カテゴリー「ゲーム」の35件の記事

March 19, 2021

VRCでワールドを作ってる人の感想等をあまり聞かないので書いてみる

 意外とVRCでワールドを作ってる人の感想等を聞かないので書いてみる。
そもそも自分の場合は本業がUnityベースのスマホゲームアプリ開発(3D系)なのでVRChatのワールド作りも簡単かと思いきや、意外と判らないことや面倒な事が多くて逆にそれが面白い。とはいえ考えてみれば当然で、今のタイトルの大半は何十人下手をしたら100人近い人数が関わる大プロジェクトなので一人で全体に関わるのはまず不可能だし、全体を統括する立場になれば逆に細部のことはわからない。
そんなわけで自分も自分の担当以外はゲーム制作に関わっているとはいえよくわからなかったりするのだが、VRCのワールドで少し凝ったことをしようと思うとグラフィックからプログラム、サウンドまで幅広い分野を触ることになる。
そう考えると本業でもないにも関わらず凄いワールドを作っている人には本当に感心するのだが、それはさておき一通り作ってみて思ったのは個人で動き回れて場合によってはちょっとしたゲームや演出までVRで作れるVRCの環境はモチベーションを上げるにもスキルを磨くにも素晴らしい環境だと言うことだ。もちろんUnity自体がゲーム開発エンジンなので別にVRCに限らず何でも出来て当然なのだが、これを不特定多数の人に体験してもらえるというのはUnityだけでは難しい。(もちろん作ったゲームを配布すれば良いのだが、それをダウンロードして遊んでもらえるかはまた別だ)
 とはいえそこまでお膳立てが揃っているとはいえ、実を言うとワールド作りは正直面倒くさいと言う気持ちも拭えない。日頃仕事で3DCGを作っていて目が肥えてる分、脳内ハードルが上がりがちな上に仕事と違ってそれを全部一人で作らなければいけないからだ。そうした点ではUnityのアセットストアやBoothの各種モデルやギミックは本当に有り難い。しかもVRCのツールの多くは無償で提供されているものも多いのだ。
 そんなわけで面倒臭さと戦いつつワールドを作っている訳だが、意外な発見が多くて勉強になる。そもそもサウンド周りとかは仕事でも全くタッチしてないのでVRの3D音源周りとかを見てると「こんな事が出来るのか」と素直に感動している。それにしてもワールドを作るだけでも膨大な技術やノウハウが必要で改めていろんな発見や勉強になって面白いのはいいとして、これだけのノウハウを習得しているつよつよワールド製作者は一体何者なのだろうと改めて感心している。

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September 24, 2011

ソーシャルゲームについて一言

 最近、ネットでソーシャルゲームの話題が結構盛り上がっているようなので少しそれに便乗して書く。
自分も以前の記事でちょっと触れたが、ソーシャルゲームと言うと結構儲かっているイメージがあるようだが、現場の感覚はちょっと違う。と言っても自分はソーシャルゲームに関しては直接制作に関わったわけでは無く、仕事のオファーが来たので打ち合わせをしたり、ゲーム業界の中の人間として見聞きしたレベルなのだが、それでも知りうる限りでは現場はそれほど儲かっていないのは間違いないと思うのだ。
 その証拠に業界向けの求人情報でソーシャルゲームの項目を見れば、一部の役職を別にすればそれ程良いギャラにはなっていない。給料が高いのは所謂ディレクターやマネージャー、システム全般を見るレベルのエンジニアで、これは別にソーシャルゲームに関わらず(大変な分)高給取りの仕事である。
 自分が見たところでもギャラはそこそこでも、それ以上に仕事が猛烈に忙しい。

 まあこうしてゲーム開発現場にお金が掛からない(かけない)からこそ、会社としては儲かるのだろう。

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April 23, 2011

1990年代のCG・影像制作を振り返る

 昔、関わった会社が綺麗さっぱり無くなってたり、当時は業界内では誰もが知っていた事が今では誰も覚えてなかったりしてる事に気がついたので、もう古参のCG業界人しか覚えていない話を防備録代わりに残しておこうと思う。
 学生時代から関わっていたので、自分がCGに関わり始めたのはずいぶん昔の事になる。当時(1990年代)はようやく個人でもようやく影像制作用のソフトに手が届くようになりつつあり、これまで数千万かけて機材を揃えなければ出来なかったCGやビデオ編集が個人でも出来るようになるのではと騒がれた頃だった。当時TVではフジテレビ系列でウゴウゴルーガと言う番組が放送され、このCG部分がパソコン(アミーガ)によって作られていた事は業界人やCGを趣味でやっていた人達に衝撃を与えたものだった。
 当時の自分の日記を振り返ると「これでようやく個人でCG製作が出来る時代が来た。これで一人で映画を作ったり、(これまでプロダクションレベルでしか出来なかった)影像制作の仕事を個人で出来るようになるに違いない」と語っているのに自分でちょっと驚かされる。そう、当時は皆バラ色の未来を夢見ていたのだ。
 バラ色の未来と言えば、作り手側もそうだった。1994年にはちょうどPlayStaionが発売され、CGを作れる人間は引っ張りだこの状態だった。そして日本初の多くのソフトは全世界に売り出されていた。当然、自分もPlayStationのゲーム開発に加わって「自分の作ったものが全世界でプレイされる」のを夢見ていた。当時の自分の労働時間を振り返ってみると、どうしてこんなペースで働けたのか判らない程だった。なにせPlayStaionのゲーム開発をしながら雑誌の連載を抱え、更には個人でも影像制作の仕事を受けて、更に個人でプロモーションビデオまでも作っていたのだ。
 テンションが高かったのはゲーム業界だけでは無かった。今では信じられないかも知れないが、当時はまだCGソフトも多くのソフトが乱立し、そのいくつかは日本で開発されたものだった。まだどのハードやソフトが勝ち組になるか誰にも判らない時代だったのだ。そしてそれは開発する環境側もソフトを遊ぶためのプラットフォームも同様だった。
 ゲームやTV・映画以外も同じだった。まだバブルの余韻があった事もあり。建築シミレーション用の影像の需要が高まりつつあり、また多くの建築事務所がちょうどCAD・CGを導入しようとしていたからだ。そして当然ながらCAD・CGソフトでも多くの国産メーカーが参入を計っていた。

 あれから10年以上が過ぎた。当時、同じ業界で働いていた人達の多くはWebやスマートフォンなどの新しい仕事に移ったり元の業界へと戻っていって、半分以上も残っていない。当時、精力的に働いていた人達も働き過ぎか体を壊して引退したり、亡くなったりしてしまった。そして当時設立された会社もまた倒産したり吸収合併されて無くなった所もある。CGソフト会社の多くもAutoDeskに吸収され、今はAutoDeskの一人勝ち状態になっている。

 仕事としてのCGは寂しくなってしまったが、NMM(ニコニコムービーメーカー)コンテストなど個人のCG製作はむしろこれからが盛況だ。願わくばこれが仕事としてのCGに繋がってくれればと思っている。

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October 04, 2010

最近の影像制作の作り手が変わってきているらしい

 仕事でCGやAfter Effectsなどを使って影像を作っている作り手の層が変化してきているという話を聞いた。要はこれまで多かったアニメ・漫画などが好きないわゆるオタク層から、クラブやストリートで踊ったりパフォーマンスをしていた層やごく普通の文系を出た若者が入ってきているというのである。
 確かにニコニコ動画などを見ても作り手の層は広がっているのが感じられる。また仕事柄いろんな影像制作の会社やゲーム会社に出入りする機会も多いのだが、働いている人達の格好だけでも以前とは違っているのが見て取れる。ごく普通に髪を染めた若者や腰だめにズボンを履いた若者、どこの会社にも良そうな女の子などがCGソフトやAfter Effectsを使って影像制作をしているのである。では会社の方が変わったかというとそうではない。相変わらず作るコンテンツの多くはアニメや漫画・特撮が元のモチーフになっていて、強いて変わったところはターゲットがDVDやゲームからパチンコ・パチスロが中心になった事ぐらいで、忙しいところは相変わらずで今でも終電間際の残業や休日出勤がありふれた環境なのだ。
 ではこうした変化が何故起こったのかというと、どうやら2つの理由があるらしい。一つは一昔前の音ゲーやアイドルマスターなどのダンスものの作品が増えたことで、音楽・ダンスのセンスが生かせる職場として影像制作会社が意識され、会社側もそうしたセンスのある層としてこうした若者を積極的に採るようになった事。そしてもう一つの理由は皮肉な事に景気悪化に伴う労働環境の悪化によって、影像制作・ゲーム会社のハードワークぶりが他と比べても大差無くなった事があるという。

 働き手の層が広がることは悪くない話だが、その背景を考えると複雑な気持ちになってしまう。

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June 30, 2010

ふと見つけたゲーム系の記事をみて思う

切込隊長BLOG(ブログ)より印象的な一節


 弊社グループでさえ、企画や受注業務は東京でやっているけれども、難易度の高い研究開発や制作は地方都市で、量産しなければならないグラフィックや決まりきったエンジンのカスタマイズはベトナムや東欧でやってる。電子書籍しかり、iPhone/androidアプリ開発しかり、ソーシャルアプリしかり。こういう動きって、コンソールだろうがソーシャルアプリだろうがほとんど変わらんだろと思うんだ。
なるほど、道理で国内に残っている開発の仕事が日本独自のアニメや漫画にリンクした企画やパチンコ・パチスロ関係のものばかりになる訳だ。そう言えばこの前、Twitterでサウジアラビア!でのゲーム開発の求人を見つけてしまった(アラブ諸国は若年層が多く、ゲームなどの若者向けジャンルで大幅な発展が見込まれている)。いよいよゲームの仕事も海外に出ないと駄目なのかも知れない。

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May 23, 2010

リアルタイムCGの水面を作り続ける

 仕事でリアルタイムCGの水面を作り続けている。昔から水面はCGにとって難関の一つだっただけあって、案の定手こずっている。
 リアルタイムCGにおける水面の表現についてはマイコミジャーナルのコラムで西川善司氏が書いている「3Dグラフィックス・マニアックス」がよくまとまっていて参考になるが、ここに書かれているようにハードの性能が低いなら低いなりに、高いなら高いなりに水面の表現はさまざまな試行錯誤が行われてきた。
 やっかいなのは今の時代でもパチンコや携帯ゲーム機などハードの能力が低い機種向けに素材を作る時で、昔ならハードの性能が低い分ユーザーも表現が稚拙でも許してくれたのが、今では皆目が肥えているのでこうした機種であっても極力見栄えの良いものを作らなければならなくなった。そんな訳でいろんな工夫をしつつ素材を作っているのだがこれがなかなか難しい。特に大変なのがリアルタイム3DCGと言う性質上、どんなアングルで見られてもつじつまが合うものを作らなければならないことだ。ほんの数メートル手前から水平線が見える程の遠景まできちんと見えるようにするのは難しく、しかも水面は常に動いている上にさらに反射や透明度などの要素も絡んでくる。
 そんな訳で予想通り、ある角度だと格好いいのに別の方向からだと変だったりする問題が続出するわけだ。最近の映像ではこうした問題を解決するため殆どの水面ではプログラムで自動生成させているがこれはこれで大変だ。プログラムと言う性質上どんな絵が出てくるかは事前に予想できにくい上に、条件によってはとんでもない絵が出てきたりする可能性がどうしてもぬぐえないからである。PIXERなどのハリウッド相手の大手CGプロダクションでは水面なら水面を専門に作る開発部隊がいるそうだが、それだけの労力をさく理由もよく判る。
 そんな訳でしばらくは延々と水面と戦う羽目になりそうである。

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May 01, 2010

誰も書かない映像制作の話

Twitterで知ったこのサイトが面白い。映像制作関連の誰もが書かないテーマを取り上げて考察しているのだ。
 例えば日本の映像制作の現場では、パチンコ関連の仕事は比較的下に見られているくせに実は経済的に完全に依存していて、それ無しでは回らなくなっているし、権利関係や支払いもしっかりしている優良クライアントである話や、日本のアニメ漫画などのサブカルチャーで海外進出を目指すのが現実にはいかに非現実的かなど、現場の人間だと知っていてもなかなか書けない(書かない)テーマを取り上げているのが素晴らしい。
 そんな訳で本当は単にリンクを張るだけで済むのだが、それだとあまりに殺風景なので少しだけコメントを付けてみた。

そこ、つっこみ処ですから

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March 26, 2010

ゲーム業界化するパチンコ業界

 最近、パチンコ周りの映像・素材制作の仕事が多いがやっていて感じるのが昔働いていたゲーム業界との共通性だ。仕事先がソフト周りの開発と言うこともあるのだろうが、働いているスタッフも女性が多いし雰囲気もゲーム会社と変わらない。
 それも当然だろう。最近のゲーム会社の多くはゲームの仕事が不況なので今や大部分がパチンコ・パチスロの開発にシフトしているからだ。そしてパチンコの筐体自体、ゲーム機を数年追う形で3DCG表示やムービー再生などをサポートし(実は開発環境も昔のゲーム機のものを使っていたりする)ますますゲーム機に近づいている。そして問題点もゲームを追っているのも皮肉なことだ。3DCGや大量のムービーを使うことなどによる制作費の高騰と開発期間の長期化、それによるリスクの増加である。
 そして驚いたのはパチンコ雑誌もまたゲーム雑誌化している事だ。仕事先に資料としてある置いてあるパチンコ雑誌を見てもぱっと見、ファミ通などと印象が変わらない。どうも推測するに雑誌制作者側もソフト開発会社同様にゲームでは食えなくてパチンコにシフトしているようなのだ。また出版社は違うものの編集者やライターはゲーム畑出だというケースもあるらしい。

 しかしこのままゲームと同じ轍を踏んでもいいのだろうか。と言うのも先に書いたように確実にゲーム業界で問題になっていた点まで正確に踏襲しているからである。

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January 18, 2010

ちょっと気に入った曲の動画

 twitterでロシアのフォロアーから教えてもらった動画。タイポグラフィがとても綺麗。
なんでもこの曲、ポータルというシングルプレイ専用アクションパズルゲームのエンディングの曲らしい。

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September 25, 2009

ゲーム業界にも忍び寄るアウトソーシングの影

 他のコンピューター業界ではよく聞かれるようになった人件費の安い外国に開発を外注するアウトソーシングがゲーム業界にも少しずつ広がっている。いろいろ差し障りがあるので具体的な企業名は書けないが私が見聞きした所でも何社かはアウトソーシングを実行したり検討していた。
 ゲームは日本人の感性に関わるから外国への外注は難しいと言う意見はよく聞くが、以前も書いたように開発費が高いためある程度以上の本数を売るための次世代機ソフトでは海外市場は見逃せない。また仕事の分担化が進んで、感性に左右されないパートを外に出すと言うやり方も増えてきた。
 そんな訳でいよいよこれからはゲーム業界でも海外の開発者と競合する時代がやってきた。既にこの業界も不景気の影響で大変だが、まだまだ大変な時代は続きそうである。

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