カテゴリー「地震」の10件の記事

April 12, 2015

被災地のお酒を改めて飲んでみよう

 先月の11日で東日本大震災から4年が過ぎた。震災後、飲兵衛の自分が出来る事として被災地のお酒を飲む様にしていたが、あまりに美味しいお酒ばかりで気が付くと応援に関係なく東北のお酒を飲むのが習慣になっていた。
 震災後は雨後の竹の子の様に食べて応援・買って応援と言うことで様々な物がクローズアップされ、それを取り上げるサイトやメディアも一杯あったが、4年が過ぎた今そのまま忘れ去られている物も少なくない。そんな訳で改めて振り返る意味も兼ねて自分が見つけた被災地の美味しいお酒を紹介したいと思う。
それにしても今回調べて分かったが、津波で壊滅した蔵は比較的再建してるのに対し原発事故で壊滅した蔵の半数近くが再建されていない事には複雑な気持ちになる。

○岩手県

菱屋酒造店
岩手県宮古市
千両男山
甚大な被害を受け再建中。「2011年12月6日に再建の最初の米を蒸しました。2015年現在大吟醸は詰めましたので注文可能です。」
オンラインショップ
オンラインショップその2

酔仙酒造
※本店のサイトからオンラインショッピングが可能
岩手県陸前高田市
酔仙、雪っこなど
甚大な被害を受け再建中。「多くの方々のご支援のおかげで、新工場を設立するまで復興を遂げることができました。震災前とおなじようにとはいきませんが、徐々に販売できる銘柄を増やし、新しい歩みを進めています。」

両磐酒造
※本店のサイトからオンラインショッピングが可能
岩手県一関市
関山など
内陸部とはいえ被害を受け、商品は200本以上割れ、瓶詰め機はラインがずれ、さらには敷地内の空き瓶置き場が3メートル近く陥没した。

○宮城県

角星
宮城県気仙沼市
金紋など
津波により港近くの店舗は全損、多くの方々のご支援のおかげで現在は製造販売を再開。
オンラインショップ

男山本店
※本店のサイトからオンラインショッピングが可能
宮城県気仙沼市
伏見男山
本社3階建ての建物は津波により乗り上げた船と衝突し倒壊した。材料を保管していた倉庫も流されたが酒造所の酒蔵は高い場所にあったため、津波は酒蔵の入り口から数メートルのところで止まり被災を免れた。

・新澤醸造店
1873年創業時に建造した蔵は震災で修復不可能なほど破損し、瓶貯蔵していた日本酒4万本を損失。その後、県内川崎町の廃業した蔵を買い取り2011年12月中旬より出荷。(参照
取り扱いオンラインショップ

・大沼酒造店
宮城県柴田郡村田町
乾坤一
震災では大きな被害を受け仕込蔵、槽に大きな被害を受ける。その後「300年の歴史を自分の代で閉じるわけにはいかない」と苦難の中、蔵を立て直し現在は出荷を再開。
取り扱いオンラインショップ

寒梅酒造
宮城県大崎市
宮寒梅
蔵が倒壊するなど甚大な被害を受けるが、ファンドを受付け急ピッチで再建工事を行い2011年12月に新しい蔵を完成させ例年より1カ月ほど遅い12月7日に仕込みを開始。翌年から新酒を出荷を再開させる。
取り扱いオンラインショップ

佐々木酒造店
※本店のサイトから電話・FAXにて注文可能。
宮城県名取市
宝船浪の音
震災による津波で会社、蔵全体が全壊流出。奇跡的に残った震災前に搾った新酒を翌年2012年3月に復興酒として販売後、市内の内陸部に仮設店舗と工場を建設し2013年に最初の蔵出しを実現する。

○福島県

鈴木酒造店
福島県双葉郡浪江町
磐城壽
津波で酒蔵も自宅も全て流失。また原発から7kmの警戒区域だった為、一時会津に避難。その後、2012年11月に山形県長井市で再建。
取り扱いオンラインショップ

冨沢酒造店
※本店のサイトから注文可能ですが、ネットに不慣れなためレスポンスが遅れることがあります。
震災によりタンクが倒れ作業場の屋根が落ちる。
原発から3.6kmの警戒区域にあるため酒蔵の冷凍庫からこうじ菌と酵母を持ち出し、会津の花春酒造の醸造施設で新酒を完成させる。

大木代吉本店
福島県西白河郡矢吹町
自然郷、こんにちは料理酒など調理酒を多く扱う
蔵は大小14棟あり、5棟が全壊しその他にも大規模半壊など大きな被害を受けた。
取り扱いオンラインショップ1
取り扱いオンラインショップ1

宮泉銘醸
福島県会津若松市
宮泉
500本もの商品が破損、土壁の崩落、貯蔵庫にいたっては“酒のプール”と化していた。また蔵から少し離れた場所にある倉庫は全壊するなど大きな被害を受けた。
取り扱いオンラインショップ

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March 09, 2013

被災した酒蔵のお酒を飲んで震災を振り返る

Naminooto

 もうすぐ東日本大震災から2年になる。もう2年も経つのかと言うのが正直な気持ちだ。
関東圏のこちらは大したことは無かったものの、それでもその日の事はよく覚えてる。
あれから支援と言う口実で被災地にある蔵の酒を積極的に飲んでいたが、ちょうど3.11も近いのと、たまたま震災で深刻なダメージを受けた宮城県の佐々木酒造が再び日本酒を出荷したと言う話を聞いたので取り寄せて飲んでみた。
 まだ仮設工場での仕込みで、タンクの数も限られている事から以前のラインナップを揃えるまでにはなってないとの事だが、それでも純米酒 閖(ユリ)と本醸造 しぼりたての生原酒の2つが販売されていたので、迷わずこの2つを注文する。まだ生原酒の方しか開けてないのだが、「飲んで応援」といった贔屓目抜きに普通に美味しい日本酒だ。生原酒ということもあり普通の日本酒よりもきつい感じがするものの、その分おいしいせいもあって普通の日本酒よりも度数が高いのに沢山飲んでしまいそうだ。
 小さい蔵でしかもまだ仮設店舗と言うこともあり、オンラインで気楽に注文と言うわけには行かないのだが、興味のある人は一度飲んで見ることをお勧めしたい。

閖上さいかい市場-名取市復興仮設店舗 (有)佐々木酒造店

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June 12, 2011

「福島にガイガーカウンターを送って欲しい」その後

 以前、ボランティアで「福島にガイガーカウンターを送って欲しい」呼びかけをウクライナの放射線線量計メーカーに送る手紙を翻訳した話を書いたが、その後の経過報告。

 当初英語だと全然返事が無かったのが、ありがたい事にロシア語だと割とすぐに返事が来たという報告をもらった。どうやら本当に向こうには英語の判るスタッフは殆どいないのかもしれない。ただ現在、福島原発事故のお陰で日本はおろか世界中から注文が殺到している関係で会社の方にも在庫はなく、当座用意できるのは10台で送っていただけるのは7月から8月になってしまうそうだ。
 それでも福島の状況は向こうでも気にかけているようでありがたい。また現物が届いたらこちらで報告します。

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May 27, 2011

疎開するかを決めるもの

 忙しいのとネタが無いので、またもTwetterのログからのサルベージ。

 

 今回の震災・原発事故で考えたが、結局疎開するかはリテラシーや政府を信じてるかどうかでは無く、避難先で生活出来るコネや金があるか、勤め人なら会社がどうするかで全て決まってしまうと思う。例え本当にヤバくてもこれらが駄目なら逃げる事は出来ないし逆に会社が移転すれば嫌でも行く羽目になるのだ。
 そして今年の夏には「電力事情で工場は○○に移転する事になりました。あなたは一緒に行くか辞めるか選んで下さい」と言う通知が各地で繰り広げられるのだろう。

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May 01, 2011

「福島にガイガーカウンターを送って欲しい」件の状況など

 昨日の「福島にガイガーカウンターを送って欲しい」とお願いしている件について、状況を説明していなかったのでちょっと補足したい。

 まずこの呼びかけ自体はTwitter上の知り合いの方が中心になって行っているもので、私自身は翻訳の部分を手伝っている。福島県でガイガーカウンター(便宜上こう書くが、放射線量計測器はさまざまなタイプがあり、ガイガーカウンターだけではないので注意が必要だ)が足りないのは事実だが、先に述べた様に放射線量計測器もさまざまなタイプがあるので、何でも良いから持って行けば良いという訳ではない。今回は以下の条件を満たすものが必要になっている。

1.アルカー社(他のメーカー)と同一水準の機器であること
2.単位系がマイクロジーメンス/Hなど同一の単位表示ができること。
3.最低10台まとめてほしい。できれば100台ぐらいほしい。
(現在30〜40台しかない。足らないのは事実)

 あともう一つの問題は言葉の壁がある。お願いしているウクライナの会社は英語のWebページをもっているものの、電話で連絡した方によると英語の通じる人は殆どいないようなのだ。また逆に受け入れ側の福島県の方では窓口になる人でロシア語がわかる人は誰もいないので、英語のドキュメントが必要なのだ。

 可能な限り言葉に関しては間に入るつもりだが、以上の事情もあって上手く進むかは判らない。また今回の原発事故で世界的に放射線量計測器は不足しているので、向こうの会社にそもそも在庫がないと言う可能性も考えられる。

(とりあえず翻訳に関わったものとして、今後の経過で何かあればまたこちらで報告したいと思います。)

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April 30, 2011

【翻訳】福島にガイガーカウンターを送って欲しい

ウクライナの放射線測定器のメーカーに福島県にガイガーカウンターを送って欲しいと言う手紙をボランティアで翻訳してみた。自分の拙いロシア語だと間違いがありそうなので、ここに晒していろんな方にチェックしてもらおうと思う。

※頂いたコメントは直ぐに反映されませんのでご注意下さい。


(以下手紙の文面)
I have found your production of Radiation Detector in Amazon JAPAN,
As you know Japan was facing to Earthquake and Tsunami. And 4 reactors in Fukushima 1st Nuclear Power Plant were destroyed and Radiation is leaking still now.
So, I would like to ask to you, Your company's Radiation Detectors provide to
free of charge for schools and local governments in Fukushima Pref in JAPAN.

I have contacted by Mr. KATAYOSE, Atomic Unit officer Disaster Provision Main
Office of Fukushima Pref, by telephone.
He would like to check conditions of Radiation Detector in your company.

1. Same Accuracy as Survey Meter, ALOKA

http://www2.aloka.co.jp/products/index_html/radiation/002

2. Display to “Same Unit” like as 1Micro Sv /h in detector

3. At least 10 Unit and if you could 100 Unit are need in Fukushima
(Now Radiation Detectors are 30 to 40 Unit only in Disaster Provision Main Office of Fukushima Pref!)

Mr. KATAYOSE ask to you that Not use the E-mail, PLEASE USE THE FAX, because of his office was destroyed by Tsunami and he do not have personal e-mail address now.
(see the English web page of Fukushima Pref)

http://www.worldvillage.org/fia/kinkyu_english.php

I think ECOTEST is needed the Calibration service in Japan.

I am semi-pro science writer, professional in Space Activity reports.
I have a friend in Ukraine and I have visited to Kiev and Krivoy Rog in last spring.
Good people and Good memories only in Ukraine.

Well, Any questions are welcome and I will you reply to you in soon.

Yours sincerely,

Я нашёл Ваш производства радиометра-дозиметри в Amazon Japan,
Как вы знаете, Японию накрыли землетрясения и цунами. А 4 реакторов в АЭС "Фукусима-1" были уничтожены и радиационной протекает всё ещё.
Таким образом, я хотел бы спросить Вас, Ваши радиометра-дозиметри предоставлять
бесплатно для школ и органов местного самоуправления в Фукусима ап в Японии.

Я связался с г-ном KATAYOSE, атомная единица офицер бедствий обеспечение Главная
Управление префектура Фукусима, по телефону.
Он хотел бы, чтобы проверить состояние по вашим радиометра-дозиметрам.

1. Той же точностью, как измерительные прибори, ALOKA

http://www2.aloka.co.jp/products/index_html/radiation/002

2. Показать на "же Группу" вроде как 1Micro Зв/ч в детектор

3. По меньшей мере 10 группы и если бы Вы могли 100 группы являются необходимость в Фукусима
(Теперь радиометра-дозиметри от 30 до 40 шт только в борьбе со стихийными Предоставление Главное управление префектура Фукусима!)

Г-н KATAYOSE просит вас, что не использование электронной почты, пожалуйста, используйте факс, потому что его офис был уничтожен цунами и он не личный адрес электронной почты в настоящее время.
(см. английский веб-страницы из Фукусима ап)

http://www.worldvillage.org/fia/kinkyu_english.php

Я думаю, ЭКОТЕСТ необходимо службы калибровки в Японии.

Я полупрофессиональный науки писатель, специалист в докладах космической деятельности.
У меня есть друг в Украине и я побывал в Киеве и Кривом Роге в прошлой весной.
Хорошие люди и хорошие воспоминания только в Украине.

Просим связаться с нами, если у Вас возникнут какие-либо вопросы, и я буду сообщать Вам ответ на Ваше вопос в ближайшее время.

С уважением,

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March 24, 2011

電力不足でいらないもの狩りが始まる

 東北関東大震災による原子力発電所と火力発電所の停止による電力不足は今年一杯どころか下手をすると数年にわたって続く可能性があるらしい。
 そんな訳で節電を巡ってはさまざまな綱引きが始まっている。例えば23区のうち数少ない計画停電対象にされた足立・荒川区では東電に対し「公平負担」を要請しているし、プロ野球のナイターを巡っては文部科学省などから消費電力の大きいナイターの自粛を求められたのに対し、巨人・滝鼻卓雄オーナーがおかみ(政府)が決めることじゃないと反発している
 きっとこれから何を節電対象とするかでますます押し付け合いが酷くなるに違いない。ネットではパチンコ業界がやり玉に挙がっているし、コンサートやイベントなどは自粛の動きに加え今後は節電と言う名目でも圧力が加わるに違いない。
 だがこれは結局は足の引っ張り合いになりかねない。得てして人は自分の興味や関心の無いものに対しては驚くほど冷淡になれるからだ。こちらがパチンコが不要だと思うように、他人はアニメ・漫画は不要だと思っているかも知れないのだ。そうなれば今度はコミケや漫画喫茶の営業も電力の無駄だからと叩かれる事になるだろう。

 

 こうしてこれから電力不足が叫ばれる夏に向かって、人々は互いに節電対象を巡っていらないもの狩りに明け暮れるに違いない。

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March 20, 2011

電力問題を少しだけ考察する

 福島原発の事故は日本のエネルギー政策を考え直すきっかけになるだろう。この前にも書いたように現状の発電能力では間違いなく夏には電力が足りなくなるが、長い目で見ればまた話は違ってくるのかも知れないが、もう原子力発電所を建てるのは世論が許しそうも無いからだ。また原子力に限らず発電所を新設するにせよ、そう簡単に建てる事は難しい。それにどの発電システムにしても色々な問題点が残っている。火力発電はCO2の問題があり、また燃料をどこから安定して調達するかと言う問題もある。水力・地熱などの自然エネルギーは建てられる場所が限られている事もあり、原発の替わりになるほどの発電量は見込めない。風力や太陽光はさらに発電量が限られ、しかも安定して発電出来ないと言う問題がある。
 結局、当座は各自で自己防衛するしかないだろう。とはいえ民間で出来る事は限られている。個人的には家庭用太陽光発電に注目しているがどうも評判が悪いらしい。話を聞くとどうやらソーラーパネルを取り付ける工事を行う業者が飛び込みで営業しまくった時、電気を売って儲かると言うのにだまされた人が多数いたのと、ずさんな工事を行って結局使い物にならなかったケースが多発した事があるらしい。
 確かにソーラーパネルの工事は政府から補助金が出る上に新規参入が簡単なおかげで、工務店はもちろんの事、リフォーム業者や街の電気店まで参入して酷い状況になっている。一見簡単そうなソーラーパネルの工事だが、実は取り付けや運用にはかなりのノウハウが必要で、多くの業者はそれが出来るスキルが無いからだ。
 かといって家庭用燃料電池はまだ発展途中にある上に、実は運転の為には一般電源を必要とする為に停電時には使えないと言う罠がある。
 こうなったら大口の電気使用者である工場や大型ビルのオーナーに頑張ってもらうしかないだろう。例えば六本木ヒルズには独自のガスタービン発電システムが搭載されていて、電力不足の今では逆に東電側に送電している。こうなった以上補助金でも出して少しでも多くの大口使用者に発電プラントを付けてもらうしか無いのかも知れない(それでも今年の夏には間に合わなさそうだが)。

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真の試練はこれからだ

 東北関東大震災から一週間が過ぎた。まだ原発の問題など進行中の問題は山のようにあるが、それでも少しずつ事態は収束しつつあるように思える。だが本当の問題はこれからだろう。これから2つの大きな問題を解決しなくてはいけないからだ。
 一つは現状の発電能力では確実に夏に大規模な停電が避けられないと言う事だ。夏はエアコンなどにより冬の1.5倍の電力消費量になる。現状でも計画停電をしなくてはならない状態だと言うのにさらに1.5倍に電力消費が増え、しかも今は震災で止まっている多くの工場や商業活動が始まったら確実に電力供給は持たないだろう。3/19の日経新聞の記事によれば現時点での東電の発電能力は他社からの受電分も含めて約3400万Kw、夏までには現在止まっている火力発電所や老朽化で止めていた発電所なども再起動させるがそれでも4800万Kwで夏の電力需要の5500万~6000万Kwには届かない。東電によれば夏には現在計画停電から除外されている23区の多くでも計画停電を実施しなくてはいけなくなると言う。
しかもこの問題はこれだけでは済まない。今回の原発事故で確実に今後、新規発電所を作るのは困難になるのは目に見えている事を考えると、今年だけでなく下手をすれば何年も供給電力不足問題は続く可能性が高いのだ。
 そしてこれにも関連するのだが、もう一つの問題が経済の落ち込みだ。現状で北関東東北地方では仕事を無くした人が大量にいるものの、日本経済全体の比率から言えば5%のレベルに留まっている。しかし電力不足や自粛モードにより既に関東地方の飲食業やレジャー産業では閑古鳥が鳴いている状態になっており、更にそれと関連した広告業界でも確実に仕事が減りつつある。そしてこれに電力不足が加われば更に多くの業界でも確実に生産性は減るだろう。恐ろしい事に既に厚生労働省では「計画停電に伴う休業は賃金保障しなくていい」と言う通達を出してしまった。これでは非正規労働者はもちろん無給の休業で生活できない正規労働者も山のように出るに違いない。更に恐ろしいのはこれまでも工場の多くは海外移転が進んでいたが、電力不足を避けるためにもっと多くの企業が海外移転を進める事だ。そうなるとその後、たとえ景気が回復したり電力不足が解消しても肝心の労働する場所が無くなっていると言う事態になりかねない。
 自分の周りでも既に来月の仕事がいくつかキャンセルされたという報告が増えている。フリーランスの自分などは何かあったら真っ先に切られる側なので、これは他人事とは思えない。
 経済関係の論者の中には、今後の経済失速による失業などで今回の震災以上の自殺者が出るのではないかと言う不気味な予言もささやかれている。果たしてこれからの試練に私たちは耐えられるだろうか。

 

 

参考Link:東京電力の計画停電を考える | 西陣に住んでます 電力関係の知識を持つ方の考察、具体的な数値などがありとても参考になる。

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March 13, 2011

2011年3月11日防備録

 幾人か東日本大震災の防備録を書いている人がいるのに便乗し自分も防備録として書いておく。

 

・当日いつものように仕事先で影像制作の仕事をしていると大きな揺れ。最初は初期微動の長さから見て震源地は遠いと思ったのでそのまま作業を続けているとどんどん揺れが大きくなってくる。それでも震源地は遠そうだったのでPCを押さえて、とりあえず頭上に蛍光灯が無いかだけ確認して、そのまま待機しているといつまで経っても揺れが収まらないどころかますます激しくなってくる。これまで地震で怖いと思った事など無かったが、生まれて初めて地震を恐ろしいと感じた。

 

・ようやく揺れが収まって内心、自宅の本棚や食器棚は駄目だなと思いつつiPhoneで情報収集をする。震源地が宮城と聞いて驚く。

 

・ここからは仕事先の会社でももう仕事をする雰囲気ではなく、皆PCでニュースを見たり実家が宮城に近い人は電話をかけに外に出る。

 

・自分は特にやる事が無かったので作業を続けようと思ったが、結構強い余震が来て作業どころではなかった。

 

・気を取り直して幾人かにMailで安否確認をするもののMailが殆ど繋がらない。ここでようやく大変な事態になっているのではと思い始めた。

 

・気がつくと社内は殆ど人はなく、後で聞くと皆、近所の公園に避難していたらしい。教えてくれ!

 

・追って外に出ると高田馬場にこんなに人がいたのかと言うくらい、多くの人が外に避難していた。だが皆どことなく余裕があって携帯で写真を撮っている人なども見かける。

 

・その後、仕事先でも帰れる人は帰っても良いという通達が出るが、自分も含め多くの人は電車が動いてないのでとりあえず動くまで待つ事にした。思えば本当に帰るつもりならこの時点でバスなどに乗るかタクシーを捕まえるべきだったのだろう。

 

・その後、電車が復旧する見込みが無くオフィスで籠城する事になる。それでもこの時点では夜までには電車は復旧するだろうと楽観視していた。

 

・とりあえずもう仕事をする状況ではないのだが、やる事も無いのでPCや携帯で情報収集しつつ仕事をする。調べれば調べるほどただごとではない状況が判ってきていよいよこれは大変な事になったと思い始める。

 

・日が落ちてから長期戦になりそうなので売り切れる前に腹ごしらえをするために外出する。駅周辺は帰れなくなった人で溢れかえっていて、タクシーを待つ行列は信じられないくらいの長さになっていて、ホテルのロビーには歩き疲れた人が溜まって休んでいた。飲食店はどこも混んでそうだったので、とりあえず手っ取り早く食べられそうな牛丼屋へ。

 

・そこでもかなり混んでいて、しかも普段なら牛丼屋には立ち寄りそうもない若い女の子やおばさんまでもが並んでいた。

 

・仕事場で行き先が同じ人達で有志を募ってタクシーで帰る人を募っていたが、自分は方向が合わないのと既に道路が酷い渋滞だという情報を得てたのでオフィスで一夜を明かす事にする。

 

・夜に買い出しチームが編成される。しかし既に食べ物の大半は売り切れだったので開き直って飲み物とビールを買い込んで夜明かしをする事に。

 

・深夜、TVの放送もないのでニコニコ動画などを大画面モニターに映してニュースを見る。ニコニコ動画という事もあり、まだこの時点ではここまで悲惨な事になっているとは誰も思ってなかったに違いない。

 

・開発会社と言う事もあり夜型の人も多いが自分は疲れてきたので仮眠するものの余り眠れず。

 

・ここまでで一番情報収集に訳に立ったのがTwitterだった。TVは深夜は放送されないし細かい状況が判らず、Mailと電話は深夜になるまで繋がらなかった。

 

・早朝、JRを除く主要各線が動き始めたと言う情報を得たので帰宅。新宿まで歩いて向かう。

 

・新宿駅では改札どころか駅ビルの入り口の大半が閉鎖されていてどうしたものかと思ったが、空いてる口を見つけて小田急に乗る。

 

・電車はかなりの混み具合だったが、それでも平日のラッシュ時並で耐えられない程ではない。

 

・朝9時前にようやく帰宅。覚悟していたが食器棚も本棚も倒れて無く、一部の中身が飛び出しただけだった。それにしても長い一日だった。

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