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April 16, 2010

ネットの規制は既に外堀が埋め立てられた状態だ

 ネットの規制強化に繋がる動きが強まっている。こう書くと「非実在青少年」などを思い浮かべるかも知れないが、実はそれ以前に多くの裁判でネットの規制に繋がる判決が下され、ちゃくちゃくと判例が積み重なっているのである。
 例えば大分前にラーメン花月とカルト教団との関係がネットで話題になったが、その後その主張をしていたサイトの持ち主に対し最高裁で「ほかの表現手段と比べ、より緩やかな要件を適用すべきではない」としたうえで有罪判決を出している。しかも判決文では

商業登 記簿謄本,市販の雑誌記事,インターネット上の書き込み,加盟店の店長であった者から受信したメール等の資料に基づいて,摘示した事実を真実であると誤信して本件表現行為を行ったものであるが,このような資料の中には一方的立場から作成されたにすぎないものもあること,フランチャイズシステムについて記載された資料に対する被告人の理解が不正確であったこと,被告人が乙株式会社の関係者に事実関係を確認することも一切なかったことなどの事情が認められるというのである。以上の事実関係の下においては,被告人が摘示した事実を真実であると誤信したことについて,確実な資料,根拠に照らして相当の理由があるとはいえないから,これと同旨の原判断は正当である。
とまで書かれている。つまりそうとう本格的に資料や情報を当たって裏をとって書かない限り、誹謗中傷ととられたらアウトと言う事である。しかも今やこうした損害賠償の金額は膨大で個人に対し数百万の請求も珍しくないのが現状である。ネットのちょっとした書き込みで今や数百万の損害賠償の請求が来るのがとうとう最高裁のお墨付きで決定してしまったのだとも言えるだろう。

 もう一つの事例は医薬品ネット販売への規制に対し、ケンコーコムらが国を相手取って提起した損害賠償請求が棄却された判例だ。しかし問題はそれだけではない。Link先にも書かれているように、これにより「ネットではなく対面で、確認しなければならない」と言う判例を元にあらゆるネット上の売買に対し制限を掛けることが出来ると言う事なのだ。リンク先の日経ビジネスオンラインの記事を引いて具体例を挙げてみよう。

今後、今回の「判例」に倣って「ネットでの成人確認は不十分。対面によって確認すべし」との規制が関係省庁の「省令」によってなされれば、ネットでの酒類販売は不可能になる。
 酒など成人向け商品だけの話ではない。例えば金融商品を販売する場合、想定されるリスクを十分に購入者に告知しなければならないが、「ネットではなく対面で、相手が理解したかを把握しながら話を進めるべし」との横槍も十分に成り立つ。
 酒類を未成年に販売してはいけない。金融商品を、リスクを説明せずに販売してはいけない。そして、顧客が拒否しない限り、副作用のリスクが高い医薬品を十分な説明なく販売してはいけない。これらの精神は「法」にうたわれており、是非もない。
やっかいなのは既にこれらは判例として世に出てしまっていることだ。通常、法的判断は過去の判例の解釈を元になされる事を考えればいかにこれらが重大な問題なのか判るだろう。
 ネットはペテン師や嘘つきが跋扈する劣悪な場所であり、これらは法により些細な表現も含めて管理しなくてはならないというのが恐らく日本の司法や行政がネットに対して向ける視線なのだろう。

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