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November 22, 2009

ソユーズUロケット軍事衛星を打ち上げ(あるいはネットにおける情報収集の話)

1122soyuzu

 今回は完全に一部の人しか読まないようなマニアックなネタを少々。
一昨日、ロシア国防省とロシア連邦宇宙局はモスクワ時間11月20日13時44分(日本時間19時44分)、ロシアの軍事偵察衛星「コスモス2455」を載せたソユーズUロケットを、プレセツク宇宙基地から打ち上げた。
 ここまでは宇宙系のニュースサイトを見れば普通に載っている話だが、面白いのはここからだ。このニュースが出てしばらくすると、まずアメリカの航空宇宙防衛司令部(通称NORAD)に軌道要素が掲載された。ちなみに軌道要素とは人工衛星の軌道のデーターでこれが分かれば、いつどこに衛星がいるか分かるというものだ。もちろん軍事衛星では秘密にされているが、アメリカにとってはそれは関係ない。そんなわけでアメリカ以外の衛星は軍事衛星だろうがなんだろうが、軌道要素が公開されてしまっているのである(日本の情報収集衛星すら公開されているのは笑える)。
 つづいてGunter's Space Pageに数日のうちに衛星の想像図と目的が掲載され(しかも、ここのサイトは別に政府などではなく宇宙マニアが作ったものらしい)、あっという間に衛星がELINT(非通信用(レーダー等)の電磁放射からの情報収集)であることが判明する。後はこれらのページのリンクをたどり、さらに分からない用語をWiipediaなどで調べていけばそこそこ全貌が分かってしまうと言うわけだ。そして後はTwitterなどで関連しているジャンルに詳しい人達のつぶやきを耳にすれば、何がポイントかも見えてくる。(注)
 もちろんネットの情報は玉石混合で、しかも平気で嘘が書かれていることも少なくない。それでもその気になれば個人でもここまでの事が直ぐに分かってしまうのだ。凄い時代になったと驚くと共に、どうしてここまで直ぐにいろんな事が分かるはずなのに、マスコミは多くのジャンルで的外れな事を書くのが不思議に思うのである。


注:ポイントは衛星の軌道でSSO(半同期軌道)ながら、普通は低くても地球表面からの高度350 kmから1400 kmの所が、200×900kmと言う非常に低い高度を回っている事にある。この高度では大気との摩擦で直ぐに地上に落ちてしまう。しかし何らかの偵察衛星ならばこの数字でも不思議ではない。ちなみにアメリカ最初の偵察衛星Coronaは165×460kmの軌道であった。

11/23追記:ただしこの衛星には不可解な点がいくつか残っている。それは軌道傾斜角が67度でELINT衛星だと言うことだ。アメリカなどの同タイプの衛星を見る限り、通常ELINT衛星は低い軌道を回ることはない。また仮に写真偵察衛星もしくはそれに近い運用をするためだとすると、こんどは軌道傾斜角が67度である必要性がない。なぜなら通常、偵察衛星は地球全域をくまなく観測するため極軌道に投入されることが多いからである。そんな訳でもう少しこの衛星については注視していきたいと思う。

11/24追記:軌道の情報が更新されて高度890×905kmになった。これでSSO(半同期軌道)ではなくなった。高度がかなり上がったので通常のELINT衛星に近づいたことになる。

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