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May 22, 2007

参議院選の前にネットの統制は強化されるだろう

 そろそろ参議院選が視界に入ってきたが、与党内部では今いわゆるネット上の「保守もしくは右派」と「左派」の共闘、そこまで行かなくても非自民政党に票が流れるのを恐れているという。
 たしかに阿部政権は中韓に甘く慰安婦問題でもアメリカに謝罪した腰抜けだから支持できないとか、経団連などの大手企業の言うなりで弱者を切り捨てていると言う意見はネット上ではよく見るが、どうやら本当にこうしたネット上の意見を警戒しているようなのだ。ちょうど参考になりそうな記事がForesightの6月号に載っていたので転載しよう。

「日本の政治171 参院選後を見据えての「異分子組み替え」がはじまった」より


 (前略)ここにきて意外なアキレス腱がみえてきた。

 安部首相誕生の原動力となった保守系右派が、安部離れを始めたのだ。首相の訪米直前、評論家の西尾幹二氏が産経新聞の「正論」欄で、靖国神社に参拝せず、寿郡慰安婦問題で一九九三年に当時の河野洋平官房長官が日本軍の関与を認めた「河野談話」を踏襲するなど、「後退」を続ける安部首相を厳しく批判したのだ。
 これがネット上で大きな反響を呼んだ。四月二十七日の日米首脳会談では、安部首相が慰安婦問題を自らとりあげ「お詫びしたい」と発言。これを受けてブッシュ大統領が「首相の謝罪を受け入れる」と記者会見で述べ、保守系右派の安部離れを加速させた。
 さらに靖国神社参拝もきわめて困難な状況だ。首相サイドは、中国の反発を最小限に抑えるために、誰も参拝客のいない早朝に参拝し、マスコミには「行ったか行かないか言わない」曖昧戦術をとろうとしているが、首相にほぼ一日中、共同、時事通信社の番記者が張り付いているなか、強行するのは至難の業だ。
(中略)
 だが、本人が参拝を断念したことが明らかになった場合の保守派のリアクションは「考えただけでも恐ろしい」と側近議員は漏らす。核となる保守派の支持者を失ってしまえば「支持率が50%超えたといっても、その人たちが投票所に行ってくれる保障は何もない」(自民党幹部)からだ。
 もっとも、同じ産経新聞の「正論」で、岡崎久彦元駐タイ大使がその後、阿部首相擁護の論陣を張った。こちらも保守派に影響力の強い論客だけに、安部氏にとっては大きな援護射撃となった。

 ところで気になるのは、与党内部にこうした動きに対してこうした右派・左派の意見をくみ取るのではなく、こうした動きの土壌となっているネットを規制することで切り抜けようという動きが出ているように見えることだ。ネットの規制と言うと毎回ネタとしては頻繁に出てくるものの、いつも話題だけで終わっているものだが、今回はガチな話題がいくつかある。一つは「たけくまメモ」でも取り上げられた著作権法を非親告罪にしようという修正案、もう一つは単なる奈良県警の暴走かも知れないが医療系BBS「m3」に関する走査とそれによる事実上の掲示板の閉鎖である。
 この2つを知らない人もいると思うのでごく簡単に説明すると、著作権法を非親告罪にするというのはこれまでは侵害された側が申し立てないと事件として取り上げられなかった著作権法を改正し、警察が任意で事件として取り上げることが出来るようにすると言うものである。しかし他の犯罪と違い著作権法違反にはグレーゾーンの領域が広すぎる。ある作品のパロディは許されるのか、単なる印象で似ているからと言って本当にパクっているのかあるいは偶然の一致ではないのか、昔からこうした点が問題になり多くの事例が裁判で争われたのだが未だに明確な線引きは難しいのが実情だ。しかし、これを警察が任意に事件として取り上げることが出来るようになればこうしたグレーゾーンにちょっとでもかかる表現の可否を警察が握ることになってしまう。それだけでも十分問題があるのだが、一番心配なのはこれが言論統制や利権確保に使われることである。
 そして単なるローカル事件なのかも知れないが、医療系BBS「m3」を巡る事件はこうしたネット規制の先鞭と言えるものだった。これは奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、緊急搬送先探しが難航した末、死亡した妊婦の診療情報がインターネットの医師専用掲示板に流出した問題で、マスコミの報道では医療関係者が情報を持ち出し、さらには遺族らへの中傷的な書き込みまで行ったとされている。しかし実情は大分違うのだ。詳しくは「新小児科医のつぶやき」さんの所を見て欲しいが、流出したと言われる診療情報は流出されたとされる以前からマスコミによって報道されているのが確認されている。つまり、遺族の方の言うとおりこれが非公開の情報であればマスコミがどこからか持ち出した事になるし、さらにはそれに口をつぐんでその責任をBBSに書き込んだ医療関係者のせいにしていると言うことになるのである。しかもこの事件の気持ちの悪いところはこうした事実があるにもかかわらず、奈良県警が捜査に着手したことだ。これを受けてm3は閉鎖して未だに再開の目処は立っていない。これはマスコミや県警の暴走やミスに過ぎないのだろうか? ちなみにm3は以前からマスコミの医者たたきや厚生労働省の医療費削減に対抗する議論の拠点となっていた所である。

 参院選まであと2ヶ月、ネットで政治ネタがタブーになるのか注意深く見守っていきたいと思う。

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