ホームベーカリーの落とし穴
とうとうホームベーカリーを買ってしまった。まだ買ったばっかりなので使い勝手等のレポートはいずれ別に機会に書くつもりだが、ざっと説明書を読んだだけでも意外な(?)発見や落とし穴が見つかったのでそれについて書いてみたい。
まず一番意外だったのは、ホームベーカリーは炊飯器程自動化されて無かった事だ。単に自分が調べ足り無かっただけなのかも知れないが、このことについて触れている記事やレビューを見た事が無かったので、もうちょっと詳しく書いてみたい。
当初、自分が望んでいたホームベーカリーの使い方は電子炊飯器のパン版の様な事だった。つまり材料をセットしておけば後は出来たてのパンが簡単に食べられると言うものである。ところがホームベーカリーでは確かに材料を入れてタイマーをセットしておけば自動でパンは焼いてくれるものの、出来上がったパンは直ぐに取り出さなければいけないらしい。何でもほっておくと今度はパン自身の水分などでせっかく膨らんだのがまたひしゃげてしまうと言うのである。
これでは自分のように帰る時間が何時になるか判らない人間には使えない。かと言って確実に家にいる時間に焼き上げて保存しておくのであれば、焼きたてのパンを食べられるというホームベーカリーの意味が無くなってしまう。
正直なところこれは最大の誤算だった。
次の問題点は想像以上にホームベーカリーで焼けるパンの選択肢が狭い事である。メニューを見ると実に多彩なコースが並んでいるものの、多くは日本人の好きそうな「白くてふわふわで柔らかくて甘い」パンばかりで、自分の様などっしりと身の詰まった砂糖もバターも入ってないようなパンのメニューは殆ど無い。今回買ったPanasonicのSD-BMS102-Nではそれでも本格的なライ麦パンやフランスパンが焼けるのが売りになっているのだが、レシピを見るとそれでも砂糖やバターが多かったりして実体は本格的にはほど遠い。しかも酸っぱいのがライ麦パンの売りなのにわざわざ注意書きに「温度が高いときに予約時間を長く取ると酸っぱくなるので避けて下さい」などと書かれている始末である。
おそらくこれはこう書かないとクレームを付ける人が多いからなのかも知れない。とにかく説明書を見るとやたら注意事項として「○○するときちんと膨らまない」と言う事項が書かれている辺り、日本人のふわふわパン信仰の根強さを感じてしまうのだ。
それでも手動で焼き時間や発酵時間を調整できればまだ何とかなるだろう。しかし説明書を読んだ限りではあれ程いろんなコースがあるくせに、時間調整どころか単純に「こねるだけ」とか「発酵させる」だけの選択すら出来ないようなのだ。
ホームベーカリーの行程は全て内蔵のプログラムによるもので、ハード的な制約は無いはずだ。ならばこうした機能を追加するのはコードを足すだけで済むはずだ。Panasonicには是非とも単体で発酵や捏ね時間、焼き時間を設定できる機能を追加するべきだと思う。
そして理想を言えば、こうしたコースをユーザーがプログラム可能にしてそれをネットで共有出来るようにすれば、クックパッドでは無いが巨大な市場が開かれると思うのだ。
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