カテゴリー「パソコン・インターネット」の123件の記事

June 16, 2021

VRoidのモデルをVRChat AVATAR3.0対応のアバターに変換する際の覚書

 VRoidのモデルはVRM Converter for VRChatなどのツールのおかげで変換するだけでVRChatのアバターにすることが出来るものの、そのままだとやっぱり細かい不具合があるのでその修正方法をメモしておく。
なおVRChat界隈の技術進歩はすごい速度で進んでいるのでこれはあくまで現時点(ひょっとしたら既に時代遅れかも)での方法だと言うことに注意して欲しい。特にVRCとVRM Converter for VRChat、VRoidはどんどんバージョンアップしているので、あるときはうまく行った方法がうまく行かなくなっていたり、逆に既存の不具合がバージョンアップによって治っていることも多いので、もし試してみてうまく行かなかったり、書かれていることと違う結果になったときにはそれらのバージョンアップを疑って欲しい。

なおありがたいことに多くの問題は先人たちの努力によって解決方法が見つけられているものがほとんどなので、ここでは具体的な方法ではなく主にそれらの記事を紹介する。

・腕を下に下ろしてもアバターの肘が曲がって腕が伸びきらない時
VRCフルトラ環境でのUser Real Heightは何をいれる?

・トラッキング時にしゃがむと極度な内股になる
VRoidLegModifierForClusterでVRoidの膝関節問題が解決した

VRCでVRoidアバターを使おうとすると"なで肩"になる上に膝が曲がってしまう問題
VRCフルトラ環境での"なで肩"の治し方


 

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March 19, 2021

VRCでワールドを作ってる人の感想等をあまり聞かないので書いてみる

 意外とVRCでワールドを作ってる人の感想等を聞かないので書いてみる。
そもそも自分の場合は本業がUnityベースのスマホゲームアプリ開発(3D系)なのでVRChatのワールド作りも簡単かと思いきや、意外と判らないことや面倒な事が多くて逆にそれが面白い。とはいえ考えてみれば当然で、今のタイトルの大半は何十人下手をしたら100人近い人数が関わる大プロジェクトなので一人で全体に関わるのはまず不可能だし、全体を統括する立場になれば逆に細部のことはわからない。
そんなわけで自分も自分の担当以外はゲーム制作に関わっているとはいえよくわからなかったりするのだが、VRCのワールドで少し凝ったことをしようと思うとグラフィックからプログラム、サウンドまで幅広い分野を触ることになる。
そう考えると本業でもないにも関わらず凄いワールドを作っている人には本当に感心するのだが、それはさておき一通り作ってみて思ったのは個人で動き回れて場合によってはちょっとしたゲームや演出までVRで作れるVRCの環境はモチベーションを上げるにもスキルを磨くにも素晴らしい環境だと言うことだ。もちろんUnity自体がゲーム開発エンジンなので別にVRCに限らず何でも出来て当然なのだが、これを不特定多数の人に体験してもらえるというのはUnityだけでは難しい。(もちろん作ったゲームを配布すれば良いのだが、それをダウンロードして遊んでもらえるかはまた別だ)
 とはいえそこまでお膳立てが揃っているとはいえ、実を言うとワールド作りは正直面倒くさいと言う気持ちも拭えない。日頃仕事で3DCGを作っていて目が肥えてる分、脳内ハードルが上がりがちな上に仕事と違ってそれを全部一人で作らなければいけないからだ。そうした点ではUnityのアセットストアやBoothの各種モデルやギミックは本当に有り難い。しかもVRCのツールの多くは無償で提供されているものも多いのだ。
 そんなわけで面倒臭さと戦いつつワールドを作っている訳だが、意外な発見が多くて勉強になる。そもそもサウンド周りとかは仕事でも全くタッチしてないのでVRの3D音源周りとかを見てると「こんな事が出来るのか」と素直に感動している。それにしてもワールドを作るだけでも膨大な技術やノウハウが必要で改めていろんな発見や勉強になって面白いのはいいとして、これだけのノウハウを習得しているつよつよワールド製作者は一体何者なのだろうと改めて感心している。

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April 19, 2020

爆発的に発達しつつあるVR技術 VRChatというオンラインサービス

 以前にVTuberやVRChatなどのバーチャルに嵌ってるという話を書いたが、まさか自分がVTuberではないが美少女(?)のアバターをまとってバーチャル空間で講演する日が来るとは思わなかった。

そもそも発端は一年以上前に遡る。いつものようにTwitterを見てると「バーチャル蠱毒」という単語が飛び込んできた。バーチャル蠱毒自体がどんなものかは、話すと長いし今回のテーマでないので詳しくは次のリンク先を見てもらいたい。

バーチャル蠱毒終演! 61名が作り上げたドラマとフィナーレ
ひとことで言えば、VTuberのアバターの公開オーディションなのだが、一つのキャラクターを巡って、ナンバーを振られた複数の候補者が、ネット上でリスナーのポイントによって勝敗が決まるという仕組みが、まるでデスゲームを彷彿させるところから付いた名称である。

それがきっかけとなって、当時たいして興味のなかったVTuberを見るようになり、ゲーム開発者という仕事柄、その仕組を調べていたらVTuberに限らずVR技術が爆発的に発達しつつある黎明期に居合わせていることに気がついて、すっかり虜になってしまったのだ。そこらへんの下りは以前にも書いたので詳しくはそちらを読んで欲しい。

とはいえ、最初の頃は技術的な面を調べるのが中心で、自分がプレイヤーになってVR空間に入ったり、ましてや、演者となって配信するつもりはまるでなかった。

だが、VRサービスの一つであるVRChatというオンラインサービスが、3DCGやゲームに興味がある人なら誰でも夢見る「自分で作ったキャラクターになって、自分の作った世界を歩き回りたい」ということを、文字通り実現出来る環境だと気づいてから様子が変わってきた。

◎VR空間に集まって話そう

VRChat自体はその名の通り、VRヘッドセットをつけて仮想空間で同じようにログインしてきた他の人と話したり、仮想空間を移動したりするチャットソフトに過ぎないのだが、凄いのは仮想空間でプレイヤーが使えるキャラクター(アバター)だけでなく、仮想空間上の世界そのものをプレイヤーが作ってアップロードすることで、自分や他の人が使えるようになる点にある。

そんなわけで、VRChatでいろいろ作ったりしていると、自分で作ったアバターをテストしたり、他の人の作ったワールドを探索するために、VR機器をつけてバーチャル空間に入ることが、ごく普通のことになってくる。

そうやって自分の作ったアバターで他の人の作ったワールドを巡っていると、VRChatでいろんな活動をしているグループが多数あることに気がついた。それも単なる趣味の集まりをはるかに超えた、素晴らしい活動をしているグループがいくつもあるのだ。

ある人たちは技術系のコミュニティを作り、プログラムを駆使して、見たこともない景色や機能をワールドに組み込んだり、ある人たちは中世ファンタジーワールドをVRChat上に構築して、その中で様々な冒険をしたり語り合ったり、ある人たちは仮想空間上に飲食店を作り、仲間同士で商店街を形成して、来る人達をその中でもてなしたりと、さまざまな活動をしているのだ。

その中で自分が興味を引かれたのは、天文・宇宙開発系のイベントを行ってる天文仮想研究所だった。ここの凄いところは、自分たちでイベント会場である打ち上げ可能なロケットのあるワールドや、実際に操作可能なプラネタリウムなどを作って、それを使って解説や配信をしているところだ。

参考:「VRChat初心者向けガイド」https://vrc.wiki

そんなわけで、VRChatを通じてこのグループのイベントに参加したり、お手伝いをしているうちに、イベントで解説をしてくれる人がいないので手伝ってほしいという話から、いつの間にか自分がアバターをまとい解説することになったのだ。

おそらく、バーチャルじゃなければ絶対にやらなかったと思うのだが、実際にやってみると思ったよりも面白い。たぶんバーチャルということで、人前で話すのに抵抗感が少なかったことと、それ以上に現実ではできない演出や世界を舞台にイベントを進められることと、なによりも多人数で集まって話ができるということが素晴らしい。

コロナが蔓延して家に閉じこもることが求められるこのご時世で、とても貴重な経験になったからかも知れない。本当にみんなで集まって話すのは何週間ぶりだろう。人と集まれない今こそ、バーチャルの集まりが求められるのかも知れない。

このイベントは360度動画でも配信したので、興味のある人はアーカイブを見てほしいが、正直なところ360度動画でも、実際にVR機器を使って仮想空間の中で見た面白さは伝えきれてないと思うので、次回は是非ともVR空間に来て参加してほしい。
第六回宇宙ガイド ソ連・ロシア編

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March 15, 2019

いまVTuberやVRchatが面白い

昨年末に一瞬、ネットで話題になった「バーチャル蠱毒」をきっかけにVTuber(バーチャルYouTuber)やVR技術に嵌っている。

バーチャル蠱毒自体がどんなものかは、話すと長いし今回のテーマでないので詳しくは以下のリンク先を見てもらうとして、一言で言えばVTuberのアバターの公開オーディションが、そのルールからまるでデスゲームのように見えることから付いた名称である。ちなみに、本当のオーディションの名称は「最強バーチャルタレントオーディション極」と言う。

バーチャル蠱毒終演!61名が作り上げたドラマとフィナーレ、そして新たなる…


前置きが長くなったが、それを追いかけているうちに今、VTuberやVR技術の爆発的な発展期に立ち会っていることに気がついた。それこそ週単位で新技術が発表され、プロ・アマ問わず多くのエンジニアが、様々なツールやアプリを開発し、それを先進的なユーザーが使って数多くの作品をが作られ、月に100人以上もの勢いでVTuberが増えていく。

一部ではそれを称して、大学生の学園祭のようだと揶揄する向きもあるが、規模が大きくなりすぎて、もはや個人では作ることの難しくなったゲームやフルCGアニメーションなどと違い、まだこのジャンルでは個人で活動する余地が残っているとも言える。

それどころか、個人で新しい技術や作品を作り上げて発表する事が、そのまま最先端のトレンドに結びついているという、黎明期のパソコンや初期のインターネットのような状況なのだ。

それはちょうど、2000年台初頭のCGアニメーション「君の名は。」で大ヒットを出した新海誠氏が、ほとんどの作業を一人で行った約25分のフルデジタルアニメーション「ほしのこえ」を作ったような状況だ、と言えば分かりやすいだろうか。

例えば、VTuberは一昨年の2017年にいわゆる四天王と呼ばれた、キズナアイを筆頭とした5人が話題になったが、今ではVTuberの数は8千人を超え、筆頭格のキズナアイはNHKとタイアップするまでになっているし、個人でも参入の敷居はますます低くなり、携帯アプリからキャラを作って配信できるようになり、毎日のように新人がデビューしている状況なのだ。

またVRのジャンルでも、2年ほど前からVRchatというサービスが話題になっている。これはヘッドセット(パソコンだけでも参加することは可能)をつけて、仮想空間上でチャットや散策ができるというものだ。

面白いのはユーザー自身が、仮想空間上の自分の身体(アバター)を自由にデザインできるだけでなく、そこにある小物や、果ては世界全体(部屋から町並みから更には山や川など巨大なものまで)を自由に作れる(とはいえ、自由に作るにはある程度プログラムの知識が必要)点にある。

このことから大きな人気を集め、ここ最近でユーザー数が10日で100万人以上のペースで増えているのだ。

また、当初はVIVEやOculusなどのVR体験用の機材(ヘッドセット等)を開発している会社を除けば、良くも悪くもアマチュア主導の空間であったのが、今年の3/8から3日間にわたって、その中で仮想空間上の展示即売会「バーチャルマーケット」が行われ、pixivやupd8、avex、にじさんじなどの企業が、仮想空間上でブースを構えるなどビジネスにも結びついた動きも出てきている。

そして、ここにきてバーチャル空間内で使えるモデルを、販売したりやり取りしたりする動きが出てきたのも面白い。

これまでどんなにカッコいいモデルでも、それ単体では使いみちがないので、なかなか一般向けの需要はなかったのが、多くの人が仮想空間に入れるようになると、そこで使う自分専用のアバターや小物、インテリアのモデルが欲しくなり、それが市場を生み出しつつあるのだ。

また、作り手にとっても、これまでは個人で作るにはゲームもアニメーションもあまりにも大掛かりになりすぎて、なかなか自分の作ったものを発表する機会がなかったのが、こうしてちょっとした小物やテクスチャでも需要が出ることで、気楽に成果物を発表し、場合によっては購入という形で評価がもらえるようになることは、大きな励みになるだろう。

正直、ここまで書いてもVRの面白さや可能性が、うまく伝わったか自信がない。ある意味、ストーリーのあるゲームや漫画、その他映像作品よりも体験主導なVRの面白さは、言葉で伝えるのが難しいからだ。

そんなわけで、補完する意味で他の人の書いた紹介記事を下に貼っておくが、百聞は一見に如かずで、できればヘッドセットなどを使わずに、デスクトップPCからでも良いので、ぜひとも自分で一度覗いてみてほしい。

話題のVRアプリ『VRChat』その魅力と始め方を紹介

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February 16, 2018

AIの判断と人間の判断の話

大昔にサーバー管理をしていた錆びついた知識をリフレッシュするために、最近のセキュリティ事情をおさらいしている。
今のセキュリティ最前線で使われている技術は、基本的にはこれまでと変わらないものの、多くの手法が自動化されている。これまでなら人間が試行錯誤しなければ出来なかったことでさえ、AIを使った機械学習によって自動化されていることに驚いた。例えば、少し前に仮想通貨交換業者のコインチェックがハッキングを受けて、P2P暗号通貨XEMが流出した事件では、その攻防は互いに自動化されたAIによって行われ、人間は直接細かい作業をせずに監督作業だけをしていたという。
 これはインターネットの世界だけに限らない。インフラの制御でもあまりに巨大化複雑化したために、人間が個別に対応してはダメという段階に入っていて、その制御は自己学習するDeepLearning系AIによって自動化が進んでいる。更に軍事分野でさえ、今では多くの部分が電子化・ネットワーク化しているが、最初に書いたようなAIを使ったサイバーセキュリティの流れも、いずれ軍にも降りて来るのだろう。既にロシアの最新鋭戦闘機Su-57では、パイロットの負荷を下げるために行動指針を提示する、人工知能システムが搭載されてるといわれている。
 問題なのはその先だろう。有名な論理学のテーマに、トロッコ問題というものがある。これは「ある人を助けるために、他の人を犠牲にすることは許されるか?」という思考実験だ。例えば、線路を走っていたトロッコの制御が不能になった時に、ポイントを切り替えれば、その先にいる5人の代わりに一人が犠牲になるが、どうするのが正しいのかというものだ。一見すると、より少ない犠牲の方を選べばいいという見方も出来るが、それなら誰がそれを判断して実行するのかという問題もはらんでいる。これまでは運転手など責任を負った人間がその責を負っていたわけだが、AIによって多くの機械が自動化されるにつれて、こうした論理的な問題も出てくるのだ。
 現在、軍隊など人命に関わる判断については、AIはあくまで提案をするだけで最終的な判断は人間が行うという方針が貫かれている。しかし、より高速化する戦場で、コンマ数秒の時間でこうした判断を行うのは人間であっても難しい。映画「ロボコップ」の中では、実は主人公マーフィーは電子頭脳の補助を受けて常人の何倍もの速さで動くことができるが、実は人間の頭脳が追いつかないので、緊急時にはAIが先行して判断・動作を行い、後からマーフィーの脳に結果を送る仕組みになっていた。その結果、当人は自分がやったと思っていた動作が、実はコンピュータによって行われていたと言う裏設定があって戦慄したことがある。
しかし、こんな極端な例でなくても、例えば先程のSu-57に搭載された行動指針を提示する人工知能であっても、A、B、Cと提示された中から人間が判断してどれかを選んだとしても、元のA、B、Cは機械が考えた結果に過ぎないといえないだろうか。

もしかしたら、提示されていないDが真の正しい回答かもしれないのだ。こうした問題を秘めながら、今では多くのものがAIによって制御されつつある。

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September 23, 2017

ロシアのインターネット監視システムSORM

 少なくとも一般に目につくところでは誰も訳してないようなので、WikiLeaksに掲載されたロシアのインターネット監視システムに関する資料をざっと訳して解説してみたい。

 まず概略としてロシアのインターネット監視システムとはどういうものか最初に説明しておくと、ロシアでは近年インターネットを中心としたサイバー空間を安全保障に関わる重要な領域と捉えて、単なるセキュリティに留まらないグローバルな情報戦の戦場として認識している。そのためロシアのインターネットに関する統制や干渉は単なるセキュリティだけでなく、プロパガンダや情報統制さらに外国勢力やテロリストを対象にした攻撃的なネットワーク上の破壊活動も含まれている。
 こうした認識の元でサイバー空間の統制は当然ながら一般的なハッキング行為やサイバー空間を舞台にした一般的な犯罪行為だけでなく、鋭い政権批判やデモなどのよびかけも監視対象になっている。サイバー空間の監視活動を主に担当しているのはFSBと内務省のサイバー犯罪担当部署であるK局で、実際にインターネットを監視している手段としては機動捜査活動用技術手段システム(SORM:露語СОРМ)が使われている。SORMについて規定している2000年7月25日通信省令130号によればSORMは電話・移動体通信・無線通信及び電波通信を監視するシステムであり、通信事業者はFSBの指導に従ってSORM用機器を自社の通信システムに取り付けなければならないと規定されている。

SORMについて

SORMはロシアの監視のための技術基盤である。 1995年に最初のSORM-1(電話と携帯電話の通信を捕捉)が構築され、続いてSORM-2(インターネットトラフィックの遮断、1999年より)から現在のSORM-3に進化した。 SORMは現在あらゆる形式のコミュニケーション機器からの情報を収集し、録音や場所を含む加入者に関するすべての情報とデータの長期保存を提供している。 2014年にはソーシャルメディアプラットフォームを含むようにシステムが拡張され、通信省は企業にDeep Packet Inspection(DPI)機能を備えた新しい機器をインストールするよう指示した。 2016年にSORM-3はロシアのすべてのインターネットサービスプロバイダに適用される法律が設定された。 欧州人権裁判所は2015年に人権に関する欧州条約にロシアのSORMに関する法律が違反していると言う判断を下している。
 2000年1月5日にウラジミールプーチン大統領はSORMを介して集められたデータにアクセスする他の7つの連邦治安機関( FSBの隣)に法律を改正する法律を改正した。 新しく付与された機関には以下が含まれる

 •ロシアの税金警察
 •ロシア警察
 •連邦防護サービス
 •ロシア国境軍
 •総務省
 •大統領連隊
 •大統領のセキュリティサービス
 •議会のセキュリティサービス

SORMのシステム

 2017年9月にWikileaksのサイトにロシアの大手通信事業者む向けのOSS/BSSシステム開発企業である、Peter-Service(露:Петер-Сервис)から流れたインターネットプロバイダーやモバイル事業者の加入者を監視する為のソフトウェア開発やそのためのハードウェアの販売に関する同社のウェブサイト内の情報が掲載された。これによると同社の提供するハードウェアやソフトウェアパッケージは加入者の通話記録や使用している基地局のデーターを収集するもので(注1)、ネットワーク監視システムSORMの枠組みに従って開発されたものであった。

注1:具体的には通話やメッセージ記録、IMEI・MACアドレス、IPアドレス、基地局情報

次にその詳細について解説する

システム概要
Img2

PETER-SERVICEが(SORMの仕様に従って)提供する監視ソフトウェアパッケージとハードウェアの概要は以下のようになっている。
基本的なアーキテクチャはデーター保持システム(DRS)(英文資料Link)、SORMコール監視機能( ServiceСП-ПУ)、IPトラフィック分析(TDM)及び、それらのデーターアーカイブにロシア連邦政府機関がアクセスするためのインターフェイスから成り立っている。

IPトラフィック分析(TDM)
Traffic Data Martは登録されている全てのモバイルデバイスのIPトラフィックを記録・監視する為のシステムで、監視する対象がアクセスした全てのドメイン名のリストやキーワードを分類して記録する。これらのカテゴリリストにはブラックリストに載っているサイト、犯罪サイト、ブログ、ウェブメール、武器、ボットネット、麻薬、賭博、侵略、人種差別、テロリズムなどがある。収集された情報に基づいてシステムは指定された時間範囲で自動的にレポートを作成する機能を持っている。レポートでは対象のアクセス方法(ブラウジング、メール、テレフォニー、ビットトレント)とアクセスにかけた時間とやり取りしたトラフィック量も記録される。

データー保持システム(DRS)
データー保持システムはロシア信省令によって事業者に接続が義務付けられている必須のコンポーネントで、全ての通信データを3年間ローカルで保存する。ロシアの情報機関はこのシステムに格納された情報にアクセスするためにDRSに組み込まれたプロトコル538アダプタを使用する(露語資料Link)。PETER-SERVICEの資料にによればこのDRSシステムは1つのクラスタで一日に5億件の接続を処理することが出来る能力を持っている。事業者のデータベースを検索する一日あたりの平均検索時間は10秒程度である。(訳注:だから事業者に接続負荷がかからないと言う意味か?)。

SORMコール監視機能
SORMコール監視機能は、ネットワークオペレータに接続されているサービス制御ポイント(SCP)に集中している。 ServiceСП-ПУは、Peter-Serviceが提供する監視ソフトウェア"SVC_BASE/DRS"とロシア連邦ネットワーク監視システム"SORM"のコンポーネント間のHTTPSに基づくデータ交換インターフェイスである。ServiceСП-ПУは情報機関からの検索要求を受け取り、その結果をイニシエータに返却する。検索要求は裁判所命令に従った合法的な内容である。これらの要求は同システム内のオペレータによって処理される。

※まだ途中です。いつか追記する予定。

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September 21, 2014

各国のネット規制の比較表を訳してみた

ロシアの新聞Коммерсантにこれからロシアで提案されているインターネット規制と既にいくつかの国で行われているネット規制の比較表が載っていたので翻訳する。
もし誤訳等あれば指摘して頂けるとありがたい。


ロシアで提案されている基準ベラルーシの基準イランの基準中国の基準
ネットワーク事業者が対象(インターネットを含む)全ての通信業者がライセンスの対象になるライセンスは全ての通信サービス事業者が対象。光ファイバーネットワーク構築にもライセンスが必要全ての通信サービス事業者はライセンスを受ける義務がある。
地区、地域、国の3段階に分け、海外への接続は全て国レベルのサーバーを通さなければならないサイトの分断対象は(他の通信サービスとは別に)インターネットレベルで行うサイトの分断対象は(他の通信サービスとは別に)インターネットレベルで行う通信サービス事業者は3段階に分かれている。(国、地域、市町村)(国レベルの段階のみ海外に接続可能)
地域・地方レベルでの外国とのネットワーク接続の禁止国際通信回線への接続はBeltelecomと国立中央国際通信センターのみ許可全ての「外部」トラフィックはイラン国営テレコミュニケーションを通して接続される外国サイトへのアクセスは国営企業によってコントロールされる
全ての地域のローカルサイトにロシアを超えて外と接続するのに必要な許可証となるトラフィックコードを義務付けるデータ通信は統一された共和国のネットワーク網経由で行われ、新しいネットワークは必ずそのネットワーク網に接続する事が義務付けられている当局による閉じた「ハラルネットワーク」を構築し、内容を完全に検閲する国家レベルのトラフィックは複数の国営通信企業(のみ)を通して海外と接続される
全てのネットワークレベルに対してフィルタリングが行われるフィルタリングはオペレーション分析センターが大統領府と情報通信省の管轄の元で行われるフィルタリングは政府機関のサイバースペース評議会によって行われる2003年に通称「金盾」と呼ばれる検閲の為のファイヤーウォールが構築されている
ロシアの境界の外側にRU. RF名義のDNSサーバーを立てるのを禁止する制限はありませんIR.ドメインの登録はイラン居住者に限定される。国外にイランのDNSサーバーを立てる事は禁止されている国内TopレベルドメインのDNSサーバーのみが中国語の漢字を使用することが出来る
国家レベルドメインのネットワーク接続コントロールセンターは連邦政府の執行機関国家レベルドメインの管理者は大統領府下のオペレーション分析センター国家レベルドメインの管理者は非営利団体国家レベルドメインの管理者は非営利団体

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July 27, 2013

ロシアのネットで起こっている事

 ロシアのネットと言うと中国顔負けの監視が行われているイメージがあるが、実は普通に見たり使ったりしている分には実は日本以上に自由な雰囲気に満ちていると言ったら驚くだろうか。恐らくこれはロシアでネットが普及したのが欧米や日本よりも遅れたせいもあって、まだ規制が始まる前の大らかな時代がまだロシアでは続いているからだと思う。かつてはアメリカでも日本でもネットの中は皆知り合いばかりで、規制も何も無く、時々とんでもないイタズラがあったり、平気でソフトや映画などが共有されていた時代があったが、まさにそんな雰囲気がまだロシアのネットには残っている。
 だが、それももう終わるのかもしれない。以前、Togetterでもまとめたようにロシアでは様々な法律でネットの規制が始まっている。その発端となった「未成年に対する同性愛の宣伝の禁止法」では、まだ公共の場での同性愛プロパガンダ禁止法と同時に、信仰を侮辱した罪に対する罰則も強化(これでも十分問題だが)にとどまったが、ついに今度「健康および発育に有害な情報から児童を保護する」と言う口実でロシア議会下院でインターネット検閲法が審議され、もしこれが可決されれば全インターネットにおいて卑猥な言葉を用いたSNS上の表現には警告が発せられ、24時間以内にページが削除されない場合は閲覧がブロックされ、ブラックリストに登録されると言う。(ソース)そして問題は政府の検閲だけにとどまらない。ロシアのネットではこれに便乗してOccupy Pedophilyaj運動という自称小児性愛者を特定・報告する自警団がSNSの偽のプロフィールでゲイなどの性的マイノリティを特定しビデオやメールなどのプロフィールを公開され自殺などに追い込まれる事態が発生しているという、しかもこの自警団子供を守ると言う名目を掲げているものの実際には普通の同性愛者をターゲットにしているのだ。

 ここまではまだ対岸の火事かも知れない。しかし日本でもネット規制の動きは着々と進んでいる。2008年6月には青少年ネット規制法が制定され、インターネット上の有害な情報から18歳未満の青少年を守ると言う口実で携帯電話にフィルタリングをつけることが義務化され、2012年11月1日には改正著作権法が施行されてそれまで罰則規定がなかった違法ダウンロードに罰則規定が追加され、今回の選挙前に自民・公明・日本維新の会が共同提出した児童ポルノ禁止法についても検閲目的では無いかと言う反対の声が上がっている。
 そして日本でも問題は政府の規制にとどまらない。ロシアのような露骨な自警団はまだ無いものの、炎上や個人情報の特定などは頻繁に起きてるし、更にはマイノリティをターゲットに成りすましによる個人情報の特定や嫌がらせ、更にはアイドルグループのイベント会場に警備員を装って侵入し、嫌がらせや盗撮などをする事態も起きているようなのだ(注)。

 ロシアで起きている事は明日の日本で起きることなのかも知れない。


注:NEWSのライブ中止で起きた混乱がネットで拡散し、その中で膨大な真偽不明の話が広まったが、その時広まった噂の中でも偽警備員の話が出て来たようだ。この件もそれに埋もれて真偽不明になってしまったが検証する術は無いのだろうか。

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February 10, 2013

遠隔操作ウイルス容疑者逮捕の件で思うこと

 今日の遠隔操作ウイルス容疑者逮捕の件で思うのは、肝心の警察検察冤罪でっち上げについてはもう話題になってない事だ。一応、調査報告書は作られたもののあれから対策が取られたという話も聞かないし、肝心の報告書自体2012年末を持って公開終了になったという。これでは今回もたとえ犯人じゃなくても警察は無理矢理自白させて犯人にしてしまいそうだ。あと最近の犯人逮捕の糸口の多くが防犯カメラと言うのも気になる。これは裏返せば一般市民の警察への協力や情報が得られてない裏返しになっているのではないか。確かに周りでも普通のおばちゃんが「もう警察はあてに出来ない」と公言してたのを耳にしたこともある。

 しかし、それ以上に気になるのは警察よりもマスコミの対応だろう。今回の遠隔操作ウイルス容疑者逮捕の件では、相変わらずマスコミが容疑者を犯人と決めつけた上に、容疑者の親族や周囲の住民に対して取材と言うなのメディアスクラムを始めてるのが気に入らない。マスコミは前回の誤認逮捕の被害者を犯人扱いした反省は無いのだろうか。(下記参照)




 ところで遠隔操作ウイルス事件で今、警察が最も恐れているのは真犯人を名乗る奴からの新しい声明だと思うが、新しい声明が出る確率は高いんじゃなだろうか。仮に容疑者が犯人だとしても安全の為にタイマー込で乗っ取った他人のPCから声明は出せるし、便乗した愉快犯が出てくる可能性もあるからだ。

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April 15, 2012

とうとう自宅のMacBookが壊れてしまった

長年使っていたMacinotshが壊れてしまった。前から充電中にLEDランプが点かないと思っていたのだが少し前からバッテリーが充電されなくなり、ついに電源まで入らなくなってしまった。
バッテリーの寿命かと思って交換すれば直ぐ直るだろうとたかをくくってたが、念の為Apple Storeに持って行ったところマザーボードが死んでる事が解り、結局交換になってしまった。
最近は家で仕事をする事はほとんど無いのでそれ程不自由ではないものの、代用機が無いのは心許ない。こんな時の為にとって置いた更に古いMac Book Proもさすがに寿命なのか、久し振りに立ち上げたら画面がすっかり色褪せてしかも液晶モニターの調子が悪い。いよいよ新しいマシンを買う時が来たのだろうか。ただ実のところ最近家ではネットに繋ぐ位しか使ってないので、わざわざ高価なマシンを買う必要性を感じない。今でさえiPadとApple Wireless Keybordでなんとかなっている状態だ。
Apple Storeで見て見ると何とMacBook Airなら10万ちょっとであるらしい。しかしこれを買ってしまうと本当にこれで完結して、家で仕事が出来なくなってしまう。
まあ、とりあえず来週直ってくるはずなので暫く次のマシンは止めておこう。

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