新自由主義による都市開発の末路とは
bewaadさんを初めとしていくつかの所で紹介された香港九龍城砦ネタだが、ようはあらゆる国家権力や法律を撤廃して自由化すると、直接利益を生み出さないインフラを誰も負担しないので、下水やゴミ処理が放置された汚水と臭気に満ちた場所になると言う話。
ところでこれとアナーキズムを結びつけて論じる所が多いようだが、どちらかと言えば今大手を振っている新自由主義と結びつけて論じるべきではないだろうか。社会福祉や教育など従来公共部門が担ってきたものを民間へと移し、「小さな政府」を作ると言う新自由主義のあり方はまさに九龍城砦で行われていた事に他ならない。(何せ公的サービスなど何もないのだから)
新自由主義は一見、規制緩和や政府部門の民営化等の手段によって民間経済を活性化させ国際競争力を上げる事を目標とし、「自由競争を正常に行う」ためにルールの強化と厳密な運用を行うことから小さくても強い政府を謳っているのでアナーキズムとは対極にあるように見えるが、なんのことはないこうした点ではやっていることはアナーキズムと全く同じなのである。
そういえば近年、耐震強度偽装問題やプール排水口問題・シンドラーエレベーター問題などインフラの不備にまつわる話題に事欠かないが、今後も新自由主義を進めていくならまだまだこうした事件は続くのだろう。
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