局を3000万ドルで取得することも決めた。

 アメリカのラジオ局は日本と違い、それほど規制は厳しくない。干渉さえしなければ新しく局を開局することも出来るし、また簡単に潰れたり買収されたりもする。そうした訳で今回もそれほど話題にはならなかったようだが、ちょっと気になったのは売却の理由が携帯音楽プレーヤーや音楽のネット配信の競争に負けたと言われている点である。

 だが実情はもう少し複雑な事情が絡んでいる。そもそもアメリカのラジオはそれ以前から空洞化が進んでいたのだ。詳しくは以下のコラムを読んで欲しいが、簡単に要約するとメディア企業は多くのラジオ局を買収して傘下に入れてしまい、その結果メインコンテンツの音楽がスポンサーの売りたい曲しか流れなくなってしまったのがリスナー離れの最大の理由だと言うのである。

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 またさらにブッシュ政権になってからキリスト教右派の影響力が増大し、放送論理の規制が強化され多くの発言が事実上検閲されるようになったと言う事情もある。
 例えば2004年には「放送倫理規制法」により警告や罰金ばかりでなく放送ライセンスの取り上げまで出来るようになり、さらにアメリカのラジオ放送のシステムを利用することで生放送であっても検閲やコマーシャリズムの強化が行われている。それが出来るのも実はアメリカのラジオは生放送であっても実はリアルタイムで放送されていないと言う事情があるためだ。どうなっているかと言うとアメリカのラジオでは編集の容易さや放送事故に備えて放送される内容は一度全部バッファリングされた後に電波に乗るようになっている。問題なのはこの仕組みがCM時間の延長や検閲にまで利用されるようになっていることだ。例えば番組をほんのちょっと早送りにすれば代わりにCMの時間を増やすことが出来るし、アナウンサーがNGワードを口走っても電波に乗る前にその部分だけを消去してリアルタイムで編集し、何事もなかったように放送を続けることが出来るのである。しかしそんなことをしていけばリスナーが減るのは当然だろう。先ほど上げたLink先にも書かれたようにアメリカのラジオを聞く人の2004年の時点で既に減少を始めている。

 振り返って日本ではどうだろうか? アメリカと違って簡単に放送免許が得られない日本ではこれまで独占状態だったのでそれにあぐらをかいて来れたかも知れないが、最近ではテレビや新聞など様々なメディアの批判も目に付くようになってきた。案外日本のラジオ局もアメリカと同じ道をたどるのかも知れない。

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