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August 21, 2006

日本でもメディカル・ツーリズムが一般化する日

 メディカル・ツーリズムと言う言葉を知っているだろうか。観光と医療サービスをセットにしたパッケージツアーの ことで、程度によって異なるが受けられる医療サービスは人間ドック、美容整形から高度なものでは心臓バイパス手術などがあるという。
日本ではほとんど話題になっていないものだが、ロサンゼルス・タイムズの記事によるとアメリカでは授業員の医療保証保険の負担が企業経営を圧迫するにつれ、一般保険加入者であっても物価の安い海外で治療を受けるケースが増えているという。この背景には日本のような国家が負担した社会保障制度が存在せず、また医療費と保険金の高騰により企業が負担していた医療保険すら存続が危うくなっていると言う事情がある。しかもこれによって米国内で医療を受ける人は減ってしまうので病院側の経営はますます悪化し、医療保険制度はさらに破綻が進むという悪循環の元になっていると言われているのだ。
 また、ここまで行かなくてもアメリカでは医療費を抑えるため海外から薬を調達するのは日常的な事になっている。日本よりこうしたジャンルの規制が緩いこともあり、主にカナダから薬は調達されているという。

 翻って日本だが、実は医療保険制度があるせいで分かりにくいものの実は日本の医療費は世界的に見ると割高で医療システムは厚生労働省の医療費削減やその他様々な理由により破綻しかかっており、今の医療保険制度が持たなくなってくるとアメリカ並みの惨状になるとも言われている。後十年もすれば日本でも手術を受けに外国にと言うのが普通になっていくのだろうか?

 メディカル・ツーリズムは確かに安くて(値段の割には)快適なサービスを受けられるとは言え、リスクがあるのは否めない。医療ミスが有った場合に患者が法的手段に訴えることはほぼ不可能で何かあっても泣き寝入りせざる得ないのが実情だ。果たして将来、私たちはどこで医療を受ければいいのだろうか。


関連記事:スラッシュドットジャパン-「ニンゲンドック」受診してますか?
記事の内容自体よりもコメントの中であった「例え人間ドックなどで病気が見つかっても、入院している暇が無く、仮に入院が長引いたりしたら解雇された上に、再雇用先がない」と言う発言に多くの同意する意見が付いているのがとてもショッキングだった。

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Comments

日本の医療は割高ですか?
安いと思いますよ、胃ガン検診、数万円。アメリカでは数千ドル。安いおかげで多数の患者に当たれ、胃ガン早期発見なんてアメリカの医者に言わせると神業だそうです。かたや年間、数例、かたや日常業務、技術に差が付くのも当然です。

それに専門医も日本では大学病院における丁稚奉公の過程で知識と経験を身につけることができますから、医者に取ってもメリットだと思います。そのおかげで高度な医療を受けても一手術、数百万、数千万ということは日本ではありません。
アメリカで専門医になろうとすると、上級学校でものすごいお金を注ぎ込んで寝る間を惜しんで勉強して初めて到達出来るようになっています。その投資を回収しなくてはなりませんから、アメリカで専門医にかかるとかなり高価なものとなります。

日本の問題は高度な医療技術者は比較的低賃金、年収2千万いかないでしょう。その一方で、医療技術知識を諦めて開業すれば、高収入と言う矛盾がありますが、アメリカの矛盾よりはかなり好いと思いますよ。

Posted by: Jas | August 21, 2006 at 02:17 PM

Jasさんコメントありがとうございます。ちょっと本文では言葉足らずで誤解を招く言い方でした。高価と書いたのは医療保険が無い状態での金額を念頭に置いて書いています。肝心のソースですが、ペースメーカーなどの医療機器の価格が審査機関や流通の都合で外国に比べかなり割高になっていると言う心臓病患者の方の日記や厚生労働所のレポートなどを参照してます(これらは保険でカバーされて直接患者の負担にはなっていませんが)。
現在の状況は確かにご指摘のとおりだと思います。ただ今後に関しては結構悲観的に思えます。まあイメージ先行でメディアが煽っていると言う事もあるのかも知れませんが、本当のところどうなんでしょう?

Posted by: doku(fukuma) | August 21, 2006 at 11:31 PM

かなり、時期が遅れた投稿ですが、横から失礼。

日本で割高なのは、海外から輸入した医療機器、おっしゃられるようにペースメーカや人工関節、冠動脈ステントなどぐらいと思われます。


日本の手術の手技料は、自己負担以外の保険給付分を含めても、軒並みアメリカの1~2割程度ということはご存知でしょうか?(わずかに胃透視など逆に高いものもあることはある。)

自己負担分のみなら、物価や人件費を考慮するとでたらめな安さです。
(因みに薬代が高いというのも、医師の診断料・手技料が無茶苦茶に安いので、相対的に高くなっているのが主な原因です。)

「日本の医療を問いなおす」
「日本の医療に未来はあるか」などを読んでみてください。

Posted by: yamajunn | May 26, 2007 at 03:17 PM

はじめましてyamahunnさん。記事では割高と書きましたが、あれから調べてみると日本の医療費は割安だと言うのが今の考えです。ただ上にも書いたように薬や医療機器に関しては割高ではありますが、これも調べると日米間の協定によって割高に誘導されている部分があるようですね。こうしたことについてももうちょっと調べて書きたいと思っているのですが、専門外な事もあって未だに手が着かない状況です。
いずれにせよ、本文の医療費に関しては間違いなので修正しておくことにします。

それと医療問題に関しては最近は医療関係者の方のBlogを参考にさせてもらっています。

Posted by: doku(fukuma) | May 27, 2007 at 12:23 AM

メディカルツーリズムを日本で事業化するために、今チャレンジ中です
随分、今まで多くの医療ビジネスにかかわってきましたがこの事業を実現することが小職の最終ゴールと目標を定めています。
多くの課題があり、それをひとつづつ片つけていく最中です。

この事業は3つのポイントで考えています。
1.日本人がメディカルツーリズムのツーリストとなった場合のサービス事業
2.日本の医療法人が、海外からお客様を受け入れる事業
3.1と2の双方において、診療後フォローアップの双方連携の事業

市場性と収益性はあると信じていますが何よりも、日本国の国民にとって必ず役に立つ事業だと信じてこのビジネス化にチャレンジしています

Posted by: 橋本 | August 21, 2007 at 10:57 PM

私も、ここ数年、メディカル・ツーリズムのビジネス化をさぐっています。
医療費削減、医療における外貨獲得、医師の再教育、医療サービスのアウトソーシングという立場からも、大変有益と考えます。

Posted by: 若草 | November 27, 2007 at 06:28 PM

誠に勝手ですが、8月21日にコメントされている橋本様と連絡をとりたいのです。

さしつかえなければ、メルアドをご教示頂ければ幸いです。

Posted by: 若草 | November 29, 2007 at 12:19 PM

小生もメディカル・ツーリズムに関心があるものの一人です。上記8/21付けの橋本様、同11/29付けの若草様へのコンタクトの仲介をお願いできれば幸甚です。よろしくお願いいたします。了

Posted by: 松本 | November 30, 2007 at 12:46 PM

若草様、松本様。
メールアドレスですが、現状非公開状態がディフォルトなので書き込む方もそれを前提で書いている可能性が高いと思うので、それを後で勝手に第三者に公開してしまうのは抵抗があります。
橋本様にはこうした書き込みが有ったことをこちらからメールして置きますので、そのリアクションが戻ってくるまで申し訳ありませんがお待ち下さい。

Posted by: doku(fukuma) | November 30, 2007 at 11:11 PM

ぶしつけで申し訳ないのですが、私もメディカルツーリズムに興味があます。ぜひ橋本様にお話をお伺いしたくコメント致しました。
お手数ですが、若草様、松本様同様、橋本様にその旨をお伝えいただければと思います。

Posted by: 二宮 | May 30, 2008 at 03:11 PM

二宮様。
コメントが遅れてすいません。橋本様の連絡先などをメールしておきますので詳しくはそちらをご覧ください。

Posted by: doku | June 01, 2008 at 12:47 AM

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