自分の働き方を振り返る
以前はフリーランスと言ってももっぱらバンダイの子会社でゲーム開発に関わっていた事もあり、タイムカードこそ押さないものの朝は定時に出社して勤め人のように働いていた。その後いろいろあって完全なフリーランスになった筈なのだが、気がつくと以前と同じような働き方になりつつある。複数の会社と仕事をしている筈が、結局はいくつかの会社の仕事を数ヶ月ごとにローテションで受けて定時に出社してそこで働くというものだ。しかも外部スタッフの筈なのに何度もそこで働くうちに、新人スタッフよりも事情通と化し妙に会社の人とも親しくなって、何故か忘年会や花見に混ざって参加したりしているのだ。
思えば大学時代のアルバイトの頃から気がつくと同じ状態だった気がしてならない。大学時代はアルバイトながら出張したり、顧客相手にプレゼンをしたり、もちろん忘年会や花見にも呼んでもらっていたのである(当時はまだ景気が良かった事もあり、面白い体験だった)。その後、しばらくはインテリアの設計施工会社で働いていたのだが、気がつけばゲーム会社に半ば席をおきつつ他の仕事を受けていたものの同じような働き方になっていた。
それにしてもどうしていつもこうした働き方になるのだろう。振り返ってみると心当たる事がある。
まだ働く前の大学時代に将来どんな働き方をしたいのか自問していたとき、大きな影響を受けたのが鹿島建設にいながら独立した建築家のように働いていた(かのように見えた)押野見邦英氏の著書だった。その働き方は自分にはまさに大企業で働くメリットと個人作家として働くメリットの良い事取りを実現したように見えて、とても羨ましく思えたものだった。三つ子の魂百まででは無いが、今のある意味中途半端な立ち位置はこうした影響があるのだろう。
その後、建築業界に入り押野見邦英氏の業界での噂話や、実際に自分が会社に半分席を置きながらフリーランスとして働いてみて、こうした働き方も実は決して楽ではない事を痛感したものの、もはや体に染みついた働き方はそう簡単には変えられないのかも知れない。
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