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April 19, 2007

2010年の介護地獄

 また「新小児科医のつぶやき」さんのコメント欄からのサルベージ。
新自由主義路線を着々と進んでいる今の日本だが、医療分野もその例外ではなく特に老人福祉分野はこれから対象者が増えてくる事もあって、真っ先に削減の対象になっている。そのなかでもかなり悲観的なシナリオを分かりやすく書いてくれた人がいたので引用する。

774さん
 そういや、巨大掲示板の某スレで大量に書きまくっているうちに、「共働きでやっとだから、在宅介護をどうしても避けたい」という一般人に対してレスしまくってたけど、読み返してみると結構冷たいレスだなあ。けどこれ以外に方法はないし。一度、崩壊阻止の精神が壊れたから。

>避けられない。政府が意図的に病院や老人施設を減らして、在宅に持っていこうとしているから。今9000ある病院を3000まで減らす予定だし、100万床ある急性期(普通の病気)ベッドを50万床に、療養型病床を廃止だからね。おまけに老人は団塊が年をとるに従って激増する。
 在宅を避ける方法は3つ。1つは民間の介護施設つきマンションにでも入居する事、ただし数千万円をさっと準備できないと無理、2つ目は金をつんで差額ベッドに入れてもらうこと、1日数万かかるけどまず追い出されない。3つ目は医師と親友になる事。入退院の権限は医師法の規定で医師が持っている。
 なお、今は治るまで・亡くなるまでおいてくれる病院も、今後は病気が治らなくても出される見込み。あとがつかえているからね。いくら責任取れるのかと病院に詰め寄っても無駄。医療行為は準委任契約なので、結果責任は問われない。居座ってると、その日から自費診療になるし、場合によっては次入院する予定の患者から立ち退きの裁判を吹っかけられるかもしれない。入院権が債券取引市場に出回る事態もありうるよ。

>高齢者を自宅で介護の助けなく自分で見なければならない状態となりつつあり、介護難民と業界用語で言われる。その場合、誰かが仕事を辞めねばならず、家計の所得減は避けられない。ただし金持ちは、介護付きマンションにでも、高額老人ホームにでも入れるから、無問題。子供は共働きできるから、格差は広がる一方。

>これから、混合診療解禁→自由診療化となし崩しで制度が変わりますので、とりあえず保険で認められる範囲は現状で凍結し、それ以上の治療を受けたかったら自費、最終的には、全医療が自費と言うグローバルスタンダードと同じとなります。
 アメリカでまともな医療を受けられる最低基準が年収600万円程度(物価を考えると日本だと800万〜1000万円ぐらいか)と言われていますから、未来はほぼ予想がつきます。安倍政権は安楽死容認など終末期医療の見直しなどを提言しており、助かる見込みのない人には厳しいかもしれません。

>意外なことですが、厚労省のベッド削減計画、DPC導入病院が今年激増する事と(厚労省が全国の公立病院に指導しているもよう)、来年になりますが75歳以上医療費定額制が不景気の起爆剤となる可能性もあります。高齢者の受診抑制が生じ、重症化した高齢患者が増えますが、DPCで早期退院を要求され(DPCの損益分岐点は15〜17日です。裕福層は自費で特室に居座れます。退院の決定権は医師にあり、患者側にはありません)、裕福層以外は自宅介護せざるをえなくなり、働き手が介護のため1人減って所得が減るためです。
 まあ、多国籍企業は利潤の低い日本国内市場なんてとっくに見捨てていますから、景気がどうなってもいいわけですが。外需と設備投資が国内経済を牽引しましたが、個人消費の回復は、難しい言わざるをえません。企業の採用増で給与総額は若干伸びていますが、賃金が年中央から再び下降に転じていて、人件費が下がって個人消費全体は伸びていないですね。輸入産業の大反対で消費税率引き上げも今年は難しいようで、上のサイトにあるように2007年はあまり大きな変化が無いのかもしれません。反動で2008年は大変でしょうが。結局この国の政策は、民意よりも大企業の意思で決まっています。

>富の再配分の停止・階層の固定化をやらねばならないかどうかは、政権与党が決めることであり、政権与党が真自由主義的な考えで運営されている以上はなし遂げられますし、別の考えの政党が政権を握ったり、与党が考えを変えると当然変わるでしょう。私には富の分配停止と階層の固定化が良いか悪いか判断する能力はなく、純粋に分析しただけですので、正しいかどうかは分かりません。それは民意=国民が決めることです。
 ただ、このまま続けば上記のような未来が計画されていますし、ベッド数削減や75歳以上定額制などの医療削減も、国家の壮大な計画の一部分のため、いくらネット医師側が組織を作って抵抗しても無駄ということに気が付いただけです。しかもネット医師が作ろうとしている組織は結局は患者のためなのですが、その患者を含む国民から、全く支持されていないので(彦根の掲示板や国循ICU崩壊をめぐるブログをみると明白ですね)、徒労に終わるという結論ならば導き出せます。

>ちなみに、現在は派遣3年を越えると正社員かしないといけませんが、それが無くなり、日本は少数の正社員と大部分の派遣・期間工に分かれます。そして、待っているのが介護地獄による更なる所得減少。  そして、医療費・社会福祉費圧縮により、僻地の病院はほとんど潰れ、高齢者は増えていく一方なのに、ベッド数は半分以下となり、老健など社会福祉施設を増やす計画も無いのです。
 医療従事者の親戚とか(といっても事務は無理よ)、議員の口利きとか、特別な事情がないと、病院に居座るどころか、入院する事すら難しくなります。お金持ちは1日数万円の差額ベッドで即入院可能で、いつまでもいる事ができ、将来は混合診療も認められますから、最高の治療を受けられます。
 このように、医師の間では早ければ来年からでもこのような事態に向かうという意見が主流です。医師が仕込んだわけではなく、国の政策である事にご注意下さい。

>私も医師の間では有名なそのブログで、何とかこの動きを変えようといろいろ議論を重ねてきたのですが、正直に申し上げますと、国家の意思の前では無力という結論 に達しました。医師会も(新自由主義は私の妄想ですので、それ以外)、一般国民に 近年になく、啓蒙活動を行っています。とりあえず、ここ数年で5万人の介護難民(十分な収入が無いのに自宅で介護せざるを得なくなった人を、業界用語でそう言います) が出ると、発表しているのですが、世論は相変わらず医師・病院叩きで、気づいた時には、このスレタイのような状態を迎えています。
 もはや医療側は、病院を潰さないようにするので精一杯なのです。満床でも赤字になるほど、収入が減らされていますから。じゃあ給与を下げるとどうなるかというと、辞めていく一方です。労働集約型である医療で、人手が足りないというのは致命的です。万策尽きたというのが、今の正直な感想です。議論も止めちゃいました。  あとは、国民がまともな政党・政治家を選んでくれる事しかありません。世論をミスリードした既存のメディアの責任は限りなく重い。これだけは確かです。今になって手のひらをひっくり返したかの報道を始めましたが、医療側は何年も前から言い続けてきたことです。

>国は病院を減らして(潰して)在宅に持っていこうとしているのに、看護婦は7:1看護の関係で大病院が根こそぎかき集めて、在宅方面に行く看護婦は待遇も悪く、激減しているそうです。
 また、既にご存知と思いますが、H18年改定で、在宅医は24時間体制をとることという、不可能に近い条件を押し付けられ、在宅医はかなりやる気をなくしていると聞いています。H20年改定では”楽している開業医は寝ずに働け”となるそうですから、益々士気は下がるでしょうね。
 私は勤務医ですが、スムースに在宅医にお願いする事が難しくなりつつあるのを実感しています。
 来年導入予定の75歳完全定額制が本当に実施なら、75歳以上は拒否する病院や医院が続出しそうです。応召義務はあっても、断る理由などいくらでも考え付きます。病院・医院にとって死活問題ですから。

>実は今が、医療や福祉の崩壊を防ぐラストチャンスなのです。これを逃すと本当に 上記のシナリオ通りに動いていきます。なにせ、国策ですので。
 なお、今がラストチャンスと書きましたが、産科と小児科は既に手遅れです。崩壊は止めようがありません。毎年数十万人の妊婦が、出産する場所が無く自宅で一人で出産という事態も起こりえます。小児医療も崩壊過程まっただ中です。各自治体は選挙前ということもあってか無料化をどんどん打ち出していますが、これは小児医療に止めを刺すことになります。

>現在の法律では、途中で延命治療を止めると、延命治療中止した医者は殺人罪、やれと言った家族は殺人教唆罪です(判例あり) 。
 また、在宅介護は「介護地獄」という言葉があるぐらい大変なのは承知していますが、介護を放置すると、死んだら保護責任者遺棄致死罪、死ななくても保護責任者遺棄罪(生命・身体に危険な状態をつくりだす)となってしまいます。なお、安楽死を認める法案を作るそうです。

ちなみにこの話し医療関係者の集まるところ書かれたコメントだけあって、かなり実現性が高いのが恐ろしい。
我々は無事老後を迎えられるのであろうか?

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Tracked on May 21, 2007 at 10:32 AM

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