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February 24, 2013

TPPに関する私的なまとめとQ&A

 ずいぶん前からTPPが話題になっているものの、郵政改革法案以上に利害関係が入り組んでいる上に外国も絡む問題なので、なにが問題なのかわからない人も多いだろう。しかも調べようとぐぐってみてもそれぞれの立ち位置に立ったプロパガンダや陰謀論まがいの言説ばかりヒットする。かと言ってマスコミの報道は相変わらず判で押したような原則論と建前ばかりだ。
 そんな訳で自分なりに調べたTPPの争点をまとめておく。もちろん個人がまとめたもので自分なりのフィルター(私自身はTPPに対して批判的である)がかかっているのは否めないので、それを了承した上で参考にして欲しい。


・そもそもTPPとは何か?

TPPは環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement )の頭文字をとった略称で、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目指した協定である。参加国はシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド。現在、参加交渉中の国はアメリカ、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、ペルーが現在大枠で合意し、カナダとメキシコそして日本が現在交渉中である。
協定の概要は加盟国間のすべての関税の90%を撤廃し、2015年までに全ての貿易の関税を削減しゼロにすることが約束されている。詳細な内容は参加国以外には公表されず、交渉会合中の情報共有や協議は原則として認められていない。


・何が問題視されているのか?

関税を廃止するということは、外国製品(サービスも含む)が低価格で国内に入ってくる事を意味する。当然ながら国内の産業はこれらと完全な価格競争に巻き込まれることになる。
これまで関税で守られていた業界はこれによって大ダメージを受ける可能性が高い。


・国内の関税で守られていた業界が問題視しているのは分かるが、消費者にとっては利益ではないか?

必ずしもそうとは限らない、例えば価格競争に敗れて国内の産業が無くなった場合、その産業に関する雇用が無くなり不況のきっかけになる可能性もある。
また国内産業やサービスが駆逐された結果、競争に打ち勝った外国のサービス(商品)しか選べない結果になるかも知れない。


・選択肢が減ってもこれまで日本に入って来なかった外国製品(サービス)がそれに置き換わるだけで問題ないのではないか?

TPPでは「全てのジャンル」で関税を撤廃し原則として例外は認められていない。これには医療・金融・保険なども含まれる。日本の医療は健康保険制度によって個人の負担がかからないようになっているが、TPPによって制度崩壊に繋がる「公的医療給付範囲の縮小」「医療機関の株式会社化」「混合診療の全面解禁」が行われる可能性がある(もちろんこれによって100%制度崩壊に繋がるかは議論が分かれている)。


・報道などではアメリカ国内にも反対意見があり、日本も農業などでTPPの適用例外が認められると言う話もある

上に書いたようにTPPでは参加するまで正式な内容は公表されないので本当のところは判らない。ただし日本では例外が認められるような報道もあるが、ロイター配信記事などによれば"All goods on table if Japan joins TPP talks -U.S.-Japan statement"(日本国がTPP協議に参加すれば、全ての品目が交渉テーブルでの対象となる)とあるように、本当に例外が認められるかは疑わしい。


・まるでTPPに問題があるのを隠すために内容が公表されてないような書かれ方だが、どの条約も交渉中は手の内を探られない為にも公表されないのが普通では無いのか?

交渉中に内容が公表されないのはどの条約でもよくある話だが、TPPの問題点は一方で交渉に参加している一部の利害関係者によってその内容が決定されているのではないかと言う批判がある。例えばTPPに違反していると思えば参加国は他の参加国を訴えることが出来るが(所謂、ISDS(Investor State Dispute Settlement)条項)、この内容は米国の企業の顧問弁護士が中心になって決めていると言う批判が出ている(資料)。
 なおISDN条項に関しては、これによって米国からの訴訟が乱発される、過去の判例で殆ど米国が勝っていると言う意見も出ているが、これには反対する意見も多い。ただしTPPにもISDS条項を入れるか自体、オーストラリアのギラード政権が反対するなど不明であり、内容以前にISDS条項が入るかも分からいのが現状である。

・TPPで著作権に関しても米国の主張が認められ、ダウンロード違法化の拡大、非親告罪化、法定損害賠償などによって、所謂同人誌などの創作活動が規制されると言う意見があるが?

既にダウンロード違法化は行われたが、TPPによって更に多くの規制が増える可能性はある。これに対する反論で既に米国ではこれらが規制されたものの、創作活動は萎縮していないと言う反論もあるが、問題はTPPで規制が増えた場合、「これまで日本にあった規制」+「新たな規制」が加わる形になることだろう。これにより米国以上の規制が創作活動に加えられる可能性が高い。(参考:TPPで日本の著作権は米国化するのか

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Comments

はじめまして。
Twitterで「お気に入り」してくださり、ありがとうございます。

お尋ねしたくてコメントいたします。
私ども市民報道型ファウンデーションの立ち上げを計画しております。
持ち出しと寄付で賄い、時々のテーマに絞って正しい報道をと考えております。
現在のマスコミに失望し、文句を言っても始まらないので、自分たちでとなったわけです。
このアイデアと手法はTwitter上で烏賀陽弘道氏に教えていただきました。
さて、まだ組織も資金もありませんが、もしその時になったら仕事を発注したいと考えております。
現在はTPPに絞って、その真相を明らかにすることを命題としております。
私どもは「TPP反対」の立場ではありますが、記者の調査報道には一切口を出さない、自分たちの望む記事を要求しないことで意思統一しております。

上記のような仕事を受けるご用意はございますか?
今回はその確認だけでもさせていただきたく、不躾ながらブログのコメント欄からご挨拶させていただきました。

上記E-mail: allure102@gmail.com

までご返信くだされば幸いです。

ケロ(Twitter: @Kero_Japan)

Posted by: ケロ | March 11, 2013 at 05:43 PM

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