外国語学習者はどう変化しているのか
ZAKZAKでも取り上げられていたがネットリサーチ・マイボイスコムの調査によると、今一番学びたい外国語は「英語」で、その割合は56.2%と2位の「中国語」の4.9%を大きく引き離し圧倒的な割合になっているそうだ。まあ、このネタはここでも「外国語=英語の日本人」や「外国語学習者は何人いるのか」などで何度も取り上げた話題なので今更、同じ事を書くつもりはないが、興味深いのは2位以下の外国語の変遷である。
少し古いが手元に「はてな」の質問コーナーで見つけたNHK語学講座の部数の比較があったので、それと最新のデーターを付き合わせてみると面白い。
NHK語学テキスト発行部数(英語を除く)
ラジオ
94年度 04年度
①ドイツ語 14万 ①中国語 14万
①フランス語 14万 ②ドイツ語 11万
③中国語 12万 ②フランス語 11万
④スペイン語 9万 ④イタリア語 10万
⑤ハングル 8万 ⑤スペイン語 9万
⑤イタリア語 8万 ⑤ハングル 9万
テレビ
94年度 04年度
①ドイツ語 14万 ①ハングル 20〜18万
①フランス語 14万 ②中国語 15万
③中国語 13万 ③イタリア語 12万
④スペイン語 9万 ④ドイツ語 11万
⑤イタリア語 8万 ④フランス語 11万
⑤ハングル 8万 ⑥スペイン語 10万
残念ながら4年度以降のデーターは見つからなかったのだが、最初に触れたマイボイスコムのデーターに準じると考えると、英語、中国語、ハングル、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語の順になる。一目見てわかるのはドイツ語の凋落と、中国語の台頭だろう。94年で英語を除いて学習者が最大だったドイツ語は大きく順位を落とし、代わりに中国語・ハングルと言った近隣諸国の言語が上位を占めているのである。フランス語学習者は一時減っているように見えるものの、学習層は以前から女性が中心で、大学の第二階国語の講座数も大きく変化した話しは聞かないので、おそらくフランス語の学習者数は一定数をキープし続けていて、他の言語の学習者の量の増減によって順位が変化しているとみた方が良いようだ。
それにしてもロシア語学習者として悲しいのはロシア語の低迷である。ソ連崩壊で学習者数は大きく減ったのはわかるのだが、他の近隣諸国が皆順位を上げている中で相変わらずの低迷っぷりなのだ。以前の旅行記にも書いたように、実は日本から一番近い国でもあるのだから、もう少し学ぶ人が増えても良さそうに思う。
関連:外国語学習者の変化の背景をちょっと考えた
その後、その背景をちょっと考察してみたもの。
・その後の外国語学習者数の変化の話
その後(2010年度)の推移など。
Comments
これは興味深いデータですね。
ハングルが04年、爆発的に延びているのが面白い@TV.
その後どうなっているのだろうか。
それに、英語の部数も知りたいですね。
また、テキストは4月が一番売れ、その後は急激に減る、という。この年間を通した売上げデータもしりたい。
英語もろくにできないのに大学で第2外国語(わたしらのように団塊ならドイツ語・フランス語。。に限定されていた)などやる余裕あるのか~。。という気もする。大学の第2外国語は、需要に応じて、というより先生を抱えているからしょうがなく講座を開いている -> テキストもそこそこ売れる。。という仕組みではないでしょうか。ドイツ語教師が大学にいなくなったら、NHKのドイツ語テキストなどほとんど売れないだろう。。(ロシア語も?)。
海外ではどうなんだろうか?BBCの外国語講座聴取者の数、なども知りたいですね。
Posted by: 古井戸 | December 28, 2007 12:56 PM
こんにちは古井戸さん。いろいろコメントを頂いているのに、返事が無くてすいません。(現在、年末進行+忘年会モードでちょっとばたばたしています)
この手の外国語学習者の変遷もきちんと調べると面白いと思うのですが、意外にデーターが無いのには困りました。これなど大学生の研究課題とかにすると結構面白いと思うのですが、どこかやらないでしょうかね。
Posted by: doku(fukuma) | December 29, 2007 12:23 AM