Yak-40搭乗記
以前書いたようにウラジオストック行きの飛行機は予想に反してエアバスが使われていて、ごく普通(機内の酒盛りは除くが)のフライトだった訳だが、幸いにも(?)ハバロフスク-ウラジオストック間の帰りの行程ではヤコブレフYak-40に乗ることが出来、往年のアエロフロート気分を満喫することが出来たのでその話しを書いてみたい。
そもそもYak-40とはどんな飛行機かと言うと、詳しくはリンクを見てもらえばいいのだが一言で言ってしまえば1960年代にロシア国内のローカル線用に開発された小型ジェット旅客機である。設計が古いので今から見ると面白いところもあるのだが、それよりも面白いのは不整地でも離着陸できる軍用輸送機転用可能な機体として開発されている事だろう。まず乗ると判るのだが、この機体、乗客用のタラップなどという軟弱なものは付いていない。機体後部がそのまま下に開き、その扉部分に付いているステップを登って乗り込むのだ。なるほどこれならボーディングブリッジなどがない荒れ地でも、そのまま乗り込めるというわけだ。そして中にはいるとこれまた荷物スペースなどという軟弱なものは無いので、乗客は自分で必要な荷物を担いで(注)機体後部にある荷物置き場に自分でそれを押し込むのである。非常時は取り外し輸送機に転換出来るようにするためか、シートは乗り合いバスのような簡素なものでリクライニング機能などという高級なものは付いていない。
そして操縦席も専用の入り口などはなく、客席を通り抜けて乗り込むようになっている。ちなみに写真に写っている簡素な扉の向こうが操縦席である。なお天井には荷物スペースはおろか、エアコン吹き出し口すら存在しないので、冬はコートを着たまま搭乗するのが習わしだ。まあいずれにせよ、コートを入れるスペースなどどこにもないので、案外これは親切設計なのかも知れない。
なおフライト自体は実にあっけなくごく普通のものであったが、着陸したときには乗客から自然と拍手が沸き上がり、その中を機長が「はいごめんよ、はいごめんよ」といった感じで客席をかき分けて下りるのが見られると言うのは古き良き(笑)アエロフロート気分が満喫できるのでその点では十分楽しませてもらったのである。
注:ウラジオストック・ハバロフスク間の便では一応、スタッフが押し込んでくれた。
関連Link:ミンスク発 − アエロフロートで里帰り
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