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March 09, 2008

今月の軍事研究が面白い

 雑誌「軍事研究」の今月号(2008年3月号)の特集は時治がら自衛隊の防衛調達と米露中の次世代航空宇宙戦力についての特集だった。どちらも興味深いものだったが、特に前半の自衛隊の防衛調達に関しては日頃軍事に興味の無い人にこそ読んでもらいたい無いようになっている。
 特に冒頭の軍事ジャーナリスト清谷真一氏の記事による根本の原因はあり方自体にあるという指摘は驚くべき内容で、なんと防衛調達では調達する装備の数も、それを揃えるまでの期間も、必要な総額すら事実上決められてないと言うのである。いったいどんなジャンルで内容も予算も期間も明示しないで成り立つものがあると言うのだろう。ただほんのちょっと軍事関係をかじった自分なりに考えるとこうなった事情があるのは分からないでもない。護衛艦など「大きなお買い物」はこれまで単年度予算だった我が国の防衛予算システムでは年の予算枠を超えてしまうので、分割で予算を申請せざる得なかったと言う話を聞いたことがあるからだ。
 とは言えこんなシステムではまともな調達は不可能だし、コストや手間がかかるどころかさまざまな不正や腐敗の温床になるのは当然だ。メーカーにしても先行きが不透明でリスクが高いからマージンを載せざる得ないし、(来年度も無事予算が付くのか知るために)官僚に接近して情報収集するためにどうしても癒着が発生する。現場の方もいつになったら装備が揃うか判らないし、それまでは新旧二本立てで装備を運用しなくてはいけない分コストも手間もかかってしまう。だがこれというのも根本は日本に明確な国防政策が無いからだと筆者は言う。たしかに自衛隊自体が合憲かでもめていたのがこの国だ。これでは明確な国防方針など決めようすら無いだろう。
 そんなわけで記事を読めば読むほどコリャ駄目だと言う感慨を深めてしまったのだが、現状はスキャンダル暴きと政局狙いの工作狙いに明け暮れてどうした問題が背景にあるのかすら分からないのが現状だ。せめてこうした問題があると言うことだけでも今回の件をきっかけに話題に上ってくれるとありがたい。

 もう一つの米露中の次世代航空宇宙戦力の方は、一般向けとはとても思えないマニアックな内容なのだが、これはこれで面白い。なんと言ってもいいのは(少なくとも日本語では)これまで殆ど資料が見つけられなかったロシアや中国の最新航空宇宙戦力に関する情報が載っている点だろう。あのF-22ラプターに対抗するロシアの第5世代戦闘機いわゆるPAK-FAはもちろんのこと中国のステルス実験機J-XX、そして驚くことにロシアの偵察衛星システムや軍用GPS・通信衛星の図版付きの資料までもが載っている。これまで英語の資料しか無かったこうしたものの日本語の説明が読めるだけでもその手が好きな人には必見の一冊と言えるだろう。

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