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October 10, 2013

治安が崩壊するとどうなるか

 戦争の様な敵が攻めてきたと言うケースではなく、経済危機や災害によるインフラの停止などである日、治安が極端に悪化したらどうなるか考えた事はあるだろうか。多くの人は北斗の拳さながらにチンピラどもがヒャッハーと言いながら街を襲うイメージを思い浮かべるかも知れないが、どうやら少し違うようだ。
 ソ連崩壊時、多くは経済的な理由からロシアの治安は非常に悪化した。日常品や食べるものが無い事から犯罪にはしる者もいたし、何より治安を守るべき警察が予算不足で賃金も殆ど払われない状態で殆ど機能しなかったからだ。当然、治安は悪化し単純な窃盗などが激増したが、意外にも殺人などの大きな犯罪で一番多かったのは、ゴロツキどもが一般市民を襲うケースではなく、日常のトラブルが発端で起きた市民同士の殺し合いだったと言う。それも一番多かったのは赤の他人同士では無く、家族や親しい間柄などのケースだったと言うのだ。こうしたケースは何もロシアだけでなく、社会が混乱した東欧諸国や中南米諸国でもあったと言う。
 意外に思うかも知れないがこれは良く考えると当然の結果で、よっぽど自分の力に自信があるか、無謀でも無い限り、どんな反撃が来るか判らない赤の他人を襲うのはリスクが高すぎると言う訳だ。逆にたとえ家族や仕事などで顔を合わせているからと言って、全ての人が互いに仲が良いとは限らない。特に仕事などで利害がぶつかる相手の場合、実はひどく憎んでいると言うケースさえあるだろう。そして治安が悪化して社会の蓋が外れた状態になった時、こうした日常の不満が爆発すると言う訳である。また、閉鎖的なコミュニティなどでは爪弾きにされたり、表向きは取り繕われていても実は皆から嫌われている者が存在する事が多いが、平時はたとえいじめられることがあってもあるところで歯止めがかかるのが、こうした異常事態ではその歯止めが外れて殺されてしまうケースもあったようだ。
 よくネットなどで、日ごろ周りを憎んでいていつか機会があったら返り討ちにしてやろうと思っている人の毒吐きを目にすることがあるが、いざ治安が悪化した時に一番最初に殺されるのは逆にこうした人達になるのかも知れない。

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