書評:はやぶさの大冒険
小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル回収成功のおかげで、はやぶさ本が次々出版されている。これまで日本の宇宙開発に関する本は数少なく、しかもその多くは失敗取り上げたものが多かっただけに喜ばしい反面こんなペースで粗製濫造にならないか心配している。
その中でこの本は急ピッチで書かれたにしてはかなり読み応えがあり、しかも取っつきやすい中身になっている。著者の山根一眞氏は「メタルカラーの時代」などで技術開発の現場を長年にわたって書き続けただけあってこの手の内容はまさにお手の物だ。何でもこの本はネットでぐぐればいくらでもはやぶさの情報が手に入る状況に対し逆に今回のはやぶさ帰還で興味を持った人にわかりやすい解説本を提供すると言う意図で書かれたと言うことだが、おかげで結構専門的な内容まで踏み込みながらスムーズに読み進められる内容になっている。しかもこれまで取材してきた現場のインタビュー記事が随所に挟まれ(これは短い〆切に対応する為、以前の取材記事を流用した結果だが逆にそれが効果的になっている)物語としても臨場感ある内容になっているのが面白い。
はやぶさ本は今後もっと読み応えのある本は出てきそうだが、現時点でのお勧めの一冊と言えるだろう。


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