偵察写真の読み方
レジデント初期研修用資料のエントリー「診断画像の読みかたについて」を読んで、これは衛星画像の解析にも繋がる話しだなあとふと思った。と言うのも偵察衛星の画像解析はハイテクなイメージとはほど遠い職人技を要するマンパワーが必要な作業だからだ。偵察衛星からの写真というと 以前紹介したように 一目で分かるようなイメージがあるが、実はこれらは既に解析された写真であって、その前には多くの作業が隠れている。まずこれを膨大な写真の中から見つけてくるのが大変だし、また軍事施設の中には巧妙にカモフラージュされたものも多くこれらは衛星からではなかなか分からない。典型的な例はこの前の北朝鮮の地下核実験場でGoogle Mapで見た限りなんの痕跡も見られない。
このような中から解析者は鉄道や送電線をたどり(これらを上の話の血管に例えて読むとイメージしやすいだろう)、森林に手が入っている痕跡を調べ、さらには過去の画像や赤外線写真と照らし合わせて解析する。しかも処理すべき画像は膨大な量があるのである。あらかじめ場所が分かっている所ならまだしも、先ほどの地下核実験場のように偽装されていたらそれこそしらみつぶしに見なくてはならないからだ。
こうして考えると偵察衛星のようなハードだけ揃えても何の意味もないことが分かるだろう。
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