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July 20, 2008

米シャトル後継候補に日本の無人宇宙輸送機

さっき、読売新聞のネット版で見つけたのだがNASAがシャトルの後継機に日本のHTVが使えないか検討しているという。まずは記事を引用しておこう。

 2010年に米スペースシャトルを退役させることを決めた米航空宇宙局(NASA)が、シャトルの後継宇宙輸送機として、日本が開発中の無人宇宙輸送機「HTV」を購入する検討を始め、宇宙航空研究開発機構に打診していることが19日、明らかになった。
 シャトル退役で、国際宇宙ステーション(ISS)に送る水や食糧、実験機器などの必要物資のうち、米国が責任を負う物資を輸送できない恐れが出てきたためと見られる。
 世界最大の宇宙機関が日本の技術力を高く評価した形だが、HTVは1機約140億円で、これほど大型の国産宇宙機器を海外に販売した例はない。売買契約が締結されれば、50年にわたる日本の宇宙開発史上初の超大型取引となる。
 宇宙飛行士が長期滞在しているISSには、日米欧露が分担して必要物資を輸送している。現在稼働中の輸送機は、有人宇宙船のシャトルとロシア「ソユーズ」、無人輸送機のロシア「プログレス」と欧州「ATV」の計4機。HTVは来年秋に初号機の打ち上げが成功すれば、年1機のペースで打ち上げられる予定だ。

 これに関してはネットなどで「何故、ロシアや欧州の機体じゃなくて日本なのだろう」と言う話が出ているが、これは別に「日本が凄い」と言う単純な話ではない。
 恐らく一番大きな理由としては、ロシアのプログレスや欧州のATVのドッキングシステムがアメリカの使っているタイプと異なっているためだろう。
 ロシアや欧州が使っているドッキングシステムは長年ソユーズで使われた実績のある「APAS-89ドッキングアダプター」を使用しているのだが、これは性能が高く信頼性も高い反面、ドッキング口の直径が小さい(80cm)ため、大きな荷物の出し入れが出来ないという問題があるのに対し、アメリカや日本はCBMというドッキングポートを採用しているのだ。(注:アメリカはAPAS-89も使っている)
 ちなみにCBMは直径が130cmのサイズがあり、大きな荷物を出し入れするのに向いている。なお、余談だがNASAやJAXAの資料ではいかにもCBMが標準のドッキングポートで、APAS-89はロシアが使っているマイナーな独自規格のような内容になっているが、実際は逆で最初にAPAS-89が米ソで開発され広く採用されるようになった後、後からアメリカ主導で作られたのがCBMである。

関連資料:
共通結合機構-ウィキペディア(Wikipedia)
宇宙ステーション補給機-ウィキペディア(Wikipedia)
各国の宇宙ステーション補給機の違いが分かりやすくまとまっている。これを見れば分かるが、どれも一長一短で単純にどれが優れていると言えず、ケースバイケースで使い分ける事になるだろう。

追記:その後NASAが今回の報道を公式に否定した。いったいこの話はどこから出てきたものなのだろう。

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