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September 25, 2019

MAKS2019を見にモスクワに行く(3日目)

2019/8/30

 2019年のMAKSは8/27から9/1の間開催されるが、そのうち27日から29日まではビジネスDay、残りの30日から9月1日までが一般公開日になっている。実はビジネスDayでも割高になるがチケットを買えば入場可能で当然その方が当然人が少なくて快適に見て回れるものの、MAKS初心者の自分は「まあどうせ見られる内容が変わるわけでもないし、別に一般公開日だけで良いだろう」と思って30日からのチケットを買ったのだが、後々それは大きな間違いだったことに気がつくのだった。

MAKSの行われるジューコフスキー飛行場はモスクワから近郊列車"エレクトローチカ"で約1時間の所にある。詳しい行き方やチケットの入手方法は錚々たるロシアミリタリー関係者の面子が執筆陣になっている「徹底抗戦都市モスクワ」に詳しく書いてあるのでそちらを参考にして欲しい(実は今回の旅行も随分この本に助けられた)。

事前情報で混んでるという噂を聞いたので、時差の関係でモスクワではずっと早寝早起きの生活リズムになっていたこともありこの日も8:00にはホテルを出てホテルの側のカザンスキー駅からエレクトローチカでジューコフスキー飛行場の最寄り駅のオッディフ(Отдых)駅に向かい、そこから出ている無料のシャトルバスでジューコフスキー飛行場に到着した。途中、エレクトローチカで快速ではなく各駅に乗ってしまって予想よりもちょっと時間がかかったものの、無事会場に到着した。ただ全世界的に時代の流れなのか空港に入るセキュリティは厳しくなっていて、オッディフ駅を出た段階と空港に入る2箇所でセキュリティチェックが行われていて、PCやカメラなどはスイッチを入れて本物であることを示し、またペットボトルなどはその場で一口飲んで見せて中身が本当に飲料なのを証明しなくてはいけなかった。以前に日本の米軍基地の開放Dayに行った際にも入れ以上に厳重なセキュリティチェックを受けたのでこれはもう全世界的な流れなのだろう。とはいえ、ロシアの軍人や警官というと無愛想でおっかないというイメージが強いが、この前のワールドカップで世界中から観光客を受け入れた経験からか随分ソフトな印象になっていた。

前置きが長くなってしまったがいよいよMAKS会場に入る。

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セキュリティゲートを抜ければ会場だ。外からでも展示中の大型機(エアバスA350)が見える。

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Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

入ってすぐの野外展示エリア、とにかく広大だがこれでも会場のごく一部に過ぎない。

本当は会場で撮った航空機の写真を色々解説したいところではあるが、なにせ機体だけでも凄い量あり、写真に至っては800枚以上撮ったので到底解説できる量ではないので、とりあえずいくつかピックアップに留めるが全てに解説をつけるのは勘弁させてほしい。

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ロシアの無人航空機"ОРИОН-Э"(ORION-E)、モジュールを変えることで様々な用途に対応出来る。

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ロスコスモスのИл-76МДК(IL-76MDK)、ガガーリン宇宙飛行士訓練センター配備機。弾道飛行することにより機内に無重力を作り宇宙飛行士の訓練に主に使用されている。

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Миг-29СМТ(Mig-29SMT)

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Su-35Cを撮っていたら横で制服のお姉さんが連れの中年くらいの男性のカメラにノリノリでポーズを付けていたので便乗して写真を取らせてもらった上にしっかり目線ももらってしまった。その時はてっきりどこかのブースのコンパニオンの方だと思っていたのだがその後。

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ロシアの最新鋭戦闘機Su-57。さすが最新鋭戦闘機だけあって人だかりが凄くて朝いちで撮ったこのカット以降は近づくことさえ大変だった。

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Mig-31

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Tu-160爆撃機

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Tu-95爆撃機

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Tu-144超音速旅客機

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ВМТ-1(VMT-1) 既存のM-4爆撃機を改修して開発された規格外大型貨物専用輸送機。実際に運用されて今も稼働状態にあるらしいが、西側諸国だけでなくソ連・ロシア内部からも本当に飛ぶのかと言われたと言う。

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Su-47 その特異な外見(前進翼)から根強い人気のある試作戦闘機。ほぼ毎回、MAKSに展示されているがもう開発計画は放棄され機体も飛行可能な状態では無いらしい。日本から来た他のMAKS見学組の情報によると後ろのエンジン部分からの撮影をしていると怒られたらしいが、別の人の写真でしっかりエンジン内部にゴミが詰め込まれていた写真が上がっていて、撮影禁止の理由はどうもそのせいらしい。

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昼過ぎからデモンストレーション飛行が始まった。

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非常事態省(日本の消防と災害救助に特化した自衛隊を足したような省庁)所属のBMT兵員輸送車。軍のBMTでは戦車砲がついている部分には(多分)放水銃が付いている。希望すれば子供は上に載せてくれるが、無理やり登っていたおっさんもいた。

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MAKSは航空機の展示やフライトショーだけでなく、航空宇宙関係の展示会と言う側面もある。格納庫を使った特設パビリオンではロシア内外を含めた多くの航空宇宙企業がブースを構え、製品や自社技術のプロモーションや商談が行われていた。その多くは一般公開日前の関係者だけが入れるビジネスデーが中心だったが、一般公開日でも自社のプロモーション目的にブースは公開されてた。(専門的な製品を扱うブースでは事実上開店休業状態の所も多かったが)

日本からの見学組の多くは航空関係を中心に見て回る人が多いので、数少ない宇宙マニアの自分は比較的日本人が見なさそうな宇宙機器メーカーを中心に回ってみた。上の写真はロシアの宇宙開発の中心であるロシア共和国における宇宙開発全般を担当する国営企業「ロスコスモス」のブース。

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ロスコスモスの今回の目玉はATLAS VRと言うGoogl MapのVR版ぽいものをやっていた。

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Breeze-M LB(ブリーズM)の模型。静止軌道などの高軌道に人工衛星を送り込む時に使うロケットの4段目にあたる部分。

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Ресурс-Пレスールス-P):旧プログレス社(現在はロスコスモスに統合された)によって開発された民生用の地球観測衛星

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Бион-М(ビオン-M):微小重力下での生物実験やタンパク質合成などの実験を行うための生物医学研究用衛星。最初の有人宇宙飛行を行ったボストークの系譜を次ぐ外見をしている。

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Плазма-А(プラズマ-A):模型に付いているパネルによると「プラズマ-A」衛星らしいのだが、プラズマ-Aタイプの衛星は原子炉を搭載した地球規模の海洋観測衛星(目的は米国空母艦隊等の監視)のコードネームの筈で外見と噛み合わない。おそらく西側でEORSATと呼ばれた太陽電池を動力源にしたELINT衛星(通信傍受などを行う)のУС-П(US-P)衛星に見えるが、軍事衛星なのでわざと名前を秘匿したのか、西側に伝わっている情報が間違っていてこの2つのタイプを取り違えているのかは不明。

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Лотос-С(ロータス-S):ロシアの次世代C4ISTARシステム"リアーナ"を構成する電子情報収集衛星。軌道高度1000㎞。データ通信や音声通信の傍受を行うほか、長距離対艦ミサイルへの測的任務にも使用できる。

MAKSのРОСКОСМОСブースに展示されているのは当然、民生機や国際協力・科学技術分野に限られるのだが、光学モジュールや早期警戒衛星も使われた衛星バスなどがあるので丹念に見てると思わぬ発見がある。

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ロシアの次世代ロケット"アンガラ"シリーズ。

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エネゴマッシュのRDシリーズだが不覚にも名称を控えそこねてしまった。情報希望します。

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ロシアの民間アクロバット飛行チーム"ルス"による曲芸飛行。使用機体はL-39C

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ルースキエ・ヴィーチャズィ(だと思う)のSu-30SMによる単独曲芸飛行。コブラなどの様々な曲芸飛行を見せてくれたが迫力満点だった。ロシア最大の航空ショーMAKSのフライトデモを初めて見たが飛行機の飛び方が速い低い!そしてその分うるさい。戦闘機だけでなく大型機まで驚く程アクロバティックな飛び方をして凄く恰好良いけど日本では絶対に許可が出ないだろう。

日頃望遠レンズを使い慣れてなく、ミラーレンズを除けば望遠は90mmしか持ってないのだが、とてもじゃないがフレームに入れるのが精一杯でこれを300mm以上のレンズで追っかけてきれいな写真を撮れる人はすごいと思う。

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会場には中国のブースがまるまる1つの建物に入っていて、その影響力の大きさと大国ぶりを感じた。

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MAKSからホテルに戻ってきた後、夕食にホテルの側のGoogleMapでおすすめになっていたグルジア料理店に行ったのだが、どうも先日行ったお店とデーターがごっちゃになっているようで、どうみてもカフェとしか思えないお店だった。おかげでソフトドリンク特にハーブティーやソフトカクテルは非常に充実して美味しかったものの酒類は一切置いていなかった。このカフェと向かい合う形でクラブがあるせいか、飲み過ぎたり踊り疲れた人が疲れを癒やしに来店しているのが印象的だった。

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