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February 05, 2017

SM3ブロック2Aの能力は本当か

「防衛省は4日、日米で共同開発中の新型海上配備型ミサイル「SM3ブロック2A」について、米ハワイの太平洋ミサイル発射場で同日試験したと発表した。イージス艦から発射し、弾道ミサイルに模した標的を正常に迎撃した。今後、取得した試験データの詳細な解析を進める。

 同ミサイルは最高高度1千キロメートル超に対処でき、同300キロメートルにとどまる現行のSM3よりも迎撃能力が高まる。日本では2017年度に量産を開始し、19年度に配備する予定だ。」
新型迎撃ミサイル試験に成功 日米共同で

 2017/2/4に掲載されたこの記事だが気になったので少し検証してみた。気になった点はこのミサイルの交戦可能高度である。記事では1000kmとあるが、複数の情報によればその倍以上あると言うのだ。高度2000kmと言えば国際宇宙ステーションの軌道(高度約415km)はおろか衛星電話用の衛星(イリジウム衛星で高度780km)にさえ到達する。つまりSM3ブロック2Aはちょっとした衛星打ち上げロケット並の能力をもつと言う事になる(注:ただしロケットの到達高度と衛星投入高度はイコールではないので、これは正確な比較ではない)。
 このまえ世界最小の衛星打ち上げロケットと話題になった日本のSS-520は本来高空観測ロケットで、その到達高度は1000kmなので少なくともそれ以上の能力はある訳だ。
 通常の弾道ミサイルの最高高度は約1000kmなのでそれ以上の到達高度はオーバースペックのように見える。ただしロフテッド軌道と呼ばれる通常よりも高い高度を通る場合は1000km以上に達する事もあるので、交戦可能高度が1000km以上あっても不自然という訳ではない。2000kmもあればおそらくほぼ全ての弾道ミサイルの最高高度よりも高いので、逆に言えば全ての弾道ミサイルを最高高度でも迎撃可能なスペックをもたせたと考えることも出来る。
 だが本当にそんな能力を持たせているのだろうか? 日米ともに衛星打ち上げロケット保有国なので別に高度2000kmに到達する弾道ミサイル迎撃ミサイルを開発することは不可能なことではない。だがそれにしても本当にそれだけのスペックが必要なケースが現実にどれだけあるかと考えるとSM3ブロック2Aの能力はオーバースペックのように見えるのだ。もしかしたら交戦可能高度はこれよりもずっと高くSM3ブロック2Aの真の目的は相手のGPSに当たる位置情報サービス衛星を破壊すことを見据えているのかも知れない。(とは言えその場合は高度20200kmまで到達する必要がある)
ただ弾道ミサイルが最高高度に到達する場所はこちらからは選べない、そうした点なども考慮するとロフテッド軌道の最高高度である高度2000kmを狙うならそこに到達する分のマージンを考えるとミサイルの到達高度は交戦可能高度よりも大きなマージンが必要なのを考慮するとGPS衛星軌道までとは言わないがおそらく到達限界高度自体はかなりの余裕があると考えてもおかしくはないだろう。

 こうして色々と検証して見るとSA3ブロック2Aの高度2000kmと言う値は全てのICBMを迎撃する点からはそれほど過大な数字ではないようだ。しかし従来のミサイルから見ると随分大きな数字に見える。過去のSDI計画ではないが弾道ミサイル迎撃を真面目に考えるとSFじみたスペックに見える。

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