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August 19, 2012

生活保護の埋め合わせにフードバンクを考える

 河本準一の母親の生活保護受給疑惑以降、未だに生活保護や社会福祉の問題が続いている。この前も来年度概算で生活保護抑制し公共事業は温存すると言う内容が物議を醸したのは記憶に新しい。この背景には高齢化で社会保障費が膨れ上がっていて国の一般会計歳出額の約3割(平成24年度当初予算)を占めている(ちなみに公共事業関係は約5%)事からも判るように増え続ける需要に対して予算の目処が立たないと言うのがあるのだろう。
 とは言え有権者の多くを占め、今後も増え続ける高齢者に対する社会保障を削るのは難しい。そんな訳で削りやすいところから削る訳で生活保護などの少数に対する福祉が槍玉にあがる事になる。しかし、さすがに誰も本当に困っている人から補助を取り上げるのは言いづらい訳で、代わりに上がってくるのが「受給資格を厳格にすべき」「親族などの周りがまず援助すべき」「お金だと無駄遣いするので現物支給にすべき」などと言う意見が出てくる事になる。実はこうした案は口当たりは良いものの、それはそれで別の問題があるので自分は安易に賛成できなかったのだが、最近「フードバンク」と言う活動を知ってこれならなんとか埋め合わせになるかも知れないと思っている。

 フードバンクとは「包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体(参照:Wikipedia)」の事でアメリカでは60年代から行われ、日本でも近年少しづつ行われるようになってきた。
 実は日本は食糧の廃棄率では世界一の消費大国アメリカを上回り、廃棄量は世界の食料援助総量740万トンをはるかに上回り、3000万人分(途上国の5000万人分)の年間食料に匹敵する(参照)。かたや食うものにも困っている人が居ながら、世界で一番食べ物を捨てているのが我が国なのだ。
 そして貧困問題のもう一方の問題である住宅に関しても、この前NHKで特集が組まれたように既に日本では余りつつあるのが実情だ。戸建て空き家の数は全国で181万戸もあり、都心部ですら数多く存在する。
 何のことはない、わざわざ税金を使わなくてもこうした余っていたり捨てられている物を回すだけで貧困問題のいくつかは解決出来るのだ。もちろん実際には運用に当たってのリソースも必要だし、様々な問題もあるだろう。だが、お金が無いと言う口実の前にこうした手段を試してみるのも悪くないのでは無いだろうか。

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