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December 26, 2006

IKEAの真実

 今年日本に上陸した(正確には再上陸)したる巨大インテリアショップIKEA(イケア)だが、実は本土ヨーロッパでは日本のようなおしゃれなイメージと言うよりは、とにかく安くて品数が多い店と言う、どちらかと言えばジャスコやドンキホーテに通じるイメージを持たれていることをご存じだろうか。それというのもIKEAの販売戦略は分析してみると、これらと全く同じような戦略がとられているからである。
 IKEAの販売戦略がこれらの店に類似する理由の一つは、薄利多売の郊外大規模店が中心になっている為である。他の郊外大規模店との競争に勝ち抜くためにはより低価格化・巨大化・そして一目で店の名前を覚えてもらえるような建物自体を広告化した徹底的なパッケージ化を進めざる得ない。そのため郊外大規模店はジャンルにかかわらずどうしてもジャスコ化(アメリカであればウォルマート化)していかざる得ないのだ。
 ではIKEAでは具体的にどうなっているか見てみよう。まずは徹底的な巨大主義である。2万㎡ちかい巨大店舗に1000台以上の駐車場を持つ店舗は世界中で標準化されている。そして建物も一目見たら忘れないようなブルー地に黄色でIKEAのロゴを書いたボックス型パッケージを用い、建物自体が看板と化した構造になっている。そしてポイントは内部の動線設計である。実はIKEAの動線は迷路化しており、客は自分で選択して歩いているつもりでも、違った雰囲気の中で同じ目玉商品を10回以上見させられるようになっている。これにより20%の展示商品で総売上高の80%を稼ぐ仕掛になっているのだ。こうした点を見ていくと何故ヨーロッパでもたれているIKEAのイメージが日本で言うドンキホーテなどに近いかが判ってもらえるのではないだろうか。
 そんなこともあってかIKEAに関しては批判的なイメージをヨーロッパではよく耳にする。日本上陸前からウォルマートなど一部の郊外大規模店は警戒されたが、既に多くの郊外大規模店は日本に受け入れられているのである。

参照:下流同盟-格差社会とファスト風土
関連Link:IKEAの人気がよく判らない

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