すぐ側にある地獄
最近気になっているニュースに新型鳥インフルエンザがあるのだが、調べれば調べるほど鬱になる内容だ。詳しくは日経BPのWebに掲載された日本を代表するインフルエンザの研究者である田代眞人氏のインタビュー記事を読んで欲しいのだが、いくつか印象に残った部分をピックアップしてあげておこう。
- 鳥インフルエンザウイルスは、トリを宿主とするウイルスで本来人間には感染しないものだった。
- しかしウイルスの突然変異で人間に感染するタイプが発生する危険性がある。
- 万一、人間に感染すると人は免疫を持っていないので高い死亡率を引き起こす。
- 現在の死亡率は60%。
- 早期のタミフル大量投与が有効な治療方法、早ければ早いほど生存率は高まる。
- 日本の現在のタミフル備蓄量では不足する危険性が高い。
- 人に感染するタイプが出現する可能性は既にifではなくwhen(いつか)だと言われている。
- 感染率を中間の30%とすると、なんの対策もなしにパンデミックが起きると日本では768万人が死亡するという数字が出てくる。
- ひとたびパンデミック(大流行)が発生したら1週間程度で全世界に広がる。
- パンデミックに対し事前に議論を尽くして誰もが納得する行動計画を策定しないと、社会的なパニックが起きる恐れがある。
- 被害を最小限にとどめるには一人一人がリスクを理解し、理性的に行動しなくてはならない。
- 感染の拡大を防ぎ個人が身を守るためには極力人混みを避け自宅に籠城する必要がある。
- それに対し会社や社会インフラもそれを支援して、人が集まらなくても社会が回るような仕掛けを作る必要がある。
しかし薬害エイズやフィブリノーゲン製剤の肝炎の広がりを見る限り、厚生労働省を初めとした国の対策は当てにならない気がするのだ。だが少しずつだが新型インフルエンザ対策の方も進んでいる。ワクチンを素早く作る生産技術やウイルスが発生する前にワクチンを作り出す方法などだ。
願わくばこうした準備が整うまで、いや整った後でさえも人に感染するタイプが出ない事を祈っている。
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