再び「男は家を出ていった」について
だいぶ前にロシアの詩人ダニエル・ハルムスの詩「男は家を出ていった」について書いた。
その時には元のロシア語の文を見つけられなくて記載する事が出来なかったのと、以前にTwitterで外国語で何か喋って欲しいと言われた時には詩を詠唱してあげれば良いと言う話が気に入ったのと、勉強を兼ねていつかロシア語の詩を暗誦したいと思っていたので自分が一番気に入っているこのハルムスの詩を暗誦したいと思っている。
その教科書と言うわけでは無いが再びダニエル・ハルムスの「男は家を出ていった」の全文と日本語訳、そしてロシア語の朗読を貼っておこう。それにしても今回、この詩の朗読を探して気づいたのはさすがはロシアでは学校の勉強で詩の暗誦をさせる国だけあって、有名なロシアの詩は軒並み朗読している映像が見つかることだ。もしロシア語で気に入っている詩があれば探してみたらきっと見つかると思う。
男は家を出て行った
Из дома вышел человек С дубинкой и мешком И в дальний путь,
И в дальний путь Отправился пешком.
Он шел все прямо и вперед И все вперед глядел. Не спал, не пил,
Не пил, не спал,
Не спал, не пил, не ел.
И вот однажды на заре Вошел он в темный лес. И с той поры,
И с той поры,
И с той поры исчез.
Но если как-нибудь его Случится встретить вам, Тогда скорей, Тогда скорей,
Скорей скажите нам. (1937 年)
男は家を出ていった
棍棒片手に 袋をもって
遠い旅路へ
遠い旅路へ
歩いて出かけていった
ずっとまっすぐ進んでいった
ずっと前を向いていた
眠らず 飲まず
飲まず 眠らず
眠らず 飲まず 食べもしないで
そしてある日 明け方に
暗い森へ入っていった
その時以来
その時以来
以来 姿を消してしまった
でももしあなたが
男をたまたまみかけたら
そのときはすぐに
そのときはすぐに
すぐに わたしたちに教えてほしい
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