意外に安いダイヤの価格
機械式時計欲しい病が発症して以来、買えもしないのに中古時計屋のWebをチェックするのが日課になっているのだが、いつも覗いているお店に珍しく指輪が出品されていた。
それだけなら別に驚くほどの事はない。質屋を初めとしてブランドものの中古品を扱うお店では、いろんなジャンルの商品を扱っている所は多いからだ。驚いたのはそこで出品されていた結構立派そうなダイヤの指輪が数万円と言う価格だったことである。多くの男性同様、私も宝石類の価格には疎いのだがダイヤの指輪と言うと最低でも数十万からと言うイメージを持っていた自分にとってそれは驚愕すべき価格だった。いや、女性にしても同様かもしれない。友人の女の子に話した時の反応は大半が「偽物じゃない」と言うものだったからだ。しかし気になってググったり記憶を辿ってみると判るのだが、実はダイヤの価格は思ったよりも高くない。いやそう書くと語弊があるだろう。確かに普通に指輪などにはまっているものを買おうと思ったら安く買うことは困難だ。だがその価格の大半はそこにはまっているダイヤなどの宝石の価格ではないのである。試しにそれを質屋に持って行けばそれを痛感することになるだろう。
ではこうした価格差は何から生じてくるのだろうか。もちろん最大の理由はデビアス社を初めとした宝飾メーカーの巧妙な宣伝政策があるのは言うまでもないが(注)、それらも単にユーザーをだましたものならここまで定着はしないだろう。実はこうした価格差を支えている最大の理由は最大の買い手である女性の気持ちが握っている。それを的確にまとめた文を佐藤質屋さんがWebに書いてくれているのでちょっと引用してみよう。
ブランドバッグなどは多少使っていてもきれいな状態なら買ってもいいかなというお客様はたくさんいますし、腕時計などもその分安ければ多少のキズなどは気にしないと言う方が多いようです。しかし婚約指輪にするためのダイヤリングは、たとえ指に嵌めたことがなくても「他の女性が所有していた」というだけで、その商品としての魅力は限りなくゼロに近づきます。
金のネックレスなどはどうでしょう。 こちらは景気が悪くて売れないからとか、流行じゃないからと言うことはありません。ぶっちゃけた話、溶かして塊(金の延べ棒と言えばわかりやすいですね)にすれば、世界中の金市場で取り引きされます。あえて言えば金価格の変動などで買い取り価格が上下することはありますが、流行に左右されることはありません。ペイオフ解禁の動きの中で、定期預金を解約して金を買いに走る人をニュースなどで見たのも記憶に新しいところです。このように品物の性格から中古でも商品として成立するかどうかというのも重要なポイントです。
そんなわけでもし純粋にダイヤ(などの宝石)のついた指輪を安く欲しいと思うなら、中古宝飾品の専門店を当たってみてはどうだろう。ちなみに今ではこうした指輪をリニューアルするサービスも結構あるので、うまくすれば新品同様の指輪に見せることも出来るかも知れないが、プレゼントや婚約指輪に使うときには自己責任でやってほしい(笑)。
注:知り合いのデザイナーでデビアス社の仕事を長年やっていた方がいて、具体的な戦略を聞いたことがある。あまり書くと今でもやばそうなのでやめておくが、昔流行った「結婚指輪は給料の○ヶ月分です」という奴は、デビアス社と広告代理店が組んで行った巧妙なキャンペーンによるものだと言ったらその効果の程が判るだろう。
注2:“婚約指輪は給料3ヵ月分”が秘めるダイヤ暗黒の歴史
上のデビアス社のキャンペーンの裏話やダイヤモンド利権に関わる黒い話しについて。
Comments
あとダイヤの原石も安くなったんだそうですね。
アフリカ産のダイヤをデビアス社が独占販売して
いたわけですが、ロシア産のダイヤが市場に大量に
出回って価格が暴落したんだとか。ラピスラズリ
なんかといっしょですかねぇ。南米産が入ってきて
から値段が安くなったようですし。デビアス社の
結婚指輪にダイヤをってのは有名ですが、最近まで
結婚10年目にテンカラットダイヤモンドをなんて
やってましたねぇ。小さいダイヤを売りたいだけ
なんじゃないのというのは下衆の勘ぐりというもの
ですか。茎茶とかバレンタインチョコレートとか
クリスマスとか商売の戦略というのはいろいろあり
ますね。
Posted by: ひどらじん | October 08, 2007 11:11 AM