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August 20, 2007

一家心中や介護殺人がニュースから消える日

 最近、自宅介護の行き詰まりから心中や殺人を犯してしまうと言う悲劇が新聞に取り上げられるようになってきた。ちょうど8/18の毎日新聞東京朝刊でもまさにそうしたニュースが取り上げられている。しかし以前書いた「2010年の介護地獄」でも触れたように政府は医療費の増加を抑えるために意図的に病院や老人施設を減らして、在宅に持っていこうとしている今、こうした出来事は増えることはあっても減ることはないだろう。

 しかしだからといって今後、こうした事件がニュースで取り上げられ続け事態が解決されると考えるのは早計だ。むしろ恐ろしいのはこうした事件がありふれた事になり、ニュースに取り上げられなくなる方が恐ろしいのだ。例えばホームレスの変死は毎年膨大な数になるのだが、ニュースで取り上げられるのは珍しい。それはいちいちそれを取り上げると、新聞で全てベタ記事にして載せても全面が埋まってしまうと言う量のせいなのだが、おかげで少年達がホームレス狩りをしたとか言うショッキングな出来事でも無い限り、こうしたことはニュースにのらなくなってしまった。それどころか段ボールハウスが燃えて焼死したと言う事件さえ、明確な証拠が無い限りは大抵は「本人のタバコの不始末」として処理されてしまうのが現状なのだ。

 おそらく今の社会保険制度の予算削減が続く限り、生活苦による一家心中や介護に疲れた殺人はますます増え続けることだろう。しかしそれが「日常よくある」出来事になるにつれ、ニュースで取り上げられることも少なくなり、最後はよっぽどの事件でもない限り報道されなくなる日も来るかも知れない。そしてそのときこそ一家心中や介護殺人は報道されない「無かったこと」として隠蔽され、こうした問題は「解決」される事になるのだろう。

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